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投稿日 2015/01/27

優秀なリーダーはみんな 「スピードラーニング」 の達人




大前研一氏は、著書 稼ぐ力 - 「仕事がなくなる」 時代の新しい働き方 で、スピードラーニングの重要性を伝えています。

今回のエントリーは、いかに学ぶについて書いています。



スピードラーニングとは


スピードラーニングについて、以下は該当箇所の引用です。

つまりラーニングからリーダシップを発揮するまでの時間である。その転換が数週間、長くても3か月以内でなければならない。

私の経験からすると、優秀なリーダーはみんな 「学びの天才」 であり、とくに 「スピード・ラーニングの達人」 である。(中略)
投稿日 2014/12/13

異なる部門間のプロジェクトをリードするために




今回は、ビジネスで社内での異なる組織やチーム、社外の人との働き方についてです。複数の組織にまたがるプロジェクトをまとめるための考え方を書いています。

エントリー内容です。

  • 組織を越えたプロジェクトのリード
  • 心がけている3つのこと
投稿日 2014/06/28

データ分析のプロになるための4つの視点




会社を変える分析の力 という本は、ふと思い出した時に読み返すことが多く、自分にとって大切な本の一つです。



データ分析の4つの問い


必ずと言ってよいほど目を通すのは、「データ分析をする時の4つの問い」 です。

  • その数字にどこまで責任を取れるか
  • その数字から何がわかったか
  • 意思決定にどのように使えるのか
  • ビジネスにどれぐらい役に立ったか
投稿日 2014/06/22

マーケティングリサーチで大切にしたい、「答えを出すのは自分」 という心構え




マーケティングリサーチについてです。リサーチャーとして大切にしたい心構えを書いています。

エントリー内容です。

  • マーケティングリサーチでの2つの調査
  • インタビュー対象者に 「答え」 を求めない
  •  「答え」 を出すのはあくまで自分
投稿日 2014/03/16

リサーチは良い結果を出すことではなく、真実を知ることが目的




今の仕事での役割は 「マーケティングリサーチマネージャー」 です。


マーケティングリサーチとマーケティング


マーケティングリサーチというのは、マーケティングとは切っても切り離せないものです。リサーチが求められるのは、マーケティングの課題を解決し、マーケティング目的を達成するための一助になることだからです。

マーケティングの目的があり、そのためのマーケティングの課題があります。

例えば、目的と課題は次のようになります。
投稿日 2013/12/27

転職して変わった 「結果を出してなんぼ」 と 「イシューからはじめる」




2013年の今年、転職をして大きく変わったことが、仕事では 「結果を出してなんぼ」 という考え方です。転職前も認識としては持っていましたが、転職をしてより強く感じるようになりました。

プロセスも大事ですが、評価としては結果を出しているかどうかが問われます。さらに言うと、単に結果を出しているのではなく、その結果がどれだけ価値があるかです。

いかに価値のある結果を生み出すかを強く意識するようになりました。

価値のある結果とは何でしょうか?

イシューからはじめよ - 知的生産の 「シンプルな本質」 という本には、次のことが書かれています。



イシュー度が高い & 解の質が高い、の2つの軸があると書かれています。つまり、課題設定として適切であり、問題解決した際のインパクトが大きい、の2つです。
投稿日 2013/12/22

P&G の事例から考える、マーケティングリサーチャーとしての自分の役割


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Harvard Business Review に、P&G が全社的にどのようにデータを活用しているかが紹介されていました。

参考:How P&G Presents Data to Decision-Makers - Harvard Business Review


What だけではなく Why と How までいけるか


記事のポイントは、

  • グローバルで統一されたデータの閲覧システム 「Decision Cockpit」 を共有している
  • P&G 社内からはどこからでもアクセスができるようになっている
  • データから 「今の状況」 をより早くつかみ、意思決定と次のアクションを決めることに集中している

記事の中で印象深かったのが、以下でした。
投稿日 2013/10/13

「これは厳しい…」 と思った時こそ大切にしたい交渉の3つのポイント




今回は、ある姉妹の喧嘩から学ぶ、ビジネスなどでの交渉力を高めるために気をつけたいことです。

エントリー内容です。

  • 姉妹喧嘩から交渉への示唆
  • 交渉力を高める3つのヒント
投稿日 2013/09/16

書評: 意思決定のための 「分析の技術」 - 最大の経営成果をあげる問題発見・解決の思考法 (後正武)




