
今回は、マーケティングのモデルと、フリーランスへの応用です。
- ARRRR モデルとは?
- なぜ 「海賊指標」 と呼ばれる?
- フリーランスの働き方への応用
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
- AARRR モデルの解説
- 循環の可視化
- AARRR から働き方への応用
記事の前半は、AARRR モデルをご紹介します。後半はフリーランスの働き方に AARRR モデルを当てはめビジネスキャリアの観点で何が学べるかを書いています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。
AARRR モデル
皆さんは、AARRR モデルをご存知でしょうか?
AARRR は英語の5つの頭文字からで、顧客を獲得し収益化までのモデルです。
AARRR モデル
- Acquisition (顧客獲得)
- Activation (活動の活性化)
- Retention (継続使用)
- Referral (他者への推奨)
- Revenue (収益化)
AARRR は 「海賊指標」 とも呼ばれます。なぜ海賊なのでしょうか?
それは、AARRR が 「アー」 と読め、海賊の掛け声をイメージさせるからです。
もう少し、AARRR を見てみましょう。AARRR モデルには時間的な流れがあります。
時間的な流れ (可視化)
AARRR の獲得から収益化までの流れを可視化すると、次の図のようになります。

ポイントは循環です。2つあります。
AARRR モデルの循環
- 継続が推奨に寄与し、新しい顧客獲得につながる
- 収益化で得られた資金を、獲得・活性化・継続への次の施策に投下する
ここまでは、AARRR モデルについてマーケティングの観点で掘り下げてきました。ここからは、ビジネスキャリアへの応用を考えます。
キャリアへの応用
具体例でフリーランスの働き方に応用します。
なお、考え方はフリーランスではなくても、会社に勤めている方にも通じる内容です。ぜひ、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。
私は現在、フリーランスで働いています (2020年3月現在) 。前職は Google でした。
フリーランスの主な仕事は、企業への経営や事業のコンサルティング・アドバイスです。企業規模は様々で、ベンチャーから一部上場企業、個人で経営しているところもあります。
では、フリーランスでの仕事に AARRR モデルは、どう活用できるでしょうか?
フリーランスの仕事への活用
AARRR の5つについて、順番にご説明します。
[活用 1] Acquisition (獲得)
私は、自分からの顧客や案件獲得の営業活動はしていません。
アウトバウンドではなくインバウンドからです。具体的には、すでに知っている人や知人との共通の知り合いから、そして Twitter やブログ経由で直接連絡をもらうケースです (最近は Twitter の DM が多くなっています) 。
Twitter 経由でお仕事につながるのは、Twitter 内で例えば 「マーケティング」 と検索し私のユーザーアカウントが表示され、ツイート内容やプロフィール内リンクからブログの記事内容を見て、ご連絡をいただけています。
KSF
Acquisition の成功要因 (KSF) は、普段からの情報発信です。フリーランスとしての事業に関係するテーマでインプットアウトプットを続け、集客や顧客獲得につなげます。
[活用 2] Activation (活性化)
顧客への価値提供から、どれだけ顧客と密なやり取りができるかです。
向こうから言われる前に率先して動き、欲しいと思うであろうアウトプットをつくります。仮説や見解、アイデアをぶつけることによって、顧客の頭の中が活性化するわけです。
KSF
ここでの成功要因は、主体的に行動し価値提供につなげることです。全てのアウトプットが価値につながるわけではありませんが、1つでも多くのアクションを取り続けます。
[活用 3] Retention (継続)
相手と長く一緒に働く関係を築きます。
常に相手の価値となる存在でいるようにしたいです。そのためには、「顧客にとっての成功は何か」 を把握します。本質的な価値は何かを理解し、その価値 (顧客の成功) を実現できるように動きます。
KSF
継続につなげるために、価値提供から信頼を蓄積します。実績を出し続けることによる成果への信頼と、人としての人間力への信頼です。
[活用 4] Referral (推奨)
自分のことを第三者に紹介したり、推奨されるくらい貴重な存在を目指します。
KSF
相手からの期待値と評価への認識合わせがポイントです。期待されていることに、品質やスピード感が満たせているかです。
一度理解して終わりではなく、常に最新の期待値と評価を把握できているようにします。
[活用 5] Revenue (収益化)
顧客からの売上は、価値提供と信頼蓄積の結果です。
大事にしたいのは、先にギブがあり、目の前の売上の多い・少ないに一喜一憂するのではなく、少しずつの信頼の蓄積です。
KSF
売上を追わずに 「損して得とれ」 でいるようにします。
短期的には割に合わない、たとえ事業として初期は赤字であって長期目線で考えます。
まとめ
今回は、AARRR モデルと、ビジネスキャリアや働き方への応用でした。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
AARRR モデルは、顧客を獲得し収益化までの流れ
- Acquisition (顧客獲得)
- Activation (活動の活性化)
- Retention (継続使用)
- Referral (他者への推奨)
- Revenue (収益化)
2.
AARRR モデルの循環

- 継続が推奨に寄与し、新しい顧客獲得につながる
- 収益化で得られた資金を、獲得・活性化・継続への次の施策に投下する
3.
フリーランスの仕事への活用
- Acquisition: 普段からの情報発信。事業に関係するインプットアウトプットを続け、集客や顧客獲得につなげる
- Activation: 主体的な行動からの価値提供。仮説や見解、アイデアをぶつけ、顧客の頭の中を活性化する
- Retention: 継続につなげるために、価値提供から信頼を蓄積する
- Referral: 自分のことを第三者に紹介される存在を目指す。相手からの期待値と評価への認識を合わせる
- Revenue: 売上を追わずに 「損して得とれ」 。たとえ事業として初期は赤字であって長期目線で考える