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PR についてです。ビジネスでの PR 戦略をどのようにつくるかを考えます。
エントリー内容です。
- 「伝えたい」 と 「知りたい」 を一致させる
- 共感を呼ぶ PR 戦略のつくり方
「伝えたい」 と 「知りたい」 を一致させる
自社ビジネスや商品・サービスの PR で基本とする考え方は、「伝えたいこと」 と 「知りたいこと」 を一致させることです。
自分たちが世の中に伝えたいことがあり、伝えたい相手にとって、それが知りたいことかどうかです。どちらか片方だけではなく、大事なのは両立できていることです。
共感を呼ぶ PR 戦略のつくり方
PR 戦略をつくるプロセスの全体像は、次の5つです。
- 目的と達成ゴールの明確化
- ターゲット設定 (伝えたい相手は誰か)
- マーケティングの 3C から情報整理
- メッセージ作成と検証
- 実行と評価
以下、それぞれについてご説明します。
1. 目的と達成ゴールの明確化
最初に設定するのは、PR をする目的です。目的という why を明確にします。
目的を設定したら、目的を達成したかどうかを判断するためのゴールを決めます。目的とゴールは、PR を進める際に常に検討や判断の拠りどころになります。
2. ターゲット設定 (伝えたい相手は誰か)
PR をするメッセージを誰に伝えたいかです。伝えたい相手は、メディアを通して自分たちのメッセージを届けたい人です。
ターゲットの設定はなるべく具体化します。具体化すると、この後で進めるメッセージ作成の判断がしやすくなります。
3. マーケティングの 3C から情報整理
PR には、マーケティングの要素が含まれます。マーケティング戦略の 3C の視点 (市場・競合・自社) から、自分たちのポジションニングを分析します。
具体的なフレームは、以下の5つです。
- 顧客になってほしいユーザー設定 [顧客]
- ユーザーが自社商品を選ぶ理由は何か [強み]
- 選んだ時に、他の選択候補は何があったか [競合]
- 自社商品の提供価値は、社内の何によって実現しているか [価値の源泉]
- 提供価値の受け手にとっての意味 [メッセージ]
4. メッセージの作成と検証
メッセージをつくるにあたって、共感 PR - 心をくすぐり世の中を動かす最強法則 という本に紹介されていた切り口が参考になります。
切り口は7つです (本書では8つですが7つにしました) 。
PR したい商品やサービスの特徴が、7つのうち1つでも多く当てはまると、インパクトのあるメッセージが作成できます。
- 新規性:商品やサービスで唯一無二だと言えるものは何か。世界や日本において、初めての試みか
- 優位性:競合や既存のサービスと比べて、明らかに違っていたり、優れていることは何か
- 意外性:知人や顧客に話したら、感心されたり驚かれることは何か
- 人間性:経営者や商品・サービスに関わる人のエピソード、ストーリーは何か
- 社会性:世の中の流行やトレンドに重ね合わせ、人々の興味や関心を喚起できることは何か。社会や世の中の問題解決にどのように役立つか
- 季節性:季節やイベントと関連性がある、または制定されている記念日に関することはあるか
- 地域性:その地域限定やエリアならではの特徴はあるか
7つの順番は PR で強力な順になっています。1つめの 「新規性」 が最も威力があります。7つのうち、まず最初に新規性があるかどうかを確認します。
以上の切り口からつくるメッセージは、自分たちが伝えたいかどうかの視点です。
次に、視点を逆にし、伝えたい相手から見て知りたいメッセージかどうかを見ます。以下の3つのように、大きい順番で確認します。
- 社会:世の中が求めている情報か
- 人 (ターゲット):ターゲットとなる伝えたい相手に本当にアピールできる情報か
- メディア:メディアが取り上げたくなるような情報か
先ほどの7つの切り口から、企業 (自社) の立場で PR 情報を洗い出します。
3つの相手視点で PR 情報を客観的に確認します。このひと手間が、企業側のひとりよがりを防ぎます。「伝えたいこと」 と 「知りたいこと」 を両立させるためです。
5. 実行と評価
実行にあたって次に決めるのは、どのメディアで PR をするかです。設定した伝えたい人 (ターゲット) とメッセージから、どのメディアに載せるとよいかを決めます。
実行する前にもう一つ必要なのは、評価基準をつくることです。どうなれば PR は成功したのかの定義を明確にし、成功かどうかを評価する基準を設定します。
実行後に評価基準によって、何がうまくいき、何が機能しなかったかを検証します。PR の実行途中でも、評価基準に照らし合わせて柔軟に見直します。
最後に
今回は、PR 戦略についてご紹介しました。PR はマーケティングの一部とも見ることができ、さらには経営戦略とも捉えることができます。
だからこそ大事なのは、戦略的な準備と実行です。