意思決定のための 「分析の技術」 - 最大の経営成果をあげる問題発見・解決の思考法 という本をご紹介します。



本書の特徴


著者は元マッキンゼーの後正武氏です。分析技術の理論と具体例を体系的に説明しています。

初版は1998年です。現在までにビジネスや分析環境は変わっていますが、内容に全く古さは感じず、本質的なものでした。


本書の 「分析の定義」 「分析の目的」 


本書では、「分析とは物事の実態・本質を正しく理解するための作業の総称」 としています。

強調するのは、何のために分析をするのかです。
投稿日 2013/08/31

書評「会社を変える分析の力 」:データ分析をする時の4つの自問自答

「会社を変える分析の力」という本が、ここ最近考えていたこととドンピシャという感じで、示唆に富む内容でした。

本書は、データ分析をする際の「心得」が書かれています。データ分析の心得は、高度な分析モデルやツールを使うケースから、Excelで関数を使って集計しグラフを作るという場合にもいずれにも当てはまります。本書で言われていることはどれも至極当然のこと。でも、実際に自分はできているか。全てにYesとは言えない自分がいました。

■このデータ分析は、問題解決のための意思決定にどれだけ使えるのか?

本書のスタンスで明確にしているのは、ビジネスにおけるデータ分析は問題解決につながってなんぼ、というもの。

データ分析とはデータで問題を解決すること。問題解明につなげる意図がないデータ収集や数値計算は、その方法がどれだけ高度であっても単なる「数字遊び」と著者は言います。

データ分析から得られた結果/示唆を、問題解決のための意思決定にどれだけ使えるか。ここが肝であり、「データ分析=意思決定の重要性×意思決定の寄与度」で決まると。2つ目の意思決定の寄与度とは、意思決定のための判断材料が数多くある中で、どれだけ重要な材料になれるかです。

■データ分析をする時の4つの問い

本書を読み始める前に目次を見て、まず始めに読んだ箇所が「データ分析をする時の4つの問い」でした。一番に目を通したこともあってか、読後においても最も印象に残っている問いかけでした。

著者は、データ分析の際には4つを自問自答するようにしていると言います。4つはデータ分析でビジネスを変える力の鉄則を問うものだから。若手を育成する際にもこの4つを繰り返し、繰り返し問いかけるそうです。

1.その数字にどこまで責任を取れるか?

データ分析者の役割とは端的に言うと数字を作ることです。であるならば作った数字に自分が責任を持てるかどうか。分析結果を出すと、それが大変なプロセスほど満足感も高まります。でも、その数字が本当に正しいのか、計算ミスや分析ミスをしていないか。疑いの目を向ける。自分自身がその数字に違和感がなく納得のいくものかどうか。

なお、「数字が正しいか?」と「予測結果が正しいか?」は少し別の話です。データ分析結果というのはあくまでもっともらしい答えであり、その予測通りになるとは限らないです。責任を持たなければいけないのは、あくまで分析が正確にされているかどうかです。

2.その数字から何がわかったか?

データ分析をした結果、前年比で30%増えた、みたいなことがわかります。ここで注意しないといけないのは、この段階では計算結果に過ぎないということ。本当に必要なのは、この結果から何がわかったかという「解釈」です。解釈は示唆・インサイトなどと表現してもいいですが、数字の意味を具体的に言えるかどうかです。

数字の解釈をするためには、分析の発端である分析課題、仮説、データや分析の前提/制約まで立ち返り、トータルで考える必要があります。数字を数字で終わらせないためにも「その数字から何がわかったか?」と問いかけるのです。

3.意思決定にどのように使えるのか?

データ分析の価値は意思決定のためにどう使えるかです。それなのに、「意思決定にどのように使えるか?」にちゃんと答えられないようなら、それは単なる分析遊びをやっていたにすぎないかもしれません。

著者は、多くの分析者はこの問いに「予測ができるようになった」などと答えると言います。でもこれは答えになっていない。どのように使えるか?の答えとしては、予測ができるようになり何の意思決定にどう使えるようになったかまでを具体的に言える必要があります。

がんばって分析を進め解釈もした、でもそれが意思決定には使えない時ほど無駄なことはありません。これを防ぐためには、いきなり計算や分析プロセスに入るのではなく、自分はこれからどういう問題に対して分析を始めるのか、得られるであろう結果/解釈が意思決定に役立つかどうかをまず最初に考える。そのための問いが「意思決定にどのように使えるのか?」。

4.ビジネスにどれぐらい役に立ったか?

