
今回は、戦略についてです。
この記事でわかること
- 戦略とは何か
- 本質までの三階層
- 戦略の三つのレイヤー (表層, 構造, 本質)
- 本質レイヤーの掘り下げ
今回は戦略にものごとの三階層を当てはめて、戦略の本質とは何かを掘り下げていきます。
ぜひ最後まで記事を読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
本質までの三階層
私が本質を理解する時に意識しているのは、ものごとの三階層です。
三つのレイヤーをイメージして、本質までどれだけ深く掘り下げるか、今自分が見ているのはどのレイヤーかを考えるようにしています。
本質までの三階層
- 表層 (目に見える現象)
- 構造 (背後にあるメカニズム)
- 本質 (さらに奥にある真因)
では着想を広げて、この三階層を戦略に当てはめてみます。
戦略とは何か
三階層に当てはめる前に、そもそも戦略とは何かです。
皆さんは、もし 「戦略とは何か」 と聞かれれば、どのようにお答えになるでしょうか?
私の一言の定義は、戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 です。目的実現のためのリソース配分の指針が戦略です。
リソースは有限なのでやらないことを決め、さらにやることの優先順位を明確にしてリソースを配分していきます。
ではここからは、戦略先ほどの 「本質までの三階層」 を見ていきましょう。
戦略の三階層
物事の三階層とは、目に見えるところから順番に、表層・構造・本質でした。
この三階層を戦略に当てはめると、どのようになるでしょうか?
戦略の 「表層レイヤー」
- やらないこと
- 目的を達成するためにやること
- リソースを配分先と優先順位 (投入のメリハリ)
戦略の 「構造レイヤー」
- 動的な勝ち筋シナリオ (コンセプト, ストーリー, クリティカルコア)
- やることの因果関係、時間的な流れ
- 戦略の実行力 (組織能力)
戦略の 「本質レイヤー」
- 競争環境
- KSF (主要成功ポイント)
それではここからは、戦略の本質レイヤーについて掘り下げて見ていきましょう。
なぜ戦略の本質レイヤーは、競争環境と KSF の見極めなのでしょうか?
競争環境と KSF
ものごとには必ず前提があります。
では、戦略の前提とは何でしょうか?
私は戦略の前提とは二つ、目的と環境だと考えます。戦略の定義から戦略は目的を達成するためにあるので、目的は戦略の上位に当たります。
もう一つの前提が競争環境です。自分たちはどこで戦うかの定義と理解が、まず始めにあるべきと考えます。
では、競争環境はどのように理解していけばいいのでしょうか?
競争環境の理解
以下のように、競争環境を要素分解して把握をしていきます。
競争環境の分解
- 広さ (市場規模)
- 成長性 (ライフサイクル (導入, 成長, 成熟, 衰退) のどこにあるか)
- 誰がいるか (顧客と競合, 代理店などの中間プレーヤー)
- 競争の激しさ、変化の早さ
- 自分たちのポジショニング (シェア, 強みと弱み)
以上を踏まえ、競争環境で勝つ、そして生き残り続けるためのポイント (KSF) は何かを見い出していきます。
KSF の意味合い
戦略の本質レイヤーには、KSF がありました。
競争環境での KSF を見い出したら、KSF が自分たちにとって何を意味するかを明確にします。
端的に言えば勝ち筋をどう実現するかです。競合と同じようにやって勝てるのか、KSF を自分たちのオリジナルとしてどう生み出していくかです。
競争戦略とは、本質的に違いをつくることです。違いが、ビジネスであれば顧客にとって意味のある価値になるように、自分たちの KSF を磨き込みます。
まとめ
今回は戦略についてでした。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
戦略の定義
戦略とは目的を達成するための 「やること」 と 「やらないこと」 。目的実現のためのリソース配分の指針。やらないことを決め、やることの優先順位を明確にする。
戦略の三階層
- 表層: やらないこと・やること、リソース配分先の優先順位
- 構造: 動的な勝ち筋シナリオ。やることの因果関係、時間的な流れ。実行力 (組織能力)
- 本質: 競争環境と KSF (主要成功ポイント)
戦略の前提は目的と環境。競争環境の分解
- 広さ (市場規模)
- 成長性 (ライフサイクル (導入, 成長, 成熟, 衰退) のどこにあるか)
- 誰がいるか (顧客と競合, 代理店などの中間プレーヤー)
- 競争の激しさ、変化の早さ
- 自分たちのポジショニング (シェア, 強みと弱み)
勝ち筋を磨く
競争戦略とは、本質的に違いをつくること。違いが顧客にとって意味のある価値になるよう、自分たちの KSF を磨き込む。