今回はビジネスでの分析についてです。
✓ この記事でわかること
- 分析の本質
- 5つの分析ステップ (目的, 切り口, 違い, 洞察, アクション)
分析の本質に立ち返って、ビジネスでの汎用的な分析プロセスを解説しています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
分析の本質
いきなりですが分析とは何をすることでしょうか?
分析とは何かを一言で言えば、分析とは 「比較から得られる洞察を成果につなげること」 です。
もう少し分解すると、分析には4つの要素が入っています。
✓ 分析の要素
- 比較をする
- 違いを見つける
- 洞察を得る
- 成果につなげる
分析の本質に立ち返ると、分析のプロセスが見えてきます。
分析のプロセス
ご紹介したい汎用的な分析プロセスは、次の5つです。
✓ 分析プロセス
- 目的の設定
- 切り口を決める
- 違いを掘り下げる
- 洞察を得る
- アクションへつなげる
では、順番にそれぞれについてご説明しますね。
[ステップ 1] 目的の設定
目的とは分析の存在意義です。なぜこの分析をするのか、何のための分析かを明確にします。
マーケティングでの分析を例にすると、マーケティング戦略立案のための判断情報にする、マーケティング施策の意思決定につなげることが分析の目的です。
分析作業に入ると目の前のことに集中するあまり目的を忘れがちになります。目的は設定して終わりではありません。分析の途中と最後まで目的に沿って進めることが大事です。
[ステップ 2] 切り口を決める
2つ目のステップが 「切り口」 の選定です。
切り口とは、比較のための着眼点です。例えば、顧客をいくつかのグループ (セグメント) に分けるための視点です。
具体的なケースで、健康食品のサプリのビジネスをしているとしましょう。顧客を分ける切り口の例は、次のようなものがあります。
✓ 顧客セグメントの切り口 (サプリの例)
- 求めるニーズや顧客インサイト
- サプリへのイメージ (ポジティブとネガティブ)
- 今すでに使っているサプリ
- 1ヶ月当たりのサプリ予算金額
- 普段の食生活
- 睡眠時刻と時間
- 身体の疲れへの自覚レベル
- 参考にしている健康に関する情報源
[ステップ 3] 違いを掘り下げる
ここまで見てきた切り口を使って、「違い」 を深く見ていきます。
違いの中でも、どの違いに注力するかを決めるといいです。単に興味のある違いではなく、目的に沿った違いの選定です。
サプリの例を続けると、先ほどの切り口から掘り下げるポイントを次の3つにしました。
✓ 注力する違い
- 求めるニーズ
- すでに使っているサプリ
- 情報源
[ステップ 4] 洞察を得る
4つ目のステップの 「洞察」 に入ります。
サプリの顧客分析で具体的にやったことは、「求めるニーズ」 から顧客を5つのグループに分けました (クラスタリング) 。
✓ ニーズからの顧客セグメント
- 栄養素をバランスよく全般的に補いたいグループ
- ダイエットをしたいグループ
- 肌のハリを高めたい (取り戻したい) グループ
- 整腸作用を促したいグループ
- 身体の疲れを取りたいグループ
そして5つのセグメントの特徴を、切り口からの違いから具体化しました。マーケティングで言うペルソナです。
具体的には、使っているサプリ、情報源です。他には予算、サプリイメージ、普段の食生活・睡眠・運動です。各セグメントが言葉や写真、生活シーンから具体化され、顧客イメージがより見えてきました。
[ステップ 5] アクションへつなげる
最後の5つ目の分析ステップは、得られた洞察をアクションにつなげます。サプリの例ではマーケティング施策です。
5つのセグメントから優先的に注力するセグメントを選びます。ここでは、5つから 「身体の疲れを取りたい」 セグメントにしました。
サプリは抗酸化作用のある成分が入っているものを選び、顧客へのコミュニケーション内容はサプリだけではなく食生活、睡眠、運動の情報を届けることにしました。
このセグメントの人たちがよく見ている情報源 (特定のネットメディア) で、栄養士やアスリートトレーナーの専門家の解説記事を記事広告として掲載する訴求です。
まとめ
今回は分析についてでした。
最後にまとめです。
分析の本質
- 分析とは 「比較から得られる洞察を成果につなげること」
- 4つの要素がある。比較, 違い, 洞察, 成果
分析プロセス
- 目的の設定
- 切り口を決める
- 違いを掘り下げる
- 洞察を得る
- アクションへつなげる