データ分析の価値は意思決定にどれだけ役立ったかですが、ビジネスにおいてはこれだけでは十分ではありません。データ分析からわかったことが実際のビジネスに貢献できたかどうかです。ビジネスへの貢献度を具体的な数字で答えられるのが理想です。単に売上に貢献できましたとかではなく。

データ分析でビジネスに役立つところまで持っていくには、分析をして終わりではなくその結果を役に立てたい、もっと貢献したいという強い気持ちが求められます。意思決定者の立場になり、当事者意識を持つ。意思決定にどう使い、それが実際のビジネスにどう活かされるのか。より具体的にイメージしてみる。この問いかけに対して答えられる時、データ分析者として初めて達成感に浸れるのです。

■その深掘りは、単なる知的好奇心を満たすためにやろうとしていないか?

読んでいる中であらためて自分が問われていると思った1つが、「そのデータ分析は自分の知的欲求を満たすだけのためにやろうとしていないか」でした。

データ分析のプロセスで一般的なのは、大きなところからデータで明らかにし、徐々に詳細や深掘りをしていく流れです。どこを細かく見ていくかを決める際に、その深掘りはデータ分析の目的(設定した課題)と仮説に沿ったものになっているかが本来です。そうではなく、単に自分の好奇心だけのWhy?を知るだけの深掘りになっていないか。課題解決・仮説検証・意思決定につなげる分析は頭ではわかってはいるのですが、いざデータ分析にどっぷり入ってしまうと、ついつい視野が狭くなってしまいがちです。目的やゴールを見失わないようにしなければ、と。あらためて。

★  ★  ★

本書で書かれているのは、データ分析をする際の心得や姿勢と、著者の経験や事例の具体例が中心です。逆に言うと書かれていないのは具体的な分析モデルであったり解析手法です。この本を読んですぐに分析力が向上することは望めないかもしれません。

ただし、本書の心得を理解し、そもそもデータ分析とは何なのか。何のために、どう活用するのか。実際のビジネス課題は千差万別で、分析からわかることも様々。意思決定にどう使い、それがビジネスにどう貢献できるか。このあたりを常に意識しながらデータ分析を進めるのか、それとも単に「数字あそび」をやっているだけなのか。以下のデータ分析での4つの問いは、意識し続けたいと思っています。
  • その数字にどこまで責任を取れるか?
  • その数字から何がわかったか?
  • 意思決定にどのように使えるのか?
  • ビジネスにどれぐらい役に立ったか?




投稿日 2013/05/05

仕事ができると思う人の5つの条件




転職してすぐにやったことは、仕事で自分に関係すると思う人に話を聞きに行くことでした。

30分くらい時間をもらって1対1でミーティングを設定し、その人のチームや組織の話、他の組織との連携、その人の主な業務と問題意識をどこに持っているかなどを共有してもらいます。

様々な人の話を直接聞け理解が進み、自分のことも知ってもらう機会にします。今後も範囲を広げて続けていきたいことです。

色々な人と話をしていると、気づいたことがあります。この人は「仕事ができるな」と思う人に共通する条件です。

具体的には、次の5つです。

  • 前向きな心や向上心を持っている
  • 異なる視点で物事を見て、判断している
  • アイデア出し、具体的な行動をしている
  • リスクをとって挑戦している
  • 成果を意識している

以下、それぞれについてご説明します。
投稿日 2013/04/27

大局観を磨くための3つの視点


今回は、大局観の磨き方です。

この記事でわかること


  • 広い視点でものごとを見られるようになりたい
  • 大局観を磨く方法

ある本に書かれていた大局観を磨く3つの視点を解説します。

仕事でなど、高い視座から、より広い視野でものごとを見たり考えるヒントになると思います。ぜひ、最後まで読んでみてください。

投稿日 2013/04/18

問題解決を一歩前に進めるための 「魔法の質問」


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だいぶ前の話になりますが、参加していたプロジェクトである問題が発生した時のことです。それまではプロジェクトは順調に進んでいましたが、問題が表面化したことでプロジェクト全体のスケジュールに影響を及ぼしかねない状況になりました。

