投稿日 2020/06/27

現状分析の重要性を、戦略の観点から解説




今回は、現状把握についてです。

現状分析の重要性を、戦略をつくることを例に掘り下げていきます。


この記事でわかること


  • 現状把握の重要性
  • なぜ大切なのか
  • 現状理解に終わりはない


ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考になれば嬉しいです。


現状把握から始める


私が仕事で戦略をつくる、例えば、事業戦略やマーケティング戦略、プロダクト戦略、営業戦略で共通してまずやることは、現状把握です。

現状把握から現実を直視し、時には厳しい状況にも向き合うようにします


本質を見極める


現状分析のポイントは、表面的な事象理解で終わらせないようにします。

どんなものにも大きく分けると、三つのレイヤーで構成されていると考えます。


三つのレイヤー
  • 表面的な事象
  • 背後にある構造的な要因 (メカニズム)
  • さらに奥にある本質


現状把握では事象の理解だけではなく、構造化と、その奥にある本質を見極められるかです。

では改めて、なぜ現状把握が重要なのでしょうか?


現状把握とは前提の理解


物事には必ず前提があります。

前提が変われば、前提という土台に乗っている方針や行動も変わります。

事業戦略に当てはめると、前提とは 「目的」 と 「戦う領域」 です。戦う領域とは、市場に当たります。

事業戦略をつくる時には、三つの観点から環境分析をして前提を把握します。


環境分析
  • 顧客
  • 競合
  • 社内状況


この三つは、3C のフレームです (Customer, Competitor, Company) 。


現状把握から戦略へ


前提となる現状把握が解像度高くできていて、奥にある本質を掴めているほど、戦略と実行プランに落とし込むことができます。

裏を返せば、戦略が煮詰まっている時は、前提である現状把握がまだ甘いということです。

現状分析が深く掘り下げられていると、以下のような筋の良い戦略に繋がっていきます。


筋の良い戦略
  • 目的と戦略が一致している
  • やらないことが明確
  • シンプル
  • ストーリーの具体性と一貫性
  • ワクワクする、実現できると思える


現状把握に終わりはない


前提となる現状分析は、一度やって終わりではありません。

なぜなら前提は常に変わり得るからです。前提が変われば、それに合わせて早く対応し適応することが必要です

戦略での前提とは、目的と環境でした。

目的は変えなくて良いか、市場は変わっていないか。こうした問いは、常に持っておくことが大事です。

明らかな環境変化のもっと前、変化につながりそうな兆候をどれだけ掴んでいるかが、戦略家には問われます。


まとめ


今回は、現状把握の重要性を戦略の観点から掘り下げました。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


1.
事業戦略やマーケティング戦略など、どんな戦略をつくる時にも共通するのは現状把握から。現状分析から現実を直視し、時には厳しい状況にも向き合う。


2.
現状把握のポイントは、表面的な事象理解で終わらせない。
  • 表面的な事象
  • 背後にある構造的な要因 (メカニズム)
  • さらに奥にある本質


3.
現状把握とは前提の理解。現状把握から本質を掴めていると、戦略と実行プランに落とし込める。戦略が煮詰まっている時は、前提である現状把握がまだ甘い。


4.
前提は常に変わり得るので、現状把握に終わりはない。目的は変えなくて良いか、市場は変わっていないかの問いは、常に持っておく。変化への兆候をどれだけ掴んでいるかが問われる。

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。