投稿日 2020/03/16

戦略的思考を鍛える 「What if 思考」 で、問題と解決をセットで考え抜こう




今回は、戦略的思考についてです。

  • 戦略的思考を鍛える 「What if 思考」 とは?
  • 戦略的か短絡的か
  • 問題設定と解決シナリオはセットで考え抜こう

こんな疑問に答える内容を書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、戦略的思考の鍛え方です。

What if 思考をご紹介し、具体例からどうすれば戦略的になれるかを掘り下げています。

戦略的なものの見方や考え方は、ビジネスで汎用的に使えます。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


What if 思考


皆さんは、What if を考えることは、普段からされているでしょうか?

What if 思考は、「もし ~ なら」 と仮定を積み重ねていきます。色々なシナリオをつくっておき、代替案を用意しておくことにつながります。

戦略が1つしかないという状況は、もしその戦略が成り立たないとすると立ち往生していまいます。戦略家に求められるのは、常に複数の代替案 (プラン B) を持っておくことです。

では、What if 思考はどのように使えばよいでしょうか?ここからは、What if の使い方の具体例を見てみましょう。


What if の具体例


皆さんがお仕事で関係している事業は、どのようなものでしょうか?

What if の例として、「もしその事業がなくなるとしたら、どうなるだろうか」 を考えてみましょう。

この問いを掘り下げるために、さらに次のように質問を分解します。


事業がなくなるシナリオへの問い
  • どういう状況になれば事業がなくなるか
    (市場、競合、自社のどこが要因か)
  • どのくらいの時間軸で起こるか


1つ目の問いは、どれだけ視野を広げ、視点を多く持てるかです。考えるフレームで 3C (顧客, 競合, 自社) 、5 force (売り手, 買い手, 既存の競合, 代替, 新規参入) を使うとよいでしょう。

2つ目の問いは時間軸の長さです。短期的な見立てだけではなく、長く時間を取って What if を考えます。


戦略的か短絡的か


そもそもですが、戦略的とは何でしょうか?

戦略的とは、時間軸が長く、かつ多くの視点で見ていることです。

時間軸が長いか、視点が多いかでマトリクスをつくると、次の図のようになります。






戦略的とは、右上です。「時間軸が長い & 視点が多い」 です。

一方の左下は短絡的です。

時間軸と視点のどちらか一方を満たしている場合は、それぞれ 「脆弱的」 か 「近視眼的」 です。

脆弱的とは、視点が少ない場合です。

時間軸は長く考えられているものの、考える視点が少ないので根拠が弱かったり、打ち手のロジックが甘くなります。戦略シナリオが脆弱になり、メインシナリオの代替案であるプラン B を持てません。

もう1つの近視眼的とは、時間軸が短い場合です。

考えている視点は多いものの、目の前のことにしか意識がいっていません。想定シナリオや打ち手が短期的になものばかりになります。


問題と解決をセットで考え抜こう


What if 思考の例に話を戻します。

先ほどの例 「もし事業がなくなるとしたら」 は、問題設定での What if です。

問題に対する解決や対応シナリオも、時間軸と視点を意識するとよいです。時間軸が短ければ近視眼的、視点が少なければ脆弱的です。

問題発見と解決シナリオの両方で、「もし ~ なら」 を考え抜きます。この地道な知的過程が、戦略的思考を鍛えるトレーニングになります。


まとめ


今回は、戦略的思考を鍛える What if 思考についてでした。

いかがだったでしょうか?

普段のお仕事でも、仮説を意識して考えるようにすると、自分の関係する事業や業務への理解が深まります。このプロセスが、皆さんご自身の戦略的思考を鍛えてくれます。

最後に今回の記事のまとめです。


1.
戦略的とは、時間軸が長く、かつ多くの視点で見ている。




2.
What if 思考は、「もし ~ なら」 と仮定を積み重ねていく。色々なシナリオをつくっておき、代替案を用意しておくことにつながる。


3.
What if の例は、「もしその事業がなくなるとしたら、どうなるだろうか」
  • もし事業がなくなるとしたら
  • どういう状況になれば事業がなくなるか (市場、競合、自社のどこが要因か)
  • どのくらいの時間軸で起こるか


4.
問題発見と解決シナリオの両方で、「もし ~ なら」 を考え抜く。地道な問いと答えの知的プロセスが、戦略的思考を鍛えるトレーニングになる。

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。