そのプロジェクトでは海外のベンダー企業と一緒にやっていました。問題発生後、急きょ担当者に来日してもらい対応策を考えることになったのです。


「What can I do for you?」 という問いかけ


ベンダー会社の現地メンバーも入り緊急の電話会議をすぐに開きました。来日した担当者が向こうのメンバーに発生状況を伝え、問題の原因究明から着手へ。こちらの期待とは裏腹になかなか打開策が出ない状態でした。そんな状況での電話会議で、来日担当者がある言葉を現地メンバーに投げかけていることに気付きました。
投稿日 2013/04/14

新人の時に毎日のように怒られながら学んだ 「当たり前のことをやり続ける」 ことの大切さ


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今回は、私の社会人1年目の話です。

内容は以下です。

  • 毎日のように怒られていた
  • メンターからの学び
  • 今の振る舞いが自分を形成する
投稿日 2013/04/13

新人研修で学んだ 「事前準備」 の大切さ


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最近、自分の会社の新入社員からインタビューを受けました。


業務を理解するためのインタビュー研修


社内インタビューは、新人研修のプログラムの1つです。目的は、各部署の先輩社員にインタビューをして業務をより具体的に理解することです。

社内組織・お客さんとの関係・仕事内容をチームごとにインタビューをします。研修内で互いに発表し、会社の全体像を把握することを目指します。去年もインタビューを受けたので、今年は2回目でした。

この企画は毎年やっていて、自分が新人の頃からありました。

当時、ある幹部の方にインタビューをさせてもらいました。インタビューをまとめた発表資料をその方にも共有した後、1通のメールを返信いただきました。メールに書いてあったことは、その後の自分の仕事をする上でずっと大切にしていくことになる言葉でした。

「よいインタビューを行うためには、事前準備が肝要です。」
投稿日 2013/03/31

会議を充実させるために大切にしている3つのこだわり

プロジェクトマネジメントをやっていて、こだわりたいと思っているのが「会議」です。

会議は、プロジェクトを前に進めるために欠かせないものであり、プロジェクトの成否のカギを握ると言っても言い過ぎではないです。

会議というのは、関係者で集まり何か特定の話題について話し合う場です。直接に顔を合わせることでメールや電話ではできないようなコミュニケーションが可能になります。

情報の共有、議論・アイデア出し、何かを決める、など、会議をうまく使うことができればプロジェクトはスムーズに進みます。しかし、有効に活用できなければ、会議の時間をムダにしただけではなく、プロジェクトの進捗自体にも影響しかねません。

今回のエントリーでは、会議について大切だと思っていることを書いておきます。

■ その会議はコストをかける価値を生み出しているか?

会議を考えるにあたり、前提として持っておきたい認識が2つあります。
投稿日 2013/03/24

どれだけタフな交渉でも大切にしたい5つの原則

今の仕事は、あるプロジェクトのマネジメントをしています。この役割になった当初、痛感したのがもっと交渉力をつけないと、ということでした。

プロジェクトを管理するにあたり、社内外の関係者との調整はプロジェクト全体の進捗にも関係します。うまく合意できればスケジュール通りに進み、予算も想定通りでいけます。調整ができないと、スケジュールにひびくだけではなく、プロジェクトそのものにも影響することもあります。

そのために大事だとあらためて感じたのが交渉でした。こちらが考えていることをどう伝えるか、相手の言い分を理解しどこまで組み込むか。

表面的な交渉スキルではなく、そもそもの交渉とは何かから本格的に学ぼうと思ったのをきっかけに、交渉に関する本を何冊か読んでみました。ハーバード流交渉術などの古典的なものから、弁護士等の交渉のプロが書いた本まで、それなりに網羅的に読めたと思っています。今回のエントリーでは、交渉において原則としたい考え方を整理しています。

自分の中で、交渉の原則として大切にしたいポイントは次の5つです。
  • 交渉で大切なのは良い人間関係を築けるか。どれだけ相手とWin-Win・相互満足を目指せるか
  • 交渉相手を尊重し、相手の立場で考える
  • 人と問題を分ける。フォーカスするのは問題点とお互いの利害
  • 自分の感情をコントロールすること
  • 交渉は準備が8割

1.交渉で大切なのは良い人間関係を築けるか。どれだけ相手とWin-Win・相互満足を目指せるか

交渉は相手があってのものです。

複数の交渉に関連する本や実際の仕事を通じて思うのは、交渉相手との協力が不可欠であるということ。「交渉相手=敵」と位置づけるのではなく、あくまで「問題解決のパートナー」とみなす。お互いの立場は正反対でも、交渉を通じてどれだけ良い人間関係が築けるか、信頼し合えるか。この意識がまずは重要だと思います。

