
今回は、戦略についてです。
- 戦略についてわかりやすく教えてほしい
- どうやって戦略をつくればいい?
- 戦略立案と実行で注意すべきことは?
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、戦略とは何か、戦略のつくり方、そして、実行までのプロセスで何に注意すればよいかです。
ぜひ最後まで読んでいただき、仕事での参考にしてみてください。
戦略とは何か
いきなりですが、戦略とは何でしょうか?
戦略とは、目的を達成するために 「やること」 と 「やらないこと」 です。
限られたリソース (時間・お金・エネルギー) の中で、やることの優先順位を決め、リソース配分をすることです。リソースは無限にはないので、必然的に優先順位の低いものへはリソースは配分されません。
大事なのは、意思として配分しないと決めることです。
捨てられるか
何かを決めるということは、捨てることでもあります。戦略で何をやるかを決める以上に重要なのは、何をやらないかを決めることです。
考えられることを全てやるというのは、戦略ではありません。
少なくとも優先順位が明確で、優先度が低いものはやらないと決断し捨てられるかです。やらないことを決めるからこそ、目的を達成するために自分たちは何をやるかを明確にすることができます。
理想の戦略とは
戦略の二文字は、戦いを略すと書きます。
戦略とは戦うことが前提にあるのではなく、目的を達成するためにあります。理想は、戦わずに目的を達成することです。戦わないためにはどうすればよいかです。
戦略の文脈で戦わないとは、相手と同じことをしないということです。自分が唯一無二になるために何をやり、何をやらないかです。
戦略立案から実行までのプロセス
では、戦略をどのようにつくっていけばよいでしょうか?
戦略を立て、実行するまでのプロセスは、以下です。6つのステップがあります。
戦略立案と実行のプロセス
- 現状把握
- 意味合いの抽出
- 目的とゴール設定 (どの山を登るか)
- 目的を達成するための戦略立案
- 戦略の実行
- 戦略のアップデート (見直しを躊躇しない)
以下、それぞれについてご説明します。
[戦略プロセス 1] 現状把握
まずは現状を把握します。定量的な情報と定性的な情報の両方を使って事実を明確にします。
例えば、営業戦略を立てるためには、売上や利益などの数字と、その数字をもとに営業担当者の見解から、状況を把握します。営業担当者のヒアリングをするためには、事前に売上、訪問数やリピート発注率などの数字から仮説を立てておき、仮説に対して現場の見方を理解します。
現状把握で使いやすいフレームは例えば 3C です。自社だけの現状で終わらず、顧客の環境や競合状況も理解します。
[戦略プロセス 2] 意味合いの抽出
現状把握からのファクトに対して、自分たちのビジネスの文脈において何を意味するかを考えます。
事実に対してどんな解釈をするかです。現状把握でわかった表面的な事象の奥にある本質は何かです。
以上の 「現状把握」 と 「意味合いの抽出」 は、戦略を立てるための前提の見極めです。戦略への準備をどれだけできるかが、筋の良い戦略立案と実行につながります。
[戦略プロセス 3] 目的とゴール設定 (どの山を登るか)
戦略を立てるにあたって、自分たちの目的を明確にします。目的を達成した時にどんな状態になっているかのゴールも設定します。
戦略とは目的を達成するために何をやるか・やらないかです。目的がないと、そもそも戦略は立てられません。どの山を登るのか、頂上はどこかを具体的にします。
[戦略プロセス 4] 目的を達成するための戦略立案
目的とゴール設定ができれば、戦略の立案に入ります。
目的とゴールで設定した 「どの山を登るか」 に対して、戦略とは頂上に行くための 「どの道を選ぶか」 に当たります。
戦略を立てるとは、やること・やらないことの線引きを明確にし、やることに優先順位を付けることです。
[戦略プロセス 5] 戦略の実行
戦略として決めたやることを具体化するために戦術をつくります。
戦略が what に対して、戦術は how です。戦略は 「どの道を進むか」 、戦術は 「道をどうやって進むか」 です。実行するために考える要素は、人 (組織) 、モノ、金、情報、時間 (スケジュール) です。
[戦略プロセス 6] 戦略のアップデート (見直しを躊躇しない)
戦略は実行して初めて意味を持ちます。実行されない、またはできない戦略は、絵に描いた餅です。
実行によって、戦略立案の段階では見えていなかったことが明らかになります。走りながら、場合によっては見直すこともあり得ます。掲げた目的やゴール、外部環境の変化など、戦略の前提が変われば、戦略や戦術も影響を受けます。
外部環境が変化すれば、自分たちも変化し、変化に適応することが求められます。
戦略立案から実行の注意点
戦略を考える、実行するにあたっての注意点です。5つです。
戦略立案と実行の注意点
- 戦略は仮説である
- 戦略の前提条件を明確にする
- 上位から 「目的 → 戦略 → 戦術」
- 戦略立案よりも実行が難しい
- 勝ち筋は相対的
以下、それぞれについて解説します。
[注意点 1] 戦略は仮説である
戦略を立てた時点では、まだ本当にその戦略で勝てるかどうかはわかりません。戦略はあくまで仮説です。
戦略が仮説であることの意味は、戦略は実行されてこそ価値があります。実行によって戦略という仮説が検証されます。
筋の良い戦略はシンプルです。戦略の説明に何分もかかり、まわりに伝えてもイメージを持ってもらえない場合は、戦略の詰めがまだ甘い状態です。
[注意点 2] 戦略の前提条件を明確にする
ものごとには必ず前提があります。
戦略の前提とは、市場や競合などの外部環境、自社の状況の内部環境です。どういう想定で立てられたかを明確にしておきます。前提が変われば、戦略も見直します。
[注意点 3] 上位から 「目的 → 戦略 → 戦術」
戦略は、目的を達成するためにあります。戦略は目的に始まり、目的に終わります。戦略で決めたやることを具体化したものが戦術です。
戦略の上位に目的があり、戦略の下位に戦術がきます。決める順番は、目的・戦略・戦術です。
[注意点 4] 戦略立案よりも実行が難しい
戦略をつくることは簡単ではありません。しかしもっと難しいのは、立てた戦略の実行です。
戦略は、実行する組織に規定されます。組織に力がなければ、戦略は意図した通りに実行されません。戦略を実行する組織ができない、あるいはやらない戦略は机上の空論です。
[注意点 5] 勝ち筋は相対的
戦略を実行し、目的を達成するために、戦略の成功のカギは何か、勝ち筋は何かを理解できているかです。
戦略の勝ち筋は、相対的なものです。自分たちと競合によって、そして、市場環境によって、同じことでも筋の良い成功のカギになる場合もあれば、相対的な劣位になることもあります。
勝ち筋は、想定する前提によって変わります。
まとめ
今回は戦略について考えました。そもそも戦略とは何か、戦略立案から実行までのプロセス、戦略への注意点です。
最後に今回の記事のまとめです。
- 戦略とは、目的を達成するために 「やること」 と 「やらないこと」 。
何かを決めるということは、捨てることでもある。戦略で何をやるかを決める以上に重要なのは、何をやらないかを決めること
- 戦略立案と実行のプロセスは、
- 現状把握
- 意味合いの抽出
- 目的とゴール設定 (どの山を登るか)
- 目的を達成するための戦略立案
- 戦略の実行
- 戦略のアップデート (見直しを躊躇しない)
- 戦略立案と実行の注意点は、
- 戦略は仮説である
- 戦略の前提条件を明確にする
- 上位から 「目的 → 戦略 → 戦術」
- 戦略立案よりも実行が難しい
- 勝ち筋は相対的