投稿日 2021/06/15

「うんこ漢字ドリル」 の開発秘話を、マーケティングから解説



今回はマーケティングです。

 「うんこ漢字ドリル」 の開発ストーリーをマーケティング視点で読み解きます。





この記事でわかること


  • 「うんこ漢字ドリル」 の生まれたきっかけ
  • マーケティングから紐解くと?
  • プロダクトアウトとマーケットインの両立
  • 早めのアイデア検証
  • 答えはお客の中にある


ヒット商品の 「うんこ漢字ドリル」 が開発されたプロセスには、マーケターとして学びがありました

この記事では3つのポイントに絞ってご紹介しています。ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。


 「うんこ漢字ドリル」 が生まれたきっかけ


この記事を書きたいと思ったのは、「うんこ漢字ドリル」 のインタビュー記事を読んだからでした。

 「うんこに人生を賭けてくれ」 と言われて……。大ヒット『うんこ漢字ドリル』を作った人々|クリエイターズステーション


引用: クリエイターズステーション


以下は、記事からの引用です。

谷さん: 企画が動き始めたのは2015年3月です。社長の山本から 「うんこ川柳」 というものを見せてもらって。

文字通りうんこを題材にした川柳で、「うんこ漢字ドリル」 の例文作者である古屋雄作さんが書いたものです。「こんな感じで、うんこを題材にした漢字ドリルを作りたいんだよね」 と言われました。

谷さん: 低学年の子にはウケるかもしれないけど、高学年の子や女の子は大丈夫なんだろうか?という懸念は正直ありました。でも、試しに作ってもらった例文がとにかく面白くて、そのうちにアカデミックな匂いさえも感じるようになりました (笑) 。

もちろん事前に入念なリサーチも行いました。学習塾に通うお子さんたちや小学校の先生にご協力いただき、例文を見せて感想を聞いてみたのですが、予想以上に良好な反応だったんです。学校の先生にはさすがに怒られるかも……と思いましたが、「面白いですね!」 と言ってくださって。それで本格的に動き始めました。

 (引用: 「うんこに人生を賭けてくれ」 と言われて……。大ヒット『うんこ漢字ドリル』を作った人々|クリエイターズステーション)


マーケティングへの学び


引用したのはインタビューの一部ですが、この箇所だけでもマーケティングの視点で学びは多かったです。

私が考えさせられたのは次の3つです。


マーケティングへの学び
  1. プロダクトアウトとマーケットインの両立
  2. 早めのアイデア検証
  3. 答えはお客の中にある


では順番にそれぞれについてご説明しますね。


[学び 1] プロダクトアウトとマーケットインの両立


うんこ漢字ドリルの企画アイデアは社長の一声からでした。

うんこ川柳を見せられ 「こんな感じで、うんこを題材にした漢字ドリルを作りたいんだよね」 と (ちなみにうんこ川柳とは 「うんこぶりぶり漏らします」 のようなものです。中央に擬音語・擬態語が入っているのがポイントとのこと) 。

ビジネスアイデアがまずは自分たちから始まっているのは、マーケティングで言う 「プロダクトアウト」 です。自分たちが基点です。

ただしプロダクトアウトだけではなく、マーケットインのアプローチも入っていました。

利用者である小学生や先生に見てもらい、受け入れられるかどうかを検証しています。自分たちの独りよがりではなく、マーケットインというユーザー基点です。

プロダクトアウトとマーケットインの両方が入っているのが興味深かったです


[学び 2] 早めのアイデア検証


2つ目の学びのポイントは、商品アイデアを早めに検証したことです。

うんこ漢字ドリルのアイデアに、当初は不安や懸念がありました。女の子は大丈夫なのか、高学年の子どもたちにもウケるかです。

アイデアを完璧なものにする前に、むしろ不安が大きい時点で想定するドリルの利用者 (子どもや先生) にアイデアをぶつけて反応を見ました。ユーザーからのフィードバックは良好で、ここの瞬間にアイデアへの不安は確信に変わったわけです。


[学び 3] 答えはお客の中にある


自分たちのビジネスアイデアは、結局のところは価値があるかは顧客にしか判断できません。

いくら社内で議論をしたり、確認・検討・研究をしても、そこに答えはないのです。答えとは 「お客にとっての真実」 で、要するにお客にとって欲しいと思えるような価値があるかです。

先ほどの2つ目の 「早めのアイデア検証」 にもつながりますが、うんこ漢字ドリルは開発の初期フェーズから 「答えはお客の中にある」 という考え方がありました

なお、この話は YouTube でも解説しています。

よかったらぜひ見てみてください。






まとめ


今回は 「うんこ漢字ドリル」 の開発ストーリーを、マーケティングの観点から紐解きました。

最後に記事のまとめです。


 「うんこ漢字ドリル」 の開発から、マーケティングへの学び
  • プロダクトアウトとマーケットインの両立
  • 早めのアイデア検証
  • 答えはお客の中にある


[学び 1] プロダクトアウトとマーケットインの両立
  • ビジネスアイデアは自分たちから始まった [プロダクトアウト]
  • 小学生や先生に見てもらい、アイデアを検証した [マーケットイン]


[学び 2] 早めのアイデア検証
  • うんこ漢字ドリルは当初はアイデアに不安や懸念があった。女の子には大丈夫か?高学年にもウケるのか?
  • 不安が大きい時に想定するドリルの利用者 (子どもや先生) にアイデアをぶつけて反応を見た


[学び 3] 答えはお客の中にある
  • 自分たちのビジネスアイデアに価値があるかは顧客にしか判断できない
  • いくら社内で議論をしたり、確認・検討・研究をしても、そこに答えはない


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。