交渉では相手がいるということは、目指すべきはどれだけWin-Winが満たせるか。相互満足をいかに高めるかです。

こちらだけの要求が満たされ、相手の要望は叶わないような交渉および結果は、自分サイドだけを見れば成功かもしれませんが、相手と自分の両方で考えると交渉成功とは言えない。あくまでお互いの満足をいかに最大化できるかを目指す。

そのためのベースになるのが信頼に基づく交渉相手との人間関係だと思っています。交渉の本質は人間関係と言ってもいいくらい、交渉プロセスを通じて信頼関係を築いていく。

2.交渉相手を尊重し、相手の立場で考える

交渉でいかに信頼関係を築くか、相手との良い人間関係をつくれるか。そのために大切だと思っているのが交渉相手を尊重することです。お互いに異なる立場、利害を持っているので、交渉では時に相手への不満や納得できないケースも起こります。それでも相手をリスペクトする気持ちだけは忘れないようにする。

尊重するためには、相手の立場でどれだけ考えられるかがポイントになります。どういう立場で交渉に臨んでいるのか、利害は何か。相手の動機。なるべく向こうの立場を具体的に想像すること。

そのためにも相手の言い分や要求はしっかりと聴く姿勢が重要です。スタンスとして、こちらが話すよりも傾聴する・質問をするほうにウェイトを置いたほうがいい。経験からもそう思います。場合によっては向こうの要求は合理的でないと思っても、まずは聴く。とにかく聞く。そして言い分や相手のことを理解しようとする。納得する必要は必ずしもないですが、相手に理解していることを示すことが大事。

聴く姿勢から入ることで、相手の情報を引き出す効果もあります。要求の背景や理由も見えてくるし、話を聞くこと自体で相手に満足してもらうことにもつながると思っています。

リスペクトする気持ちを忘れず、相手の立場で考える、話を聴いて質問を投げかける。コミュニケーションを通じて信頼関係を少しずつ築いていく。一見遠回りかもしれませんが、こうした人間関係が交渉を通じてつくれるかが、結局は満足のいく交渉結果につながると思っています。

3.人と問題を分ける。フォーカスするのは問題点とお互いの利害

交渉において解決しなければいけないのは「問題」です。ついやってしまいがちなのが、問題ではなく相手を攻めてしまうこと。そうではなく、交渉相手と一緒に問題にフォーカスし、解決すべきお互いの共通の問題と位置づけるようにします。問題に対しては厳しい姿勢を取るのに対し、交渉相手には礼儀も含めて丁寧に対応する。

問題について、相手と共通点は何か・相違点はどこにあるのか。問題や利害への相違点については相手と話し、お互いの認識を確認すること。その際に相手の言い分にも耳を傾け、真摯に受け止める、理解を示すことの重要性はさっき書いた通りです。

問題について厳しい姿勢を取るということは、こちらも主張すべきことはきっちりと言うべきです。意見や考えは言わないと伝わらないし、どんなに気まずい雰囲気だろうが伝えるべきことはしっかりと言う。あくまで問題を解決するため、解決できるという前向きな姿勢で臨むことが大切です。

4.自分の感情をコントロールすること

言うが易し行うが難しなのが、交渉中の自分のコントロール。いかに感情や態度を自分で管理できるかです。

交渉とは信頼・良い人間関係を築くこと、相手を尊重する、話を聞いて理解する。これはわかっていても、実際の交渉の場では頭に血が登ることもあるし、利害や意見の隔たりが大きい時は、投げ出したくなることさえあります。その時に、立ち止まって、もしくは一歩下がって、冷静な自分を取り戻せるかどうか。一時の感情に流されずに理性を保てるか。こうした人間力も問われるのが交渉だと思っています。

自分の感情コントロールのためにどうすればよいか。まずは交渉目的に立ち返ることだと思います。交渉で何を決めようとしているのか、どんな結果が望ましいのか。

ハーバード流交渉術の本では「バルコニーに上がる」と表現されていますが、気持ちをその場から離し、あたかもバルコニーから庭を見ているように、交渉から距離を取り客観視してみるのも有効です。イメージとしては、自分が交渉している部屋や状況を、部屋全体が映るカメラで状況を眺めている感じ。その絵を自分の頭の中で思い描いていると、結構冷静になれたりします。

