
今回は、コンサルティングとマーケティングについてです。
この記事でわかること
- 大前研一さんのコンサルタントの本質論
- マーケターへの横展開
- カスタマーサクセスとの共通点
記事の最初に、大前研一さんが考えるコンサルティングの本質とは何かをご紹介します。
そこから後半は、マーケティングとカスタマーサクセスに展開をしていきます。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考になれば嬉しいです。
大前研一のコンサルタント論
大前研一さんと楠木建さんが、 「好き嫌い」 と経営 という本で対談をしています。
その中で大前さんが、コンサルタントの本質とは何かを語っています。
以下は、該当箇所からの引用です。
何社かと競合させて選ぶというのは、私に言わせるとでかい態度ですよ。
コンサルタントというのはカネを払って雇うものではありません。ある意味でプレーンのパートナーじゃないですか。コンサルタントの本質というのは、寝ても覚めてもその会社のことを考えることです。社長よりもその会社のことを考えないと、いい答えなんて出てこない。
それなのに 「カネを払って雇っている」 という意識の相手とは絶対にうまくいかないから、そう感じた瞬間、私はやらない。やれるわけがありませんよ。
(引用: 「好き嫌い」 と経営 (楠木建) )
ポイントをまとめておくと、
大前研一のコンサルタント論
- コンサルタントの本質は、その会社のことを社長よりも考え答えを出す
- 深くコミットするブレーンパートナー
- 相手が 「カネを払って雇っている」 という意識ではうまくいかない
この考え方はコンサルタントだけに限らず、ビジネスパーソンに求められる姿勢です。
それではここからは、コンサルタントの本質をマーケターに当てはめてみます。
マーケターが学べること
大前研一さんのコンサルタント論は、マーケティングにどんな意味を投げかけるでしょうか?
「マーケターは顧客の成功や幸せを顧客以上に考え、どうすれば実現できるかを常に考えよ」 です。
ポイントは 「顧客以上に」 です。
具体的には、例えば顧客インサイトです。
インサイトとは、顧客自身が普段は自覚していないが、そうと気づかされれば行動につながる奥にある気持ちです。本人には無自覚な不満、言語化できていない欲までです。これらをマーケターは掘り下げようとする姿勢を持ちます。これが大事です。
顧客は自分ではない他人です。赤の他人のことを本人以上にどうすれば幸せになれるか、そのためにどんなインサイトに答えればいいかを徹底的に追及します。
マーケターは、自分たちが扱う商品やサービスで何ができるのかを描き、価値を提供します。
さらにその場限りの一時的な価値提供ではなく、長く幸せを届ける役割を果たすことがマーケターには求められるのです。
この考え方は、カスタマーサクセスにつながります。
カスタマーサクセスとの共通点
カスタマーサクセスで大事なのは、次の五つです。
カスタマーサクセスが目指すこと
- LTV (顧客生涯価値) の最大化
- 商品やサービスを買ってもらってからがスタート (売って終わりではない)
- 顧客を深く理解する
- 提供価値を向上し続ける
- 一緒に 「顧客の成功」 を実現させる
カスタマーサクセスの考え方は、まずは顧客の成功を顧客とともに伴走しながら実現に導きます。顧客の成功があって、巡り巡って自分たちの成功につながります。
最初にご紹介した、大前研一さんのコンサルタントの本質に通じます。顧客のことを、寝ても覚めても相手よりも考え、深くコミットするパートナーです。
その会社の成功によって自分も成功する。あくまで先にあるのは、コンサルティングをする相手の会社なのです。
まとめ
今回は、コンサルティング、マーケティング、カスタマーサクセスについて見てきました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
大前研一のコンサルタント論
- コンサルタントの本質は、その会社のことを社長よりも考え答えを出す
- 深くコミットするブレーンパートナー
- 相手が 「カネを払って雇っている」 という意識ではうまくいかない
マーケティング
マーケターは顧客の成功や幸せを顧客以上に考え、どうすれば実現できるかを常に考える。自分たちが扱う商品やサービスで何ができるのかを描き、価値を提供する。一時的な価値提供ではなく、長く幸せを届ける役割を果たす。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、まずは顧客の成功を顧客とともに伴走しながら実現に導く。顧客の成功があって、巡り巡って自分たちの成功につながる。顧客のことを相手よりも考え、深くコミットするパートナーになる。
「好き嫌い」 と経営 (楠木建)