今回は分析についてです。
✓ この記事でわかること
- 分析の本質は比較
- 比較のための 「切り口」
- 切り口の例 (りんご, 市場分析)
- 切り口を決めるポイント
分析の役割、分析での 「切り口の重要性」 を具体例も交えながら解説しています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
分析の本質
私が思う分析の本質は 「分けて比較をし意味合いを出すこと」 です。
ビジネスでは分析目的に沿った比較をし、比較から意味合いを見出します。意味合いとは、意思決定や実行への示唆と提言です。
では比較について掘り下げていきましょう。
比較のための 「切り口」
比較をするためには、分析の切り口を決めます。
切り口のイメージを共有するために、りんごを例にご説明しますね。ここで言う切り口とは、
✓ りんごを分析する切り口
- 大きさ
- 重さ
- 色
- 新鮮さ
- 甘さ (例: 糖度, 酸度)
- 固さ
- 種類 (例: ふじ, つがる, 王林)
これらを切り口としてりんごを比較します。
ビジネスの話に寄せると、分析の目的を 「美味しいりんごを選ぶ」 とすれば、特に重視する切り口は 「新鮮さ」 「甘さ」 「固さ」 です。
このように分析では無数に考えられる切り口から、分析目的に合った切り口を選び比較をして、示唆を出します。
市場分析の切り口
では、もう1つ別の分析を例に切り口について見てみましょう。
マーケティング戦略のための市場分析に当てはめてみます。分析目的は市場を理解し、どのセグメント (市場の細分化) を狙うかへの意思決定につながる情報提供です。
ここでは切り口を2つに絞ったとします。価格帯と、プロダクトの独自性 (差異化されているか) を採用しました。
市場分析の流れ
2つを横と縦の軸に使ってマトリクスにすると、次のようになります。丸印は市場にある他社のプロダクトで、黄色は特に意識している競合です。

ここから、どのセグメントを狙うかを決めます。同時に意図を持って狙わないところも見極めます。
分析からの示唆は、例えば次の通りです。
✓ 市場分析からの示唆
- まずは中価格帯で独自のポジションを構築する
- 次に高価格帯にシフトし独自ポジションを狙う
図で表すと、

切り口を決めるポイント
採用する切り口に唯一の正解はありません。ケースバイケースです。
ただし、決めるためのポイントはあります。
私が仕事で分析の切り口を選ぶポイントにしているのは、目的を達成するために意味のある比較ができるかです。目的から逆算し、意思決定や実行への示唆にできるであろう切り口を選ぶようにします。
市場分析の目的は、参入するセグメントを決めるための判断材料の提供でした。
価格帯は自分たちでコントロールできます。独自性も、販売する商品の方向性を合わせる判断軸になります。
よって 「価格帯」 と 「独自性」 をの2つを使えば、どの市場に注力するかの判断材料になります。どの価格帯を選ぶか (捨てるか) 、具体的にどんな独自ポジションを築くのかの意思決定に貢献できる切り口です。
まとめ
今回は分析についてでした。
最後に記事のまとめです。
分析とは
- 分析の本質は 「分けて比較をすること」
- ビジネスでは分析目的に沿った比較をし、比較から意味合いを見出す
- 意味合いとは、意思決定や実行への示唆や提言
比較のための 「切り口」
- 比較をするために分析の切り口を決める
- 無数に考えられる切り口から、分析目的に合った切り口を選び比較をして示唆を出す
切り口を決めるポイント
- 目的を達成するために意味のある比較ができるか
- 目的から逆算し、意思決定や実行への示唆にできるであろう切り口を選ぶ