2018/09/30

書評: 破天荒フェニックス - オンデーズ再生物語 (田中修治) 。「なぜ今か」 に答えるリスクテイクの決断


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破天荒フェニックス - オンデーズ再生物語 という本をご紹介します。



エントリー内容です。

  • 本書の内容。ハイリスクハイリターンな攻めの経営
  • なぜ今か
  • 読み手の予想を裏切り続けるストーリー展開


本書の内容


以下は、本書の内容紹介からの引用です。

僕は、「絶対に倒産する」 と言われたオンデーズの社長になった。企業とは、働くとは、仲間とは――。実話をもとにした、傑作エンターテイメントビジネス小説。

2008年2月。小さなデザイン会社を経営している田中修治は、ひとつの賭けに打って出る。それは、誰もが倒産すると言い切ったメガネチェーン 「オンデーズ」 の買収――。

新社長として会社を生まれ変わらせ、世界進出を目指すという壮大な野望に燃える田中だったが、社長就任からわずか3カ月目にして「死刑宣告」を突き付けられる。しかしこれは、この先降りかかる試練の序章にすぎなかった……。

企業とは、働くとは、仲間とは――。実話をもとにした、傑作エンターテイメント小説。

この本は、最後まで飽きずに一気に読めました。

なぜかを考えると、本書のおもしろさは次の2つです。

  • ハイリスクハイリターンな攻めの経営
  • 読み手の予想を裏切り続けるストーリー展開

以下、それぞれについてご説明します。


ハイリスクハイリターンな攻めの経営


この本に書かれているオンデーズの経営スタイルは、超がつくほどのハイリスクハイリターンな経営です。

資金繰りが厳しく、時には資金ショートをし倒産の可能性がある中で、成長のために高いリスクを取り続けます。安定は目指さず、常に攻めの経営です。

リスクの取り方が普通ではありません。失敗すれば資金ショートを起こし、会社として取り返しができない事態を招くものばかりです。リスクを分解すると、想定するマイナスの発生確率が高く、発生した時のインパクトが大きいものです。

ただし、リスクが高く大きな失敗を起こす可能性があるということは、一方で大成功の可能性も秘めます。ハイリスクだからこそのハイリターンです。


なぜ今か


オンデーズの攻めの経営から考えさせられたのは、以下です。

  • リスクを取る重要性
  • 直感と即決
  • なぜ今か

特に興味深かったのは3つめの 「なぜ今か」 です。

本書でのストーリーで、大きなリスクを取ったものは、当時のオンデーズにとっては、どれも早すぎる意思決定に見えました。事実、社長のまわりでは反対の声が常に起こり、社員や現場からは戸惑いや不安が噴出します。

決断した本人も半信半疑です。しかし、そのタイミングで決断をし、少し早いが今だからこそ進めるというリスクを取りにいきます。

リスクを取りチャレンジするタイミングは遅すぎても、早すぎても失敗の可能性は高くなります。本書から考えさせられたのは、少し早すぎる程度のタイミングで、周囲はおろか、本人にとっても半信半疑なタイミングがリスクを取る時だということです。


読み手の予想を裏切り続けるストーリー展開


この本を最後まで飽きずに一気に読めた2つめの理由は、読み手である自分の予想が良い意味で裏切り続けられたからです。

普通の会社であれば、その会社の一生の中で1回あるかないかくらいの危機が、毎年のように発生します。倒産が現実的になる理由は、旧経営陣によるもの、外部環境、自分たちの経営判断の誤りなど、様々です。

読み手を常に飽きさせないスピーディな展開とは、常に受け手にとっては新しく、変化するということです。読み手にとってのストーリーの不確実性が高く、それでいて話の展開が付いていけないわけではなく、バランスの良い読書体験でした。


最後に


本書がおもしろく読めたのは、果敢なリスクテイクとそのタイミングです。

決断する時点では、多くの人が反対し身内からも疑問の声が上がるような状況です。しかし、自分だけは正しいと信じていることです。論理だけではなく、直感により即決して実行をし続ける姿は、読んでいて考えさせられました。



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書いている人 (多田 翼)

複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略のコンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネージャー、マーケター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。