投稿日 2020/11/02

自分だけの 「バカなる」 を戦略的に持とう



今回取り上げるのは 「バカなる」 です。


この記事でわかること


  • 一見すると非合理、全体では合理
  • 2つの 「バカなる」
  • 「バカなる」 をつくる方法


今回のキーワードは 「バカなる」 です。

バカなるとは何でしょうか?どうやって持てばいいのでしょうか?

ぜひ最後まで記事を読んでいただき、お仕事やキャリアでの参考になれば嬉しいです。


この戦略は一見すると非合理だが…


ストーリーと競争戦略 という本で興味深く読めたことがあります。





思わず誰かに話したくなる戦略ストーリーには、「一見すると非合理だが、全体を見れば合理」 があります。

この本では 「バカなる」 と表現されています。最初は 「バカな」 と思いますが、全体を見ると 「なるほど」 と納得できる合理性があるからです。


2つの 「バカなる」


バカなるは二種類あります。

一つは時間的なものです。時間軸で見たときに最初は非合理に見えますが、後から振り返ったり時間が経てば合理的になります。

もう一つは空間的なバカなるです。一部分だけを見れば非合理ですが、全体像を捉えれば合理的です。


 「バカなる」 の意味


全員が手放しで賛同する戦略は組織内で通しやすいです。

しかし、誰から見ても合理的過ぎると他の人でも思いつきやすく、したがって過当競争になりやすいです。

こうなると戦略では差別化できないので、戦術 (具体的な施策やアクション) で違いをつくることになります。ただし元々の戦略が似ているので、差異を実現する自由度は低いです。

違いをつくるためには戦略から異なっている方が良く、だからこその 「バカなる」 なのです。

では、バカなるはどうやってつくればいいのでしょうか?


 「バカなる」 をつくる方法


ここからは 「一見すると非合理だが全体では合理」 のつくり方を見ていきましょう。

問いかけは、「多くの人は反対したりバカにするかもしれないが、自分たちにとって大切なこと・信じていることは何か」 です。

戦略とは、目的を達成するためにやること・やらないことの方針です。ここに 「バカなる」 を加えれば、次のようになります。


逆張りの発想
  • 「他の人がやらないこと」 をやる
  • 「他の人がやっていること」 をやらない


ただし闇雲に他の人と違うことをやったとしても、それが価値にならなければ意味がありません。これでは 「一見すると非合理」 しか実現できていません。

全体では合理、つまり 「時間軸で後から合理的になる、または全体像を広げて捉えると合理的である」 をどう実現するかです。他の人には見えていないが自分は信じている。ここに正しさ、美しさ、好きがあるかどうかが問われます。


まとめ


今回は、ストーリーのある戦略のポイントである 「一見すると非合理だが、全体では合理的である」 を取り上げました。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


バカなる
  • 思わず誰かに話したくなる戦略ストーリーには、「一見すると非合理だが、全体を見れば合理」 がある
  • 最初は 「バカな」 と思うが、全体を見ると 「なるほど」 と納得できる合理性


2つの 「バカなる」
  • 最初は非合理に見えるが、後から振り返ったり時間が経てば合理的 [時間]
  • 一部分だけを見れば非合理ですが、全体像を捉えれば合理的 [空間]


 「バカなる」 のための逆張りの発想
  • 「他の人がやらないこと」 をやる
  • 「他の人がやっていること」 をやらない


全体への審美眼
  • 闇雲に他の人と違うことをやったとしても、それが価値にならなければ意味がない
  • 他の人には見えていないが自分は信じていることに正しさ、美しさ、好きがあるか





ストーリーとしての競争戦略 (楠木建)


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。