2020/07/18

優れた料理人に学ぶ、マーケターのスキルとセンス




今回は、マーケティングについてです。


この記事でわかること


  • 優れた料理人の三つの特徴
  • 三つの本質
  • マーケターへの応用 (スキルとセンス)


記事の最初に、優れた料理人の特徴を三つ上げています。

そこから後半はその本質は何かを掘り下げ、後半はマーケターに求められるスキルとセンスに応用しています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考になれば嬉しいです。


優れた料理人の特徴


皆さんはもし、「優れた料理人の条件は何か」 と聞かれれば、どのようにお答えになるでしょうか?

あえて大きく三つにくくると、次のようになります。


優れた料理人の特徴
  • 食材の目利きと入手。自分や目的に合った調理道具や設備を持っている
  • 調理の技術。新しい料理のアイデア、レシピの考案 (仕組み化と再現性) 、コース料理のデザイン
  • お客へ美味しい料理を振る舞う (お客への価値提供)


三つの特徴の本質


以上の三つを一般化すると、一言では次のように表現できます。


三つの特徴の本質
  • 集める
  • つくる
  • 届ける


いかがでしょうか?

食材や調理道具を集め、料理やレシピをつくり、お客に美味しい料理を届ける。これらを高いレベルで持っているのが優れた料理人です。

ではここからは、三つの特徴をマーケターに求められるスキルやセンスへ応用すると、何が言えるかを見ていきましょう。


マーケターに求められる能力


優れた料理人から学ぶ三つのとは、「集める」 「つくる」 「届ける」 でした。

それぞれはマーケティングに当てはめると、どのような意味を持つでしょうか?


[マーケターの能力 1] 集める


マーケティングの出発点は顧客理解からです。自分たちの顧客は誰かを定義し、顧客が抱える問題は何かを集め明確化します

お客はどういう状況において何に困っているのか。どんな不便や不満を抱えているのか。すでに顕在化している 「不」 、そしてまだ本人が自覚できていないような不満も含めてです。

普段は意識できていませんが、そうと気づかされれば行動につながる顧客インサイトまで深く理解します。

以上の顧客情報を集めることに加えて、市場で競合情報も手に入れます。

この 「集める」 の意味合いを広げると、社内のステークホルダーの巻き込み、エージェンシーやベンダー企業、さらにはマーケティングのツール選定も含まれます。


[マーケターの能力 2] つくる


2つめの 「つくる」 を見てみましょう。

マーケティング戦略や施策の上位概念となる目的を設定します。目的に加えて、扱う商品・サービスやブランドのビジョンを描き、ミッションに落とし込みます

マーケターがつくるのは、ここからマーケティング戦略と実行プラン (マーケ施策) です。マーケティング施策は 4P のうち三つの P である Place, Price, Promotion で具体化していきます。

マーケティング施策で肝になるのは、「集める」 で見い出した顧客インサイトからのバリュープロポジションです。バリュープロポジションとは、インサイトに対して自分たちはどう応えるかの価値提案の切り口であり、勝ち筋です。


バリュープロポジション設計
  • ターゲット顧客の明確化と言語化 (例: ペルソナ)
  • UX と提供価値の設計
  • 価格設定
  • チャネルとメディア (タッチポイント設計)
  • 訴求メッセージ


マーケティング施策は、料理人がレシビをつくるように、再現性を高めることもマーケターには求められます。


[マーケターの能力 3] 届ける


届けるものは大きく三つあります。

一つ目は商品やサービスから顧客への本質的な価値です。「モノ + コト」 という優れたユーザー体験をいかに実現するかです。

二つ目は価値提供からの顧客の成功です。 BtoB なら相手のビジネス成功への貢献です。 BtoC なら消費者の生活やライフスタイルがより良くなる、もっと言えば幸せへの貢献になります。

三つ目のポイントは一度きりではなく、継続的な価値提供からの顧客の成功です。この発想はカスタマーサクセスに通じます。


まとめ


今回は、優れた料理人に学ぶマーケターが求められる能力についてでした。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


優れた料理人の特徴
  • 食材の目利きと入手。自分や目的に合った調理道具や設備を持っている
  • 調理の技術。新しい料理のアイデア、レシピの考案 (仕組み化と再現性) 、コース料理のデザイン
  • お客へ美味しい料理を振る舞う (お客への価値提供)


三つの特徴の本質
  • 集める
  • つくる
  • 届ける


マーケターへの応用
  • 集める: 顧客定義と理解、市場と競合情報、ステークホルダーの巻き込み、エージェンシーやベンダー企業、ツール選定
  • つくる: 目的・ビジョン、マーケティング施策 (顧客インサイトからのバリュープロポジション) 、施策の再現性
  • 届ける: 顧客への本質的な価値。顧客の成功の実現 (一度きりではなく継続的の成功)

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。