2020/03/15

広告クリエイターの 「2つの矜持」 に学ぶ、三方良しの働き方




今回は、広告クリエイターに学ぶ、ビジネスキャリアです。

  • 日本を代表する広告クリエイターの 「2つの矜持」 とは?
  • 2つの矜持に見る本質
  • 本質を働き方に当てはめると?

こんな疑問に答える内容を書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、仕事の本質と、本質から考える働き方・キャリアです。

記事の前半では、ある広告クリエイターの仕事への向き合い方をご紹介します。後半は、そこから学べることを書いています。

ぜひ記事を読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。


広告クリエイターの 「2つの矜持」


皆さんはお仕事で、これは譲れないというものは持っているでしょうか?

最初にご紹介したいのは、ある広告クリエイターの方の話です。

世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」 マーケティング大原則 という本の、インタビューからです。





以下は、TBWA / HAKUHODO チーフクリエイティブオフィサーの佐藤カズー氏へのインタビューからの引用です。

僕には2つ 「矜持」 があって。

ひとつは、必ずビジネスのゴールを達成すること。もうひとつは、その広告に触れた人の人生を1ミリでも前に進めること。自分がクリエイティブを提案するときは、その2つをとても大事にしています。

なので、それができているのがいい広告ということでしょうね。自分の中での指標はこの2つです。

絶対に誰かを不幸にするものはやりたくない。たとえば、誰かを中傷することで 「おもしろい」 と思わせようとしているものは、プロの仕事じゃないと思います。極論すると、その広告を見て、「死のうと思っていたけど、こんなおもしろいものがあるなら生きていよう」 と思ってもらえるような、そういう力が広告にはあると思っています。

 (引用: 世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」 マーケティング大原則 (足立光, 土合朋宏) )

引用を続けます。

クライアントから企画のオリエンテーションを受ける時に僕は、実は2つのことしか聞いていません。

ひとつはビジネスゴール。それの製品やサービスをどのくらい売りたいのか。もうひとつは、それを誰に届けてどんなふうに幸せにしたいのか。その2つだけを聞くようにしています。もちろん、数字とかコンセプトとかが書いてあるクリエイティブ・ブリーフをいただくので、ひと通りは見ます。

でも、最後に残るのは、ビジネスのゴールと、ターゲットをどう幸せにしたいのかというクライアントの思いだけです。それにクリエイティブという輪郭を与えて世に送り出すというのが僕の仕事だと思っています。

 (引用: 世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」 マーケティング大原則 (足立光, 土合朋宏) )

佐藤氏が考える、仕事で譲れないことは、次の2つです。


2つの矜持
  • ビジネスゴールの達成
  • 広告を触れた人の人生を少しでも幸せにする


三方良し


皆さんは、三方良しはご存知でしょうか?

元は近江商人の考え方で、買い手良し、売り手良し、世間良しの3つを満たす商売をするというものです。

先ほどの佐藤氏の2つの矜持は、三方良しにつながります。


2つの矜持と三方良し
  • ビジネスゴールの達成 [買い手良し]
  • 広告を触れた人の人生を少しでも幸せにする [世間良し]


ここから思ったのは、売り手良しも自分なら入れたいです。ここで言う売り手とは、自分自身です。

お客、社会全体、自分 (たち) という三者の全てで Win-Win が成立する状態です。

私が三者としたいのは、理由があります。売り手良しが置き去りにされると、持続可能な状態を保てないからです。

この状況は、過度な顧客第一主義に見ることができます。


過度な顧客第一


顧客第一を掲げるのは、確かに聞こえはいいです。

しかし、自分 (たち) を犠牲にしてまでの顧客優先市場主義はいき過ぎです。短期的にはうまくいくかもしれませんが、長期では持続的ではありません。

自分たちが疲弊してしまい、結局はお客のためにも、巡り巡って社会全体のためにもなりません。

では、三方良しの考え方を働き方に当てはめると、どのようになるでしょうか?


三方良しの働き方


買い手良し、世間良し、売り手良しの順で、三方良しの働き方を見ていきましょう。


[三方良し 1] 買い手良し


買い手はお客です。仕事で直接お客に接していない場合は、一緒に働く相手を顧客に見立てるといいです。

買い手良しを実現するためには、自分のお客にどんな価値をどれだけ提供できるかです。「顧客の成功」 を理解し、成功を実現させます。


[三方良し 2] 世間良し


仕事で言う 「世間」 とは、顧客の先にいる人々です。行き着くのは世の中全体です。

顧客の先にいる顧客も視野に入れ、自分のやっている仕事が社会全体にどんなうれしさ・幸せにつなげているかを考えます。

買い手良しで終わらず、世間良しもセットで見るわけです。


[三方良し 3] 売り手良し


忘れないようにしたいのは、売り手良しです。自分 (たち) の Win も実現することです。

個人のレベルであれば、次を満たす働き方ができているかです。


売り手良しを満たす働き方
  • 自分の成長につながる
  • 実践と失敗も含めて学びが得られている
  • 価値提供から信頼の蓄積ができている


まとめ


今回は、仕事への向き合いを三方良しから掘り下げました。

最後に今回の記事のまとめです。


1.
仕事で大切にしたいのは 「三方良し」 。お客、社会全体、自分 (たち) という三者の全てで Win-Win が成立する状態。


2.
三方良しの働き方
  • お客や一緒に働く人に価値を提供する。「顧客の成功」 を理解し、成功を実現させる [買い手良し]
  • 顧客の先にいる顧客も視野に入れ、自分のやっている仕事から社会全体へのうれしさ・幸せにつなげる [世間良し]
  • 自分の成長、価値提供から信頼の蓄積になっている [売り手良し]





世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」 マーケティング大原則 (足立光, 土合朋宏)

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。