投稿日 2018/11/10

思考力を高めるためにおすすめの本 (5冊)


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あるスタートアップにインターンで来ている学生の方から、思考力を高めるために参考になる本を教えてほしいと聞かれました。

今回は、その時に伝えた本の3冊と、その後に思い出した2冊の、合計5冊の本をご紹介します。

思考力を高めるためにおすすめの5冊は、次の通りです。

  • アナロジー思考 - 「構造」 と 「関係性」 を見抜く
  • メタ思考トレーニング - 発想力が飛躍的にアップする34問
  • 未来を先回りする思考法
  • 考えの整頓
  • あなたを天才にするスマートノート

以下、順にご紹介します。



アナロジー思考 - 「構造」 と 「関係性」 を見抜く (細谷功)




この本で学べる新しいアイデアのつくり方は、借りてきて組み合わせることです。既存のアイデアを借りてくるために有効な方法が、アナロジー思考です。

アナロジー思考は、複雑な事象に潜む本質的構造を見抜き、それを別の分野に応用することです。何か具体的な事象を、構造・パターンや仕組みのレベルで抽象化します。それを別の具体事象に当てはめます。

他人が気づかないような、遠くから借りてくるのに必要なのが抽象化思考力です。アナロジー思考のプロセスでは、そもそもの問題は何かの問題設定力、問題に対する答えを導こうとする仮説思考力も使います。

この本では、アナロジー思考がどのように役に立つのか、どうやって鍛えるかが解説されています。

アナロジー思考のおもしろさは、全く別のことに当てはまった時に、脳の中で何かがつながった知的興奮が味わえることです。

この本については、別のエントリーで書評を書いています。





メタ思考トレーニング - 発想力が飛躍的にアップする34問 (細谷功)




メタ思考とは、自分が見ているよりも一つ上のレベルで考えることです。視座を上げて新たな気づきを得る思考法です。

本書の表現で印象的だったのは、自分が 「とらわれの身」 になっていることに気づくことでした。知らず知らずのうちに自分の考え方やモノの見方は偏っています。

思考の壁の中に閉じ込められた状態から、いかに抜け出すかです。メタ思考によって、自分の気づいていないことに、自分で気づけるかです。

本書には、ソクラテスの 「無知の知」 に対して、「無知の無知」 が指摘されています。無知の知では、自分が知らないことに気づくことの重要性を説きます。一方の無知の無知は、「自分が知らないことに気づいてさえいない」 という状態で、知らないことへの無自覚です。

 「無知の無知」 に気づき、「無知の知」 にするきっかけになるのが、メタ思考です。

書評エントリーは以下です。





未来を先回りする思考法 (佐藤航陽)




この本で興味深いと思ったのは、未来を読むためにどのような考え方をすればよいかです。

ポイントは、疑うことです。特に、今の時代に当然とされているものを疑えるかです。

未来を見るヒントは、ものごのや仕組みのそもそもの目的に立ち返ること、手段の目的化が起こっているのを見抜くことです。

本来の目的が人々に忘れ去られ、手段でしかない仕組みを維持することが、いつの間にか目的になっていないかです。

本書では未来に向けて行動するタイミング、適切なタイミングの見極め方も、興味深く読みました。

こちらも、書評を書いています。





考えの整頓 (佐藤雅彦)




この本が思考力という視点でおもしろく読めるのは、日常生活の中でも着眼点を持って捉えれば、これだけ多くの発見が得られることを気づかせてくれるからです。

本書に書かれているのは、著者であるメディアクリエイターの佐藤雅彦氏の思考プロセスです。

日常生活で気になったことや何か違和感を持ったことを、「なぜ自分はそう思ったのか」 「自分は何に引っかかったのか」 を掘り下げます。本のタイトル通りの 「考えの整頓」 が鮮やかにされ、読み手にとっても知的な楽しさを味わえます。

自分が何か心に引っかかったこと、違和感を持ったことを、そのまま流して忘れ去ってしまうのではなく、立ち止まってなぜそう思ったのかを考えています。得られる発見や新しい意味を、興味深く読めます。

なぜ引っかかったのか、自分はそう思うかという why 、内省したことは要するにどういうことかの so what です。これらの問いを日常生活でどう使うかを学べる本です。

書評エントリーです。





あなたを天才にするスマートノート (岡田斗司夫)




最後の5冊目は、紙のノートを使って思考力をどう高めるかが書かれた本です。

タイトル通りの天才になれたかどうかはさておき、ノートに毎日書くことを習慣にすると、自分の思考力が高まることが実感できます。

具体的には以下です。

  • 整理する力が強化される
  • まとめる力がつく
  • 新しい気づきが得られる
  • 自分のことが理解できる
  • 悩むことが少なくなる

私の紙ノートの使い方は、本書の著者である岡田斗司夫氏のスマートノートの方法と全く同じではありません。ノートの使い方の原型は、スマートノートです。

紙のノートにペンで手書きをすることは、必ずしも効率ではありません。しかし、紙ノートに書く習慣によって、今の自分があります。

特に仕事での知識やノウハウの整理と強化、ブログを毎日更新できていることにも役に立っています。これからも続けたい大切な習慣の一つです。

この本については、別のエントリーで取り上げています。どのように紙のノートを使っているかもご紹介しています。



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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。