
今回は、戦略と働き方 (仕事のやり方) についてです。
- 戦略的な考え方ができるようになりたい
- 3つの差別化戦略とは?
- 仕事のやり方に、差別化軸を応用する方法
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、戦略における差別化についてです。
差別化の3つのタイプをご説明し、差別化軸を仕事のやり方・進め方に応用する方法を解説します。
戦略的な考え方は、ビジネスで汎用的に使えるスキルです。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、仕事での参考にしてみてください。
3つの差別化軸
最初にご紹介するのは、差別化の3つのタイプです。
3つの差別化軸とは、経営戦略立案シナリオ という本に書かれている、「商品軸」 「手軽軸」 「密着軸」 です。
3つは、それぞれ次のように差別化します。
3つの差別化軸
- 商品軸:高品質、最新技術で差別化する
- 手軽軸:早い、安い、便利で差別化する
- 密着軸:顧客の個別ニーズに応えて差別化する
具体例に当てはめてみます。例えば、お寿司屋さんです。
お寿司屋の差別化軸
- 繁華街の一等地にある高級寿司店 [商品軸]
- 1皿100円で食べられる回転寿司 [手軽軸]
- 馴染みの板前さんがやっている昔ながらの近所のお寿司屋 [密着軸]
戦略とは捨てること
3つの差別化のどれにするかは選択の問題です。
全てを実現することはできないので、どれかを捨てる必要があります。自分たちの戦略として、何を選ぶかです。
戦略とは、目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 です。自分たちが持っているリソースをどれに配分するかの指針が戦略です。
やらないことを決めるからこそ、本当にやるべきことに限りあるリソースを集中的に投下できるのです。戦略の肝はやらないことにあります。
仕事への応用
3つの差別化軸は、個人にも当てはめることができます。
例えば、仕事のやり方です。具体例として、上司に企画書の作成を依頼されたとします。その時の対応を3つの差別化軸に当てはめると、次のようになります。
仕事のやり方 (企画書作成の対応)
- 根拠になるデータやグラフなど内容を充実させ、完成度を高めて提出する [商品軸]
- 企画書の完成レベルはそこそこにとどめ、スピード重視で対応する [手軽軸]
- 自分がつくった企画書を上司が部会で使うので、上司の好みに企画書のテイストに合わせてつくる [密着軸]
どのアプローチがよいかは、状況によります。企画書作成の目的とターゲット (この場合は上司、あるいはその先の関係者) の設定次第です。
ターゲットである上司の期待を把握し、何が最適化を把握して作業に入るとよいです。
自分のブランド
もう1つ、差別化軸の例を考えてみます。
自分の仕事でのキャラクターや振る舞いも、3つの差別化で整理ができます。
商品軸
- 高度な専門スキル・知識を持ち、常に専門性を磨いている
- 専門分野の最新事例を知っている
- その専門領域での権威性が高い。近寄りがたい存在にならないことに注意
手軽軸
- 専門知識は決して最高レベルではないが、一般的な水準で持っている
- 対応スピードが早く、サクッとやれる
- ただし対応は画一的。あまり融通がきかない
密着軸
- 親身に相談に乗れる
- 多少の無理なら対応してくれ、柔軟さがある
- 相手によって対応を変えすぎることに注意 (バラツキが大きい)
ここでも、自分がどんな対応をするかに唯一の正解はありません。
自分の性格も考慮し、自分らしさがあること、また、相手によって対応が変わることもあるでしょう。
注意点は、3つの対応を全て同時に実現しようとしないことです。全部をやろうとするのは戦略的ではありません。
何かは捨て、選んだアプローチに集中し強みを伸ばしていきます。
まとめ
今回は、戦略における差別化軸、3つの差別化を仕事のやり方に当てはめてみました。
最後に今回の記事のまとめです。
3つの差別化軸は、
- 商品軸:高品質、最新技術で差別化する
- 手軽軸:早い、安い、便利で差別化する
- 密着軸:顧客の個別ニーズに応えて差別化する
3つの差別化の全てを実現することはできない。どれかを捨てる。戦略とは、目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 。
やらないことを決めるからこそ、本当にやるべきことに限りあるリソースを集中的に投下できる。戦略の肝はやらないことにある
3つの差別化軸は個人にも当てはめることができる。仕事のやり方 (企画書作成の対応) は、
- 完成度を高めて提出 [商品軸]
- 質よりもスピード重視で対応 [手軽軸]
- 依頼者の好みに合わせて作成 [密着軸]
仕事での自分のブランドにも当てはまる。
- 専門分野の最新事例に詳しい。権威性はあるが、とっつきにくい一面も [商品軸]
- 知識レベルはそこそこ。対応スピードが早い。ただし対応は画一的 [手軽軸]
- 親身に相談に乗り柔軟に対応。対応のばらつきに注意 [密着軸]
経営戦略立案シナリオ (佐藤義典)