投稿日 2019/07/29

3つの差別化戦略から考える、仕事のやり方と自分ブランドへの応用




今回は、戦略と働き方 (仕事のやり方) についてです。

  • 戦略的な考え方ができるようになりたい
  • 3つの差別化戦略とは?
  • 仕事のやり方に、差別化軸を応用する方法

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、戦略における差別化についてです。

差別化の3つのタイプをご説明し、差別化軸を仕事のやり方・進め方に応用する方法を解説します。

戦略的な考え方は、ビジネスで汎用的に使えるスキルです。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、仕事での参考にしてみてください。


3つの差別化軸


最初にご紹介するのは、差別化の3つのタイプです。

3つの差別化軸とは、経営戦略立案シナリオ という本に書かれている、「商品軸」 「手軽軸」 「密着軸」 です。





3つは、それぞれ次のように差別化します。


3つの差別化軸
  • 商品軸:高品質、最新技術で差別化する
  • 手軽軸:早い、安い、便利で差別化する
  • 密着軸:顧客の個別ニーズに応えて差別化する


具体例に当てはめてみます。例えば、お寿司屋さんです。


お寿司屋の差別化軸
  • 繁華街の一等地にある高級寿司店 [商品軸]
  • 1皿100円で食べられる回転寿司 [手軽軸]
  • 馴染みの板前さんがやっている昔ながらの近所のお寿司屋 [密着軸]


戦略とは捨てること


3つの差別化のどれにするかは選択の問題です。

全てを実現することはできないので、どれかを捨てる必要があります。自分たちの戦略として、何を選ぶかです。

戦略とは、目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 です。自分たちが持っているリソースをどれに配分するかの指針が戦略です。

やらないことを決めるからこそ、本当にやるべきことに限りあるリソースを集中的に投下できるのです。戦略の肝はやらないことにあります。


仕事への応用


3つの差別化軸は、個人にも当てはめることができます。

例えば、仕事のやり方です。具体例として、上司に企画書の作成を依頼されたとします。その時の対応を3つの差別化軸に当てはめると、次のようになります。


仕事のやり方 (企画書作成の対応)
  • 根拠になるデータやグラフなど内容を充実させ、完成度を高めて提出する [商品軸]
  • 企画書の完成レベルはそこそこにとどめ、スピード重視で対応する [手軽軸]
  • 自分がつくった企画書を上司が部会で使うので、上司の好みに企画書のテイストに合わせてつくる [密着軸]


どのアプローチがよいかは、状況によります。企画書作成の目的とターゲット (この場合は上司、あるいはその先の関係者) の設定次第です。

ターゲットである上司の期待を把握し、何が最適化を把握して作業に入るとよいです。


自分のブランド


もう1つ、差別化軸の例を考えてみます。

自分の仕事でのキャラクターや振る舞いも、3つの差別化で整理ができます。


商品軸
  • 高度な専門スキル・知識を持ち、常に専門性を磨いている
  • 専門分野の最新事例を知っている
  • その専門領域での権威性が高い。近寄りがたい存在にならないことに注意

手軽軸
  • 専門知識は決して最高レベルではないが、一般的な水準で持っている
  • 対応スピードが早く、サクッとやれる
  • ただし対応は画一的。あまり融通がきかない

密着軸
  • 親身に相談に乗れる
  • 多少の無理なら対応してくれ、柔軟さがある
  • 相手によって対応を変えすぎることに注意 (バラツキが大きい)


ここでも、自分がどんな対応をするかに唯一の正解はありません。

自分の性格も考慮し、自分らしさがあること、また、相手によって対応が変わることもあるでしょう。

注意点は、3つの対応を全て同時に実現しようとしないことです。全部をやろうとするのは戦略的ではありません。

何かは捨て、選んだアプローチに集中し強みを伸ばしていきます。


まとめ


今回は、戦略における差別化軸、3つの差別化を仕事のやり方に当てはめてみました。

最後に今回の記事のまとめです。



3つの差別化軸は、
  • 商品軸:高品質、最新技術で差別化する
  • 手軽軸:早い、安い、便利で差別化する
  • 密着軸:顧客の個別ニーズに応えて差別化する


3つの差別化の全てを実現することはできない。どれかを捨てる。戦略とは、目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 。
やらないことを決めるからこそ、本当にやるべきことに限りあるリソースを集中的に投下できる。戦略の肝はやらないことにある


3つの差別化軸は個人にも当てはめることができる。仕事のやり方 (企画書作成の対応) は、
  • 完成度を高めて提出 [商品軸]
  • 質よりもスピード重視で対応 [手軽軸]
  • 依頼者の好みに合わせて作成 [密着軸]


仕事での自分のブランドにも当てはまる。
  • 専門分野の最新事例に詳しい。権威性はあるが、とっつきにくい一面も [商品軸]
  • 知識レベルはそこそこ。対応スピードが早い。ただし対応は画一的 [手軽軸]
  • 親身に相談に乗り柔軟に対応。対応のばらつきに注意 [密着軸]





経営戦略立案シナリオ (佐藤義典)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。