
今回は、戦略とキャリアについてです。
- 戦略フレーム 「アンゾフのマトリクス」 とは?
- 個人の働き方とキャリアへの応用
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
- アンゾフのマトリクスという戦略フレーム
- 個人のキャリアに当てはめる応用
記事の前半ではアンゾフのマトリクスをご紹介し、後半では個人のスキルやキャリアをどう成長させるかを書いています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。
戦略フレーム 「アンゾフのマトリクス」
皆さんは、アンゾフのマトリクスをご存知でしょうか?
市場と製品 (プロダクト) の2つの切り口から、それぞれ既存か新規かによって、以下のような 2 × 2 のマトリクスで戦略をつくり実行します。

引用: Wikipedia
4つのパターンは、それぞれ次のようになります。
アンゾフのマトリクス
- 市場浸透: 既存市場に既存製品を浸透させる
- 製品開発: 既存市場に新製品を提供する
- 市場開拓: 新規市場を既存製品で開拓する
- 多角化: 新規市場へ新製品を投入する
アンゾフのマトリクスは、汎用性が高い戦略ツールです。
企業だけではなく、個人のレベルにも当てはめることができます。
働き方とキャリアへの応用
アンゾフのマトリクスを、個人の働き方とキャリアに当てはめてみます。
市場と製品を次のように言い換えます。
市場と製品の言い換え
- 市場 → 働く環境
- 製品 → (仕事を通して相手への) 提供価値
そうすると、マトリクスの4つのパターンは、以下のようになります。
アンゾフのマトリクスの応用 (個人のキャリア)
- 今の働く環境で自分の持つスキルを磨き、より高い価値を提供する
- 今の環境で、新しいスキルを身に付け、これまでとは違う提供価値につなげる
- 新しい環境で、自分が持っているスキルを活かした価値提供
- 新しい環境で、全く新しい挑戦をしてスキルを獲得し、価値を提供する
では、4つの戦略のうち、どのパターンをとればいいのでしょうか?
どの戦略をとるか
4つ戦略のうちどれにするかは、目的によります。
そもそもで、戦略とは何でしょうか?
私の一言の定義は、戦略とは 「目的を達成するためのリソース配分の指針」 です。目的を果たすために、何をやって、何をやらないかです。
では、アンゾフのマトリクスのキャリアへの応用の文脈では、目的とは何でしょうか?
目的は、大きくは 「深める」 か 「広げる」 かです。
深めるか広げるか
- 深める: 専門スキルを深める、働く相手や顧客との関係性を深める (環境)
- 広げる: 専門スキルを新たに広げる、働く相手や顧客を広げる
こうした目的によって、マトリクスの4つの戦略パターンを決めます。唯一の正解はなく、もっと言えばご自身の決めの問題です。
だからこそ大事なのは、目的の明確化と自分は4つのうちどのパターンを選んでいるかをわかっておくことです。
今あるスキルをさらに磨こうとしているのか新しいスキルを得ようとしているのか。働く相手や顧客、あるいは場所はこれまでの環境なのか新しい環境なのかです。
自分は今はどこに注力しているのかを考えてみると、キャリアをつくっていく気づきが得られます。
まとめ
今回は、戦略フレーム 「アンゾフのマトリクス」 と、働き方とキャリアへの応用でした。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
アンゾフのマトリクス
- 市場浸透: 既存市場に既存製品を浸透させる
- 製品開発: 既存市場に新製品を提供する
- 市場開拓: 新規市場を既存製品で開拓する
- 多角化: 新規市場へ新製品を投入する

2.
アンゾフのマトリクスは個人の働き方とキャリアに応用できる。市場を 「働く環境」 、製品を 「 (仕事を通して相手への) 提供価値」 と言い換える。
3.
アンゾフのマトリクスの応用 (個人のキャリア)
- 今の働く環境で既存スキルを磨き、より高い価値を提供する
- 今の環境で、新しいスキルを身につけ、これまでとは違う提供価値につなげる
- 新しい環境で、自分が持っているスキルを活かした価値提供
- 新しい環境で、全く新しい挑戦をしてスキルを獲得し、価値を提供する
4.
目的によってマトリクスの4つの戦略パターンを決める。大事なのは、目的の明確化と自分は4つのうちどのパターンを選んでいるかをわかっておく。