感情をコントロールするために、感情的な意見からは良い結果が生まれないと言い聞かせるのも大切。あとは、休憩を取ってその場から実際に離れることも有効です。トイレに行くだけでも、ちょっとコーヒーを飲むだけでも。

5.交渉は準備が8割

交渉の良し悪しは準備で決まると言ってもいいくらいです。交渉が困難であるほど準備に時間をかけるべき。交渉準備のポイントとしては、
  • 交渉の目的を明確にする
  • 獲得目標を設定する:①理想的なケース、②これ以上は譲歩できない最低ラインの設定、③理想と最低ラインの間の落とし所。落とし所は可能なら複数用意しておくとよい。何が譲れないのか、妥協点は何かを明確にすること。譲れない場合については、最悪、交渉決裂も視野に入れておく
  • 自分と相手の状況を整理:強みと弱みは何か。相手の立場、交渉で求めてくると考えられる主張・要望、相手の利害は何か
  • 代替案や他の選択肢はあるか。代替案はどのタイミングで出すか。すぐに出してもよい案、なるべく出さずに取っておくのか。多くの選択肢を用意して交渉できるとベター
  • 交渉に使える時間を確認する。いつまでに交渉を終え合意する必要があるのか。

★  ★  ★

今回のエントリーでは交渉について、これからも大切にした自分の中での原則を書いています。交渉は相手があってのことだし、当然ながらこの通りにうまくいかないケースもあります。むしろ経験上、すんなりと交渉プロセスが進むほうが少ないです。

交渉って、上司への提案・メンバーへの仕事の依頼・クライアントとの折衝など、いろんなパターンがあると思っています。いずれにも共通していることとして、交渉とは結局のところ自分の人間としての器が試されているということ。あらためて、大切にしたいと思っている交渉の原則は、
  • 交渉で大切なのは良い人間関係を築けるか。どれだけ相手とWin-Win・相互満足を目指せるか
  • 交渉相手を尊重し、相手の立場で考える
  • 人と問題を分ける。フォーカスするのは問題点とお互いの利害
  • 自分の感情をコントロールすること
  • 交渉は準備が8割
このうち、1~4までをできるようにすることは、自分の生き方や価値観が問われるし、人としての成長につながるのではと思っています。交渉については、テクニック的な話からそもそも論まで幅広いですが、これからも5つは大切にしたい考え方です。


最後に、当時、交渉を勉強するために参考にしていた本をいくつかご紹介しておきます。あまり載せすぎてもくどいので5冊ほど。












投稿日 2013/03/17

これからは仕事で役立つことを「仕事以外」から学ぶ時代に。で、どうすれば?




ライフネット生命の出口社長が 日経ビジネスのインタービュー記事 で語っていたことが示唆に富む内容でした。


仕事で役立つことを「仕事以外」から学ぶ


記事では、出口社長は「仕事以外のところから、仕事に役立つことを学ぶしかない」と語っています。ちょっと長めですが、記事 からの引用です。
投稿日 2013/03/02

想定外に対処せよ:プロジェクトマネジメントで大切にしている2つのアプローチ




前回のエントリーでは、プロジェクトマネジメントをする上で大切にしてることを取り上げました。

参考:若々しい脳を取り戻す 「プロジェクトマネジメント思考」 のススメ


好評だったので、今回はその続編として 「プロジェクトマネジメントと想定外」 について書いてみます。

プロジェクトでは予想外のことが起こります。思いもよらないことが次々に発生します。問題が出てきて解決したと思ったら、別の問題が表面化します。解決しても、新たな問題が発生することの繰り返しです。問題がほんと次から次に出てきて、もぐらたたきのような状況です。


そもそも想定外とは何か


想定外への対処の前に、そもそも想定とか想定外とは何かを考えてみます。
投稿日 2013/02/24

若々しい脳を取り戻す「プロジェクトマネジメント思考」のススメ

「脳が冴える15の習慣」という本の帯には次のように書かれています。

「ぼんやり頭をスッキリ晴らす!仕事ができる脳、若々しい脳を取り戻す生活改善マニュアル」

この本は集中力・思考力・記憶力を高めるために、日常生活でちょっとした意識を変えることを提案してくれる内容です。

15の習慣とあり、どれも肩に力の入っていないのが特徴です。例えば、まずは生活のリズムを整える、朝はいつも一定の時間に起きる、などの生活の原点をつくる生活改善です。


プロジェクトマネジメントで大切にしていること


本書のあとがきに、印象的だった言葉があります。

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。