投稿日 2020/04/25

売れるテレビショッピングの秘訣から学べること (マーケティングと提案技術)




今回は、テレビショッピングに学ぶマーケティングや提案技術です。


この記事でわかること


  • 売れるテレビショッピング番組の秘密
  • 人をネガティブな気持ちにする意図
  • 企画提案などビジネスへの応用


電通のテレビショッピング番組の分析から、マーケティングやビジネスの実務で活かせることを掘り下げています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


売れたテレビショッピング番組の秘密


電通報の記事を読みました。

購買心理モデルの最初の 「A」 、アテンションだと思ってませんか?|ウェブ電通報

売れたテレビショッピング番組と、売れなかったテレビショッピング番組の冒頭部のデータを解析した時の結果でした。

二つの映像をインターネットでモニターに見てもらい、「いいね (ポジティブ評価) 」 と 「悪いね (ネガティブ評価) 」 と 「買いたいね (購入意向) 」 という三つの要素で時系列的に評価してもらったところ、驚きの事実が発覚したのです。

 (引用: ウェブ電通報)

興味深いと思ったのは、以下です。


分析結果
  • 売れた番組のほうが、視聴者のポジティブとネガティブの変動幅が大きかった
  • ポジとネガの順番は 「ネガ → ポジ → ネガ → ポジ」 と最初にネガティブから
  • ネガティブな反応が見られる箇所は 「悩みの呼びかけ」 をした時
  • ポジティブの反応は 「商品の効果」 や 「商品紹介」 をした時


これらの結果から、何が学べるでしょうか?


思ったこと


電通のテレビショッピング番組の分析から思ったのは、次のことです。


思ったこと
  • まず最初に問題提起をする (悩みやニーズを思い出してもらう)
  • 商品紹介 (ソリューション) は後
  • 主語の順番は 「顧客 → 売り手」


以下、それぞれについて順番にご説明します。


[思ったこと 1] まず最初に問題提起をする (悩みやニーズを思い出してもらう)


ここでのポイントは、問題の認識を共有し自分ごと化してもらうのを、まず始めにやっていることです。

売れたテレビショッピング番組では、冒頭の悩みの呼びかけで視聴者はネガティブの気持ちになりました。悩みの呼びかけとは、例えば 「お肌に合う化粧品が見つからないあなた!」 です。

これを聞いてネガティブに反応したということは、図星だったわけです。

普段は忘れようとしている悩み、そうではないと思い込みたいこと、できれば触れてほしくないものです。

しかし、心の奥では気にしています。

だからこそ、テレビショッピングで面と向かって言われた時に反応し、ずばり言われたのでネガティブの気持ちになりました。

問題提起をして、普段はあまり考えていない・考えようとしないニーズを掘り起こすわけです。


[思ったこと 2] 商品紹介 (ソリューション) は後


テレビショッピング番組の視聴者の反応は、ネガティブの後にポジティブに変わりました。ポジティブになったのは、商品効果や商品詳細が提示された時です。

悩みを呼びかけられた時は嫌な気持ちになったわけですが、その後に、商品効果という 「自分がそうなれるであろう After のイメージ」 、商品紹介から 「それが実現する理由 (問題解決方法) 」 を見たからです。

ポジティブになれたのは、その前のネガティブの気持ちがあったからこそでしょう。悩みを思い出して嫌な気持ちの分だけ、ポジティブへの反動も大きくなるわけです。


[思ったこと 3] 主語の順番は 「顧客 → 売り手」


売れるテレビショッピング番組では、感情の順番はネガティブからポジティブでした。

ここで注目したいのは、それぞれの主語です。

ネガティブは悩みの呼びかけ、ポジティブは効果や商品紹介で、主語はネガティブは顧客、ポジティブは売り手です。つまり、問題想起の主語は顧客、ソリューションの主語は売り手と使い分けています

順番も大事です。先に主語を顧客にして、相手に自分ごと化してもらいます。

では、ここまでの内容から、さらに何が学べるでしょうか?


提案技術への応用


売れるテレビショッピング番組の分析結果と示唆は、コミュニケーションや提案に応用できます。例えば、営業商談やプレゼン、社内での企画提案です。


提案技術への応用
  • まずは必要性に気づいてもらう。自分ごと化から問題認識を共有する
  • ソリューションはその後。いきなりこちらが言いたい本題には入らない
  • 相手のネガティブな反応を恐れない。問題共有という 「嫌な気持ちの想起」 はポジティブ転換への布石
  • ネガティブとポジティブの変動幅があるからこそ相手は心を動かされ、行動につながる


まとめ


今回は、売れるテレビショッピング番組の秘訣から、ビジネスでのコミュニケーションへの応用を考えました。

最後に今回の記事のまとめです。


1. 電通のテレビショッピング番組分析の結果
  • 売れた番組のほうが、視聴者のポジティブとネガティブの変動幅が大きかった
  • ポジとネガの順番は 「ネガ → ポジ → ネガ → ポジ」 と最初にネガティブから
  • ネガティブな反応が見られる箇所は 「悩みの呼びかけ」 をした時
  • ポジティブの反応は 「商品の効果」 や 「商品紹介」 をした時


2. 分析から思ったこと
  • まず最初に問題提起をする。普段はあまり考えていない・考えようとしない悩みやニーズを思い出してもらう
  • 商品紹介 (ソリューション) は後。最初のネガティブの分だけポジティブになれる
  • 主語の順番は 「顧客 → 売り手」 。問題想起の主語は顧客、ソリューションの主語は売り手と使い分ける


3. 提案技術への応用
  • まずは必要性に気づいてもらう。自分ごと化からの問題認識の共有
  • ソリューションはその後 (いきなり入らない)
  • 相手のネガティブな反応を恐れない。嫌な気持ちの想起はポジティブ転換への布石
  • ネガティブとポジティブの変動幅があるからこそ相手は心を動かされ、行動につながる

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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最も力を入れているのはニュースレターです。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。