投稿日 2020/04/19

[戦略思考] 「業界の競争構造」 と 「競争優位」 を分けて考えよう




今回は、戦略についてです。


この記事でわかること




戦略的なものの見方や考え方は、ビジネスで汎用的なスキルです。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


書籍 「ストーリーとしての競争戦略」 から学んだこと


まず最初にご紹介したい本があります。





この本、ストーリーとしての競争戦略 - 優れた戦略の条件 は、競争戦略をストーリーの観点で興味深く読めます。

色々な気づきが得られますが、学びの1つは 「業界の競争構造」 と 「競争優位」 を分けて考えることです。

では、業界の競争構造と競争優位とは、それぞれどのようなものでしょうか?


業界の競争構造


5W1H で考えるとわかりやすいです。

業界の競争優位とは、Where と When です。「どこで」 「いつ」 戦うかです。


どこで [Where]


自分たちが参入する市場はどこなのか、活動する環境により競争構造は違ってきます。有利な地形なのか、それとも自分たちには不利なのかです。

競争構造は、5 Force のフレームを使うと見えてきます。5つは、売り手、買い手、(直接の) 競合、新規参入者、代替プレイヤーです。


いつ [When]


When の要素も、競争構造を決めます。その市場にいつ参入するかです。

プロダクトライフサイクルで言えば、導入期、成長期、成熟期、衰退期に分かれます。

他の切り口は、キャズム理論があります。どのような顧客が優勢を占めるかで、イノベーターやアーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードです。


以上の 「業界の競争構造」 は、自分たちがその環境でどう活動するかの前提条件になります。

こうした制約条件の下で、競争優位をつくっていきます。では、どうすれば競争優位をつくれるのでしょうか?


競争優位


競争優位の要素は、What と How です。

What とはリソースです。

自分たちが持っている戦力で、人・モノ・金・情報・知的財産などの有形/無形の経営資源です。

How は 価値提供プロセスです。

保有リソースをどうやって活用し、顧客への提供価値を実現する方法です。組織能力、事業のバリューチェーンです。


What と How をつなげるストーリー


書籍 ストーリーとしての競争戦略 が強調しているのは、What や How などの戦略の構成要素が、ストーリーでつながっていることの重要性です。

各要素がバラバラの 「静止画」 ではなく、戦略が 「動画」 になっていることです。

誰に (顧客) 、どんな本質的な価値提供をし、それを実現するケイパビリティを確立し、そしてどのような収益モデルがつくるかです。これらに具体性と一貫性があり、「人に話をしたくなるような面白いストーリー」 になっているかです。


戦略的とは何か


どうすれば、ものごとを戦略的に見たり考えたりできるのでしょうか?

ポイントは2つです。戦略的とは、時間軸が長く、視点が多いことです。

これを図にまとめると、以下のようになります。






まとめ


今回は、戦略についてでした。

最後に今回の記事のまとめです。


1.
書籍 「ストーリーとしての競争戦略」 から学んだことの1つは、 「業界の競争構造」 と 「競争優位」 を分けて考える。


2.
業界の競争優位とは、「どこで (Where) 」 「いつ (When) 」 戦うか。自分たちが、その環境でどう活動するかの前提条件、制約条件。
競争優位は、リソース (What) と、価値提供プロセス (How) 。What や How の戦略の構成要素がストーリーでつながり、具体性と一貫性があることが重要。


3.
戦略的とは、時間軸が長く、視点が多いこと。






ストーリーとしての競争戦略 - 優れた戦略の条件 (楠木建)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。