投稿日 2020/04/28

戦略思考を鍛える 「メカニズム解明法」 を解説




今回は、戦略についてです。


この記事でわかること


  • おすすめ本のご紹介 (戦略思考を鍛える本)
  • 戦略の解像度を上げる方法
  • メカニズム解明法
  • 応用例 (note のグロースモデル, 海賊指標 AARRR)


戦略的なものの見方や考え方は、ビジネスで汎用的なスキルです。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


おすすめの本


今回の記事のテーマは、戦略思考です。

このテーマで、おすすめの本があります。





本のタイトルは、経営戦略の思考法 です。

この本の内容を一言で言うと、戦略にストーリーを入れて考え、戦略をつくる思考法です。


3つの戦略思考法


本書に出てくる戦略の思考法は、3つあります。


3つの戦略思考法
  • カテゴリー適用法
  • 要因列挙法
  • メカニズム解明法


3つは、上から下に行くほど思考の解像度が高くなります。考える要素が複雑になり、その分だけ深い思考が必要です。

この本でメインで取り上げられているのは、3つ目の 「メカニズム解明法」 です。メカニズム解明法の前に、カテゴリー適用法と要因列挙法についても見ていきましょう。


[思考法 1] カテゴリー適用法


1つ目の 「カテゴリー適用法」 です。

市場やカテゴリー、バリューチェーンのどこに参入するかによって、その事業の戦略が成功するかどうかを判断します。

例えば、ハードウェア事業よりもソフトウェア事業、プラットフォームで参入障壁をつくれば持続的な収益モデルをつくれると考えます。

お分かりのように、これだけで終わると粗い戦略になります。


[思考法 2] 要因列挙法


2つ目の思考法は、要因列挙法です。

漏れなく戦略や打ち手の要因を洗い出し、各要因から戦略の目的を達成できるかを考える思考法です。

具体例で説明します。

以下は、本書で説明されているインテルに当てはめた例です。


要因列強法 (インテルの例)



引用: ACCUENT BLOG


1つ目のカテゴリー適用法と同様に、要因列挙法にも問題点があります。

各要因間における相互作用が考慮されていません。また、要素それぞれの重要度もわかりません。要因を並列で並べているだけだからです。


[思考法 3] メカニズム解明法


3つ目の思考法が、メカニズム解明法です。

様々な要因同士の相互作用と時間的な流れから生まれる好循環を可視化します。モデルで表現することによって、どんなメカニズムやストーリーになっているかがわかります。

再び、本書で紹介されているインテルの例です。


メカニズム解明法 (インテルの例)



引用: ACCUENT BLOG


では、もう少しメカニズム解明法を掘り下げてみましょう。


メカニズム解明法の特徴


これは本書の3つのキーワードでもあり、メカニズム解明法には3つの特徴があります。


3つのキーワード
  • 時間展開
  • 相互作用
  • ダイナミクス


これら3つを自分なりの表現で言葉にしなおすと、次のようになります。


メカニズム解明法の特徴
  • 時間的な順番
  • 各要素のつながり
  • あっちが変われば、こっちが変わる


それでは、メカニズム解明法をさらに理解していくために、身近な例で当てはめてみましょう。


note のグロースモデル


1つ目の例は、note です。

note の戦略をメカニズム解明法で可視化すると、以下のようになります。note では、グロースモデルと呼んでいます。


note のグロースモデル



引用: note 急成長の舞台裏と .com .jp ドメイン取得の経緯を聞いてきたよ (第1回) |決算が読めるようになるノート


メカニズムを補足すると、note の場合は以下の好循環です。


note のグロースモデル
  • クリエイターを集める
  • 良質なコンテンツつくられる
  • ユーザーが集まる。コンテンツがシェアされる
  • note の魅力が上がり、クリエイターが集まってくる


では、メカニズム解明法の例をもう1つです。マーケティングの 「海賊指標」 に応用してみます。


海賊指標への応用


みなさんは AARRR というマーケティングのフレームをご存知でしょうか?

5つの頭文字から、商品やサービス、事業の成長を評価する指標です。顧客を獲得し収益化までのモデルです。


AARRR モデル
  • Acquisition (顧客獲得)
  • Activation (活動の活性化)
  • Retention (継続使用)
  • Referral (他者への推奨)
  • Revenue (収益化)


ちなみに、AARRR は 「海賊指標」 とも呼ばれます。AARRR が 「アー」 と読め、海賊の掛け声をイメージさせるからです。

ここまでの説明は、今回の記事で言う 「要因列挙法」 です。では、AARRR をメカニズム解明法でモデルにすると、どうなるでしょうか?


AARRR (海賊指標) のメカニズム




ポイントは2つです。


AARRR モデルの循環
  • 活性化から継続が推奨に寄与し、新しい顧客獲得につながる
  • 収益化で得られた資金を、獲得・活性化・継続への次の施策に投下する


要因列挙法からメカニズム解明法にすると、AARRR 各指標の順番、つながり、どう変わっていくかが視覚的にわかりやすくなります。


まとめ


今回は、戦略思考についてでした。

メカニズム解明法という 「時間的な流れ」 「つながり」 「動的変化 (A が変われば B も変わる) 」 の戦略思考をご紹介しました。

最後に今回の記事のまとめです。



メカニズム解明法

書籍 「経営戦略の思考法」 で紹介されている戦略思考は、メカニズム解明法。
  • 時間的な順番 (時間展開)
  • 各要素のつながり (相互作用)
  • あっちが変われば、こっちが変わる (ダイナミクス)



メカニズム解明法の例 (note のグロースモデル)


  • クリエイターを集める
  • 良質なコンテンツつくられる
  • ユーザーが集まる。コンテンツがシェアされる
  • note の魅力が上がり、クリエイターが集まってくる



メカニズム解明法の例 (AARRR (海賊指標) )


  • 継続が推奨に寄与し、新しい顧客獲得につながる
  • 収益化で得られた資金を、獲得・活性化・継続への次の施策に投下する





経営戦略の思考法 (沼上幹)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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最も力を入れているのはニュースレターです。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。