
今回取り上げるのは 「バカなる」 です。
この記事でわかること
- 一見すると非合理、全体では合理
- 2つの 「バカなる」
- 「バカなる」 をつくる方法
今回のキーワードは 「バカなる」 です。
バカなるとは何でしょうか?どうやって持てばいいのでしょうか?
ぜひ最後まで記事を読んでいただき、お仕事やキャリアでの参考になれば嬉しいです。
この戦略は一見すると非合理だが…
ストーリーと競争戦略 という本で興味深く読めたことがあります。
思わず誰かに話したくなる戦略ストーリーには、「一見すると非合理だが、全体を見れば合理」 があります。
この本では 「バカなる」 と表現されています。最初は 「バカな」 と思いますが、全体を見ると 「なるほど」 と納得できる合理性があるからです。
2つの 「バカなる」
バカなるは二種類あります。
一つは時間的なものです。時間軸で見たときに最初は非合理に見えますが、後から振り返ったり時間が経てば合理的になります。
もう一つは空間的なバカなるです。一部分だけを見れば非合理ですが、全体像を捉えれば合理的です。
「バカなる」 の意味
全員が手放しで賛同する戦略は組織内で通しやすいです。
しかし、誰から見ても合理的過ぎると他の人でも思いつきやすく、したがって過当競争になりやすいです。
こうなると戦略では差別化できないので、戦術 (具体的な施策やアクション) で違いをつくることになります。ただし元々の戦略が似ているので、差異を実現する自由度は低いです。
違いをつくるためには戦略から異なっている方が良く、だからこその 「バカなる」 なのです。
では、バカなるはどうやってつくればいいのでしょうか?
「バカなる」 をつくる方法
ここからは 「一見すると非合理だが全体では合理」 のつくり方を見ていきましょう。
問いかけは、「多くの人は反対したりバカにするかもしれないが、自分たちにとって大切なこと・信じていることは何か」 です。
戦略とは、目的を達成するためにやること・やらないことの方針です。ここに 「バカなる」 を加えれば、次のようになります。
逆張りの発想
- 「他の人がやらないこと」 をやる
- 「他の人がやっていること」 をやらない
ただし闇雲に他の人と違うことをやったとしても、それが価値にならなければ意味がありません。これでは 「一見すると非合理」 しか実現できていません。
全体では合理、つまり 「時間軸で後から合理的になる、または全体像を広げて捉えると合理的である」 をどう実現するかです。他の人には見えていないが自分は信じている。ここに正しさ、美しさ、好きがあるかどうかが問われます。
まとめ
今回は、ストーリーのある戦略のポイントである 「一見すると非合理だが、全体では合理的である」 を取り上げました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
バカなる
- 思わず誰かに話したくなる戦略ストーリーには、「一見すると非合理だが、全体を見れば合理」 がある
- 最初は 「バカな」 と思うが、全体を見ると 「なるほど」 と納得できる合理性
2つの 「バカなる」
- 最初は非合理に見えるが、後から振り返ったり時間が経てば合理的 [時間]
- 一部分だけを見れば非合理ですが、全体像を捉えれば合理的 [空間]
「バカなる」 のための逆張りの発想
- 「他の人がやらないこと」 をやる
- 「他の人がやっていること」 をやらない
全体への審美眼
- 闇雲に他の人と違うことをやったとしても、それが価値にならなければ意味がない
- 他の人には見えていないが自分は信じていることに正しさ、美しさ、好きがあるか
ストーリーとしての競争戦略 (楠木建)