投稿日 2020/06/01

顧客インサイトを見つけるフレーム (大好きな 「きな粉牛乳」 を例に)




今回は、マーケティングの顧客インサイトについてです。


この記事でわかること


  • 顧客インサイトとは?
  • インサイトを見つけるフレーム
  • きな粉牛乳のインサイト


記事の前半では、顧客インサイトを掘り下げる4つの要素をご紹介します。後半では応用として、具体例から実際のインサイトを掘り下げてます。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、マーケティングのものの見方や考え方への参考になればと思います。


マーケティングで大事なこと


マーケティングで重要なのは、顧客理解です。

顧客の理解を表面的なものでは終わらせず、いかに奥にある気持ちまで深く理解できるかです。

キーワードが 「顧客インサイト」 になります。

では、顧客インサイトとは何でしょうか?


顧客インサイトとは


一言で言えば、顧客インサイトとは 「人を動かす隠れた気持ち」 です。

顧客本人も普段は意識したり自覚できていませんが、そうと気づかされれば行動を、時には習慣まで変えてしまう奥にある心理です。

では、どうすれば顧客インサイトを見つけることができるのでしょうか?


顧客インサイトの見つけ方


ご紹介したいのが、インサイトを掘り下げる4つの要素です。ほんとうの欲求は、ほとんど無自覚 という本に書かれています。





4つとは、ドライバー、シーン、バックグラウンド、エモーションです。




引用: 女性のインサイトを捉えたヤッホーブルーイングの“観察力”【前編】| AdverTimes


エモーションという感情につながる3つの要素をそれぞれ掘り下げていきます、感情を呼び起こす直接のきっかけとなる 「ドライバー」 、その時の状況である 「シーン」 、そして背景要因の 「バックグラウンド」 です。

インサイトを見つけるときのポイントは、エモーション以外は客観的事実に基づいていることです。

つまり、感情と事実をセットで捉えることが、インサイトを発見する時に大事です

ではここからは、このインサイトを掘り下げる4つの要素を、具体例で解説をしていきます。


大好きな 「きな粉牛乳」


私自身の例ですが、きな粉牛乳をよく食べています。

食べ始めたきっかけは、きな粉の袋の裏面に書かれていた内容です。

きな粉の色々な食べ方の1つに、牛乳と混ぜたきな粉牛乳がありました。実際にその場で試してみると、美味しいと感じ、その後は今も好きで食べています。

このあたりの詳しい経緯は、別の記事で書いています。マーケティングの観点から掘り下げているので、ぜひご覧ください。




では、きな粉牛乳には、どんな顧客インサイトがあるのでしょうか?

私自身も掘り下げるまでは気づいていなかった顧客インサイトを、4つの要素に沿ってご紹介します。


引用: AdverTimes



[要素 1] シーン


まずはシーンです。

シーンは2つあります。食べている時と翌日です。

食べている時は純粋に美味しいと感じ、食べごたえがあり満腹感も得られます。

もう1つのシーンは、翌日の朝です。

きな粉牛乳をしっかり食べることによって毎朝決まった時刻にトイレに行け、お通じができるようになりました。きな粉が豊富な食物繊維を含んでいるからです。

では翌日の朝のシーンには、どんなドライバー (感情を直接引き起こす要因) があるのでしょうか?


[要素 2] ドライバー


このシーンでのドライバーは、自分の腸内から身体が整っているという実感です。

また、お通じに関しては 大便通 - 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌 という本に書かれていた、良い便の条件を満たしていることも、ドライバーです。


良い便かどうかのチェックポイント
  • 定期的: 毎日、決まった時間帯に便通があるか
  • 臭い: やや酸っぱい感じの発酵臭
  • 色: 黄色がかった褐色
  • 固さ: 適度に水分を含み、便器の水中でパッとほぐれて浮かぶ
  • 量: 1日に200-300グラム


どこまで因果関係があるかわかりませんが、「腸内環境が良くなる → 毎朝のお通じ → 体の調子が良い → 風邪をひかなく普段から元気でいれられる」 という実感があります。

では次に、バックグラウンドを見てみましょう。


[要素 3] バックグラウンド


バックグラウンドの1つは、腸内環境に関する健康情報です。腸内環境を良くすることのメリットを、知識として得ていたことです。

また、自分の体は常に最高の状態にしておきたいという思いもあります。それと、1日のリズムを朝からしっかり作りたいという気持ちもあります。

では、以上のシーン、ドライバー、バックグラウンドから掘り下げた、より奥にあるエモーションは何でしょうか?


[要素 4] エモーション


自分自身も気づいていなかった、自覚していなかったエモーションは、自分の体が健康であることの嬉しさと充実感です。

さらに掘り下げると、自分自身をコントロールできている実感、達成感、そして、自己実現に近い感情を持っています

あらためてシーンからドライバーやバックグラウンドをここまで考えてみると、1日の始まりにトイレに行くリズム感を作るだけではありませんでした。

達成感と自己実現まで感じられることが、充実感と嬉しさにつながっているのです。


まとめ


今回は、マーケティングの顧客インサイトについて見てきました。

いかがだったでしょうか?

ご紹介した顧客インサイトを掘り下げるための4つの要素 「シーン」 「ドライバー」 「バックグラウンド」 「エモーション」 は、マーケティングで参考になるフレームです。

最後に、今回の記事のまとめです。


インサイトを掘り下げる4つの要素



大好きな 「きな粉牛乳」 に当てはめた例
  • シーン: 食べている時と翌日の朝 (トイレのお通じ)
  • ドライバー: 自分の腸内から身体が整っている実感
  • バックグラウンド: 腸内環境の知識、体は常に最高の状態にしておきたい
  • エモーション: 健康であることの嬉しさと充実感、達成感、自己実現





ほんとうの欲求は、ほとんど無自覚 (大松孝弘, 波田浩之)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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最も力を入れているのはニュースレターです。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。