2018/07/14

書評: フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉 (原晋) 。自分で考えられるようにする人間教育


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フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉 という本をご紹介します。



エントリー内容です。

  • 本書の内容
  • 指導の根底は人間形成
  • 自分で考えられる人に


本書の内容


この本は、原監督の大学陸上部でのマネジメント、人材育成が書かれています。以下は、本書の内容紹介からの引用です。

2015年の正月まで、私は一部の熱心な駅伝ファン以外、誰も知らない無名の監督でした。さらに言えば、私の現役時代は箱根駅伝出場、オリンピック出場などという華々しい経歴は皆無。そんな私が、なぜ青学陸上競技部で結果を出せたのか。

それはきっと、営業マンとして実績を積み重ねる過程で、チームをつくり上げるにはなにが必要なのか、人を育てるとはどういうことなのかなど、たくさんのことを学んだからです。そして、それをスポーツの現場に持ち込めば成功するのではないかと思っていたのです。ダメダメだった私だからこそ、今までの常識にとらわれずに、陸上界の常識を打ち破ることができたのだと思います。

ビジネスのグラウンドには、「人と組織」 を強くするノウハウがたくさん埋まっています。ビジネスで培われ、青学陸上競技部で醸成された 「ノウハウ」 が、今度は皆さまのビジネスの現場で一つでもお役に立てられれば、これほどうれしいことはありません。


指導の根底は人間形成


原監督の指導方針の根底にあるのは、人間形成です。


目の前の勝利よりも人間形成を第一にする


読んでいて伝わってくるのは、スポーツ選手よりも前に、人格者に育て上げることを目指していることです。

ビジネスパーソンを経験された原監督の思いは、陸上競技を通して、社会に出ても通用する人間に育てたいというものです。目の前の勝利よりも、人間形成を第一にするほうが、結果的には勝利への近道になるという考え方です。


心底の良い人間


原監督が書いているのは、チーム力を上げてくれる選手は、コツコツと努力ができ 「心底の良い人間」 だということです。

チームメンバーと協力しながら自ら行動できる人、短期的な成長や記録の伸びは小さくても、長い目で見れば組織全体の力を伸ばせることにつなげられる人です。

心底の良い人間になるために、本書であらためて考えさせられたのは 「当たり前のことを続けること」 です。青山学院大学の陸上部の学生にとっては2つあると言い、規則正しい生活と栄養補給です。

心技体で言えば、規則正しい生活は 「心」 を、栄養補給は 「体」 をつくり上げます。心と体のベースがあって、走ることへの技術的な強化する土壌が整います。


自分で考えられる人に


原監督は、自身のビジネスパーソンとしての経験から、陸上競技部の選手たちには自分で考えられる人になってほしいと思っています。

興味深い考え方だと思ったのは、自分で考える癖をつけるために工夫していることです。具体的には、選手には頭から指示を出すのではなく問いかける、考える時間をちゃんと与え仕事を任せ切ることです。

考えることができないことを嘆くのではなく、はじめは問いと考える時間を与え強制的にでも考えさせることによって、人は考える癖がつくというアプローチです。


最後に


本書がおもしろく読めるのは、原監督が自身のビジネスパーソン (営業職) のやり方を陸上競技部の指導に生かしていることです。読者にとっては、原監督や青学陸上競技部のやり方を、例えば自分の仕事でどう使えるかを考えながら興味深く読めます。

ビジネス (原監督の経験) → スポーツ (青学陸上競技部) → ビジネス (読者) という流れです。



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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。