今回は BtoB を想定しての顧客ヒアリング方法です。
✓ この記事でわかること
- BtoB 事業での顧客ヒアリング方法
- 共通する5つのヒアリング項目
顧客への提案を成功させるために、どのようなヒアリングをすればいいかを解説しています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
顧客ヒアリング
顧客への提案を成功させるために大事なのは、どれだけ深く顧客課題を理解できているかです。
顧客課題の理解があって、初めて提案へのソリューションをつくれます。今回の記事でご紹介したいのは、顧客課題を理解するための顧客ヒアリング方法です。
BtoB で私が顧客ヒアリングで使っているフレームがあり、以下の5つの項目です。
✓ 顧客ヒアリング項目 (顧客課題の理解のために)
- 顧客像
- 顧客課題 (事象, 問題, 課題)
- 問題の発生頻度と深刻度
- 既存の解決方法
- お金を払う意思
ではそれぞれ順番にご説明していきますね。
[項目 1] 顧客像
1つ目のヒアリング項目は顧客像です。
顧客課題を理解するための前提情報で、具体的にどんな顧客なのか、顧客が置かれた状況を把握します。
具体的には担当者のこと、担当者の所属部署、他部署との関係性、エンドユーザー (顧客の顧客) との関わりです。
[項目 2] 顧客課題
2つ目のヒアリング項目が顧客課題です。
いくつかに分解でき、まず知りたいことは 「起きている事象」 です。次に事象の何が問題なのか、問題の原因は何かを掘り下げます。構造的な要因やメカニズム、さらに奥にある問題の真因は何かです。
問題の全体像が見えてきたら、その問題を解決するために何をやろうしているのかの課題もヒアリングします。問題はいつまでに解決したいのかのスケジュールも訊きます。
以上の顧客課題の要素をまとめると、
✓ 顧客課題のヒアリング要素
- 起きている事象
- 問題の原因 (発生メカニズムと真因)
- 解決するための課題
- いつまでに解決したいか
[項目 3] 問題の発生頻度と深刻度
3つ目ヒアリング項目は、その問題はどれくらい多く発生しているのかの頻度と、起こった時の深刻度です。
問題の深刻度はさらに2つに分解ができ、問題の影響範囲とインパクトです。広さと深さの2つから深刻度を理解します。
[項目 4] 既存の解決方法
起こっている問題に対して、今現在はどのように対処しているのかも併せてヒアリングします。
対応状況は、すでに着手中か、検討はしていてこれからなのか、あるいは放置されてしまっているのかです。
最後の放置について、私の経験からも、問題への認識があり重要だと思っているが、目の前のことに時間を取られ手がつけられていないことがあります。
既存の解決方法で併せて訊きたいのは、その方法でまだ解決できないことです。依然として残る不都合なことがわかれば、顧客へ自分たちが提案するソリューションへのヒントになります。
まとめると、
✓ 既存の解決方法のヒアリング項目
- どう対処しているか (着手中, 検討しているがこれから, 放置)
- その方法でまだ解決していないことは何か
[項目 5] お金を払う意思
5つ目のヒアリング項目は、お金を払ってでもその問題を解決したいかどうかです。
英語では Willing to pay (お金を払う意思) と表現し、長いので WTP と略して言います。
問題解決はしたいがお金は出せないのか、それともお金を払ってでもなんとしても解決したいかです。後者の WTP があれば、そのお金はどこからの予算かも訊けると良いです。
予算の決済者、承認プロセスも把握できれば、担当者と一緒に顧客内での予算を通すことにも協力でき、顧客との関係性が深まります (担当者と仲間や同士のような関係にもなれます) 。
まとめると、
✓ お金を払う意思があるか
- お金を払ってでも解決したいか (WTP)
- どこからの予算か
- 予算の決済者, 承認プロセス
まとめ
今回は BtoB での顧客提案を成功させるための、顧客課題のヒアリング方法をご紹介しました。
最後に記事のまとめです。
顧客課題ヒアリング項目 (提案を成功させるために)
- 顧客像: どんな顧客か, 置かれている状況
- 顧客課題: 起きている事象, 問題発生のメカニズムと真因, 解決するための課題
- 問題の発生頻度と深刻度: 影響範囲とインパクト
- 既存の解決方法: 対応状況 (対応中, 検討中, 未着手) 、その方法でも解決していないこと
- お金を払う意思: 予算の出所, 承認プロセスも