投稿日 2020/04/27

競争戦略をストーリー観点で掘り下げ、戦略的思考を鍛える方法をご紹介




今回は、戦略についてです。


この記事でわかること


  • 戦略ストーリーの独自性をつくるもの
  • 2つの 「バカなる」 とは?
  • 戦略的思考を鍛える方法


書籍 ストーリーとしての競争戦略 から、戦略をストーリーの観点で掘り下げています。

記事の後半では、戦略的思考を因数分解し、戦略的思考を鍛える着眼点と方法をご紹介しています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


競争戦略ストーリーの独自性をつくるもの


まず最初にご紹介したい本が、ストーリーとしての競争戦略 - 優れた戦略の条件 です。





この本のキーワードの1つは、「クリティカルコア」 です。

競争戦略のストーリーを起承転結で見た時に、クリティカルコアは 「転」 に当たります。競争戦略の独自性の源泉になるのが、クリティカルコアです。


クリティカルコアは 「バカなる」


本書で興味深く読めるのは、クリティカルコアのことを 「バカなる」 と表現していることです。

一見すると部分では非合理、しかし全体では合理だからです。

クリティカルコアは、部分ではむしろ筋が悪く 「バカな」 と思えます。ですが、全体像や裏側を見ると極めて合理的で、「なるほど」 と思わず言ってしまうのです。

クリティカルコアは、参入障壁の観点からも興味深いです。


クリティカルコアと参入障壁


全体像が見えない他社は 「バカな」 と思うので、向こうから積極的にマネを避けてくれます。

結果的に、クリティカルコアは独自性の源泉になるだけではなく、持続可能な競争優位性にもつながるのです。

ところで、ストーリーとしての競争戦略 - 優れた戦略の条件 には、クリティカルコアという 「バカなる」 は、もともとは別の 「バカなる」 から着想を得たと書かれています。

つまり、「バカなる」 には中身の違う2つがあるのです。


2つの 「バカなる」


オリジナルの 「バカなる」 のほうは、書籍 「バカな」 と 「なるほど」 - 経営成功の決め手! 書かれています。





こちらは、一言で言えば 「先見の明」 です。時間軸の観点での後からの 「なるほど」 です。

最初は誰が見ても 「バカな」 にしか見えませんが、未来を解像度高く見えている人には合理的なことです。

時間が経過して世の中が追いついてくると、ようやく 「なるほど」 と思えるのです。時間軸を広げての捉え方です。

2つの 「バカなる」 を端的に表現すると、次のようになります。


2つの 「バカなる」
  • 時間差での合理性 (初期と後期 / オリジナル)
  • 空間差での合理性 (部分と全体 / ストーリーとしての競争戦略)


空間と時間とは、要するに視野を広げて見るということです。視野には時間軸と空間という2つに因数分解ができます。

視野という着眼点は、ものごとを戦略的に考えられるかどうかのポイントの1つです。

では、他にはどのようなポイントがあるのでしょうか?

ここからは、戦略的思考を鍛える方法を見ていきましょう。


戦略的思考を鍛える方法


どうすれば、戦略的思考を鍛えることができるでしょうか?

ヒントは先ほどの視野にあります。私が考える方法は、「3つの視」 からです。3つとは、視野・視点・視野です。


戦略的思考を鍛える着眼点
  • 視野を広げる
  • 視点を増やす
  • 視座を変える


以下、それぞれについて順番にご説明します。


[鍛え方 1] 視野を広げる


これは、2つの 「バカなる」 で見たように、時間軸を長く取ってみる、見る空間を広げます。

全体像を意識的に広げると、近視眼的の状態を避けることができます。


[鍛え方 2] 視点を増やす


2つ目の着眼点は、視点です。

ものごとには必ず二面性があります。表と裏、メリットとデメリット、自分と相手、売り手と買い手、過去と未来、分解と統合などです。場合によっては2つではなく、多面的です。

見落としている視点はないかを常に意識すれば、戦略的思考を鍛えることにつながります。


[鍛え方 3] 視座を変える


3つ目のポイントは視座です。視座とは、見る立ち位置が高いか低いかです。

視座を変えるとは、別の表現をすると具体と抽象の往復運動です。

具体とは経験や事例、抽象は原理原則です。往復運動とは、次のような視座の切り替えです。


具体と抽象の往復運動
  • 目の前の個別具体的なことを掘り下げながら、原理原則に立ち返る
  • 原理原則を、何か具体的な自分の経験に当てはめてみる
  • 具体を抽象化できたら他の事例に横展開する



まとめ


今回は、戦略についてでした。

前半では、競争戦略ストーリーの 「クリティカルコア (バカなる) 」 、後半は戦略的思考の鍛え方を考えました。

最後に今回の記事のまとめです。


クリティカルコア
競争戦略のストーリーを起承転結で見た時に、クリティカルコアは 「転」 に当たる。競争戦略の独自性の源泉。
クリティカルコアは 「バカなる」 。部分ではむしろ筋が悪く 「バカな」 と思えるがが、全体像や裏側を見ると極めて合理的で 「なるほど」 と思わず言ってしまう。


2つの 「バカなる」
  • 空間差での合理性 (部分では非合理、全体では合理)
  • 時間差での合理性 (初期は非合理、後期は合理 (先見の明) )


戦略的思考を鍛える方法
  • 視野を広げる: 時間軸や空間の全体像を意識的に広く見る
  • 視点を増やす: 見落としている視点はないかを常に注意する
  • 視座を変える: 具体と抽象の往復運動





ストーリーとしての競争戦略 - 優れた戦略の条件 (楠木建)




「バカな」 と 「なるほど」 - 経営成功の決め手! (吉原英樹)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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最も力を入れているのはニュースレターです。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。