2020/07/21

分けられるから 「分かる」 。分解の本質 (セグメンテーションを例に)




今回は、「分かる」 とはそもそも何かです。分解の本質を掘り下げます。


この記事でわかること


  • 分けられるから分かる
  • 売上の分解
  • STP と顧客セグメンテーション
  • 分けることの本質


今回は、物事を 「分けられるから分かる」 という話です。

分けることの本質を、売上の分解、STP 、顧客セグメンテーションを例に掘り下げています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考になれば嬉しいです。


分けられるから分かる


物事を因数分解して分けられると、より理解することができます。

解像度が高くなり、抽象的だったものが具体的になるからです。

では、分けることによって理解が進む例をいくつかご紹介します。まずは売上の分解から見ていきましょう。


売上の分解


皆さんはもし、「売上をどのように分解できるか」 と聞かれれば、どう答えるでしょうか?

まず大きくは、売上は客数と客単価に分けられます (売上 = 客数 × 客単価) 。さらに客数と客単価は、それぞれ次のように分解ができます。


客数の分解例 1
  • 見込み客数 × 来店率 × 購入率 (買上率)


客数の分解例 2
  • 新規顧客
  • 既存顧客


客数の分解例 3
  • ヘビーユーザー
  • ミドルユーザー
  • ライトユーザー
  • 休眠・離脱ユーザー


客単価の分解
  • 買上点数 (1回の買いものあたり平均購入個数)
  • 一個あたりの平均金額
  • 購入頻度


以上のように売上を分解していくと、単に売上が増えたか減ったかだけではなく、その要因もわかるようになります。

要因がわかれば、打ち手や対策も見えてきます。

では次に、マーケティング戦略から 「分ける」 を見てみましょう。


マーケティング戦略と STP


マーケティング戦略のベースになるのは STP です。STP とはセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの三つの頭文字からです。


STP
  • 市場を分ける (セグメンテーション)
  • どこを狙うかを決める (ターゲティング)
  • そこでどんな存在になるかを設計する (ポジショニング)


今回の文脈で言えば、STP の最初のセグメンテーションが 「分ける」 になります。市場を特定の切り口で分け、市場特性を理解することができます。

STP のプロセスで最初にして難関なのは、セグメンテーションです。

市場の分解方法に唯一の正解はありません。STP の難しさと醍醐味です。ここにマーケターのセンスが問われます。

それでは次に、顧客セグメンテーションについて分解を見ていきましょう。


顧客セグメンテーション


例えばの顧客セグメンテーションのイメージは、次のような9セグメンテーションです。




引用: 1人の顧客からアイデアを得て広げる N1 分析とは?『実践 顧客起点マーケティング』セミナーレポート|MarkeZine



9セグメンテーションの特徴は、横軸をユーザーの 「行動」 、縦軸は 「気持ち」 からユーザーを分けます。

横軸の行動は、利用や購入頻度を使います。右にいくほど多くなります。縦軸の気持ちとは、次も選びたいなどの選好度合いや、ロイヤルティー度合いです。

では、顧客セグメンテーションから何が分かるのでしょうか?


顧客セグメンテーションで分かること
  • 顧客の分布 (量的理解)
  • 各グループごとの特徴 (質的理解)
  • どのセルに注力をするか
  • マーケティング施策の方針とアクション
  • 施策後の効果


ここまで、売上の分解、STP 、顧客セグメンテーションから分解の例を見てきました。では、分けることの本質とは何でしょうか?


分けることの本質


分解とは、分けて比較をして理解をするためにあります。分けるとは手段です。

分けて、それによってどれだけ理解し、何を選ぶかです。

選ぶとは本質的には 「何を捨てるか」 を決めます。顧客セグメンテーションの例では、注力しないグループを選ぶ、つまりこの顧客グループは相対的に重要ではないと決断をします。

分解した要素を 「あれもこれも」 と全てやろうとするのではなく、「あれかこれか」 と本当に大事なことに注力するのです。


まとめ


今回は、「分けられるからこそ分かる」 という話でした。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事のまとめです。


売上の分解
客数と客単価に分けられ、さらに分解ができる。
売上 = [見込み客数 × 来店率 × 購入率] × [買上点数 × 一個あたりの平均金額 × 購入頻度]


STP
  • 市場を分ける (セグメンテーション)
  • どこを狙うかを決める (ターゲティング)
  • そこでどんな存在になるかを設計する (ポジショニング)


分けることの本質
物事を因数分解すると解像度が高くなり、より理解することができる (分けられるから分かる) 。
分けるとは手段。分けて理解し、選ぶ。分解した要素を 「あれもこれも」 と全てやろうとするのではなく、「あれかこれか」 と本当に大事なことに注力する。

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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。