
今回は、優れた事業アイデアの条件をご紹介します。
良い事業アイデアの条件
皆さんはもし、「良い事業アイデアを見極める基準は何か」 と聞かれれば、どのようにお考えになるでしょうか?
私が思う優れた事業アイデアの条件は次の五つです。これが今回の記事の結論です。
優れた事業アイデア
- 課題の明確さ
- 勝てる
- 儲かる
- スケール
- 情熱
では、それぞれについて順番に見ていきましょう。
[条件 1] 課題が明確
良い事業アイデアかどうかの条件の一つ目は、課題の明確さです。
「誰の」 「何の問題」 を解決するのかが、しっかりと言語化されていることです。
顧客を定義し、その人または会社の何の問題を解決するのかです。
問題は 「広さ」 と 「深さ」 に分けて把握します。
広さとはどれだけ多くの人に当てはまるかと、同じ人でも問題が起こる頻度です。深さは、不便や不満などの問題の根深さです。
問題が広く深いほど、解決した時のインパクトは大きくなります。
アイデア考案者と実行者に問われるのは、その課題に対して自分は世界一詳しいと言い切れる自信です、顧客と問題への深い理解です。
[条件 2] 勝てる
二つ目の条件は、そのアイデアで本当に勝てるかどうかです。
勝ち筋があるかの見極めで大事なのは、市場と競合代替サービスをどのように設定し見立てているかです。
競争環境を理解し既存の商品やサービスに対して、自分たちの優位性への明確さがポイントです。何が新しく、どんな点で競合や代替サービスに対して優れているのかです。
また、自分たちの優位性がなぜ実現できるのかも、勝てるアイデアかどうかの条件に含まれます。簡単に真似されない競合優位性であれば、持続可能性があります。
勝てるかどうかで忘れないようにしたいのは、優位性が顧客にとって価値につながっているかです。顧客の立場に立った時に、顧客はその優位性を認識ができ、かつ価値だと評価していることが大事です。
[条件 3] 儲かる
二つ目のポイントの 「勝てる」 に加えて、儲かるかどうかも筋の良い事業アイデアの条件です。これが三つ目です。
顧客はお金を払ってでも必要としている・欲しいと思えるかです。あったらいいなや、無料なら使う程度のものでは、筋の良い事業アイデアとは言えません。
儲かる見込みがあり、それが一過性ではない収益モデルを描けているかどうかです。
収益モデル
- 誰から
- 何に対して
- どのタイミングで
- どうやって収益化するか
なお、収益モデルについては、事業アイデアの初期段階ではここまで描けていなくてもよいと考えます。ただし、ターゲット顧客は、そのアイデアにお金を払ってでも欲しいかどうかは初期の頃から見極めます。
[条件 4] スケール
その事業アイデアは短期的なものか、長期でも将来性の見通しが明るいかどうかです。
時間軸を長くとるだけではなく、今後どんな時間的な流れで事業アイデアを広げていくのかの見通しがあればなお良いです。
どの程度の市場規模を狙うのかは、三つの段階で分けるといいです。
市場規模の見通し
- TAM (Total Addressable Market) 獲得できる可能性のある最大の市場規模
- SAM (Serviceable Available Market) 実際に獲得できるであろう市場規模 (TAM のうち特定の顧客セグメント)
- SOM (Serviceable Obtainable Market) 市場での獲得シェア
日本語では、三つをまとめてタムサムソムと言ったりします。
この三つを例えば Uber Eats に当てはめて見ると、次のようになります。
Uber Eats の市場規模の見立て
- TAM: 外食市場
- SAM: 出前の市場
- SOM: その中での Uber Eats のシェア
[条件 5] 情熱
ここまで、良い事業アイデアの条件を五つのうち、四つを見てきました。
四つは論理的なものに対して、最後の五つ目である 「情熱」 は感性的な条件です。アイデアそのものというよりも、アイデアを考えた人・実行していく人の情熱を見ます。
そのアイデアに誰よりも高い情熱を注ぎ、圧倒的な当事者意識を持っているかどうかです。
たとえ他者からヒントや着想を得たり教えてもらったとしても、そのアイデアの実現に誰よりもコミットする姿勢、アイデアを信じている熱い気持ちが条件です。
どんなに革新的なアイデアでも、そのアイデアを思いついている人は、世の中には他に何人もいると思ったほうがいいです。
アイデアを本当に心の底から信じて実行に移し、困難でも諦めずやりきれるかどうかが成功を分けます。
その時の土台になるのが、情熱や当事者意識なのです。
まとめ
今回は、優れた事業アイデアの条件を見てきました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
優れた事業アイデア
- 課題の明確さ ( 「誰の」 「何の問題」 を解決するのか)
- 勝てる (競合優位性, 参入障壁)
- 儲かる (顧客はお金を払ってでも欲しい)
- スケール (将来性。市場規模の見通し)
- 情熱 (アイデア考案者・実行者の当事者意識)