2018/11/13

前職の Google で学んだ 「Why Google」 という哲学


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前職は Google でした。所属した期間は5年5ヶ月です。ポジションは、シニアマーケティングリサーチマネージャーでした。

グーグルで得られた経験の一つは、常に 「Why Google?」 が問われたことです。今回は、この Why Google について書いています。

エントリー内容です。

  • Why Google とは
  • マーケティングリサーチに見る 「Why Google」
  • Why から始める


Why Google とは


Why Google の考え方は、それをなぜグーグルがやるべきなのかを明確にすることです。

例えば、プロジェクトやグーグルが主催するビジネス向けイベント等において、本当にグーグルがやるべきなのか、自分たちはなぜそれをやる必要があるかの目的や理由があるかです。

 「Why Google?」 に対して説得力のある答えを持てなければ、いくら自分がやりたいと思っても承認されません。


マーケティングリサーチに見る 「Why Google」


グーグルでのポジションは 「シニアマーケティングリサーチマネージャー」 でした。

マーケティングリサーチを例に、「Why Google」 をご説明します。

グーグルにいた当時、私は以下の3つの観点で、Why Google かどうかを考え、その仕事はやるべきかどうかを判断していました。

  • 社会へのインパクトがあるか
  • ミッションにつながっているか
  • 価値観に沿ったものか


1. 社会へのインパクトがあるか


そのリサーチ案件は、どんなビジネスインパクトがあるのかです。

社内に向けては、マーケティング部やセールス部にどのような貢献ができるかです。

Why Google で問われたのは、社外に対しても何かしらのインパクトにつながるかどうかです。グーグルにいた当時は 「Thought leadership」 と言っていました。

Thought leadership とは、業界や社会に新しい価値を提案し、業界をより良くするために自分たちがリーダーシップを取っているか、言っているだけではなく、実践して成果を出しているかです。


2. ミッションにつながっているか


グーグルは、以下のミッション (使命) を掲げています。

 「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」
Organize the world's information and make it universally accessible and useful.

私のマーケティングリサーチにおけるグーグルのミッションの解釈は、「リサーチは良い結果が出そうだからやるのではなく、真実を知るために実施すること」 です。

  • 真実を調査から抽出する
  • なるべく多くの人がアクセスできる状態にする
  • 調査結果や示唆が世の中に役に立つようにする

これが、グーグルのミッションを自分の役割に落とし込んだものです。

もちろん、顧客案件によっては機密情報に当たるので調査結果を、そのまま全てを外部に開示することはできません。しかし、調査から得られた示唆は、他の同じような調査とまとめて発信するなど、可能であれば人々が知ることができるようにすることが、ミッションにつながると考えていました。

全てのリサーチ案件ではなかったものの、世の中に出す意義があると思ったものは、広報部と連携しメディア取材やグーグルの自社ブログにて発表をしていました。

また、調査方法に透明性を持たせ、やろうと思えば他の人も同じ調査ができるという再現性があるかどうかも意識していました。必然的に、調査方法が正しいやり方かどうかも問われます。


3. 価値観に沿ったものか


Why Google という問いに対して、ロジックと情熱 (意思) の両方で、どれだけ確固たるものがあるかが問われました。

グーグルが大切にする価値観にも則ったものかどうかです。

例えばユーザーファーストです。直接の成果提供先にあたるマーケティング部やセールス部だけではなく、その先のユーザーや顧客にとって意味のあるものかどうかです。「Do the right things」 という正しいことをやるという考え方に沿ったものかどうかです。


Why から始める


Why Google を考えるということは、ものごとを 「Why から始める」 ということです。

目的、ゴールイメージ、ビジョンがあるかです。Why を明らかにし、自分がやることの意義を明確にします。

Why Google の考え方は、自分の働き方も含めた生き方にも影響しています。「なぜ自分がやるのか」 を自分に問いかけることです。

  • 自分が心からやりたいと思うかどうか (will)
  • 自分はできることか・今はできなくてもできるようにしたいことか (can)
  • 相手や社会から求められているかどうか (should)

この3つが Yes ならば、やろうとしていることに自分の Why があるということです。


まとめ


今回の記事のまとめです。

  • Why Google とは、それをなぜグーグルがやるべきなのかを明確にすること。「Why Google?」 に対して説得力のある答えを持てなければ、いくら自分がやりたいと思っても承認されなかった

  • グーグルにいた当時、私は以下の3つの観点で、Why Google かどうかを考え、その仕事はやるべきかどうかを判断していた。① 社会へのインパクトがあるか、② ミッションにつながっているか、③ 価値観に沿ったものか

  • Why Google を考えるということは、ものごとを 「Why から始める」 ということ。Why とは、ビジョン、目的、ゴールイメージ。自分がやることの意義を明確にする


最後に


今回は、グーグルで働いて得られたことの一つである 「Why Google」 という考え方をご紹介しました。なぜ自分たちはそれをやるのか、やる意義は何かを問うことです。

最後に、関連するエントリーのご紹介です。Why から始めるというゴールデンサークルについて書いたものです。

よろしければ、ぜひご覧ください。



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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。