今回は、ものごとを抽象化する方法を解説します。
✓ この記事でわかること
- 具体から抽象化する2つのポイント
- 抽象化したら横展開しよう
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「ドコモの ahamo」 と 「営業の仕事」 に見る共通点 (マイナスの差別化)
この記事で書いているのは抽象化する思考法です。
3つのステップで解説しています。3つとは、言語化、一言化、類推化です。
ぜひ最後まで読んでいただき、少しでも参考になればうれしいです。
具体から抽象化する2つのポイント
まずは具体から抽象化するプロセスを見ていきましょう。
ポイントは2つあり、「言語化」 と 「一言化」 です。
1つ目は具体を自分の言葉で言語化します。人に説明するとすれば言葉でどう言えるか、言葉以外にも図や絵での説明でもいいです。
次に一言化です。具体を言語化したことを 「要するにどういうことか」 と考えていきます。一言でネーミングまで抽象化してみましょう。
抽象化したら横展開しよう
言語化と一言化までで抽象化ができました。
ここからもう一歩踏み込んでみるといいです。
抽象化したことを他への横展開です。何か別のことに例えられないかを考えてみます。
例えば、仕事の話をスポーツに例えるとどうなるでしょうか。他にはアニメや漫画、ゲーム、昔話です。一見すると全く別の話すが、奥にある本質から共通点を見出すことによって抽象化思考を高めることができます。
このような抽象化したことを横展開する 「類推化」 が大事です。
* * *
ではここまで見てきた 「言語化」 「一言化」 「類推化」 を、何か具体的な事例に当てはめてみましょう。
ドコモの新ブランド 「ahamo」
ドコモが2020年12月に新ブランド 「ahamo」 を発表しました。
月にデータ通信量が 20GB まで使える2980円のプランです。
特徴的なのは2つあり、キャリアメール (xxx@docomo.ne.jp) が付与されず、説明や契約手続きは Web のみです。ドコモショップなどの実店舗では取り扱われません。
ahamo では 「やらないこと」 を明確にしてターゲットを絞りコストを下げ、「安くスマホが便利に使える」 という価値を提供します。
今回の抽象化思考に話を戻すと、ここまでが 「言語化」 です。
では、次の 「一言化」 はどうなるでしょうか?
ahamo の戦略の一言化
要するにどういうことかを一言で言えば、「マイナスの差別化」 です。
やることを足し算で増やしていったのではなく、引き算から、つまりやらないことを決めて ahamo は他との差別化を実現しました。
ここから、3つ目のポイントの 「類推化」 を見ていきましょう。
仕事への 「類推化」 (営業の例)
マイナスの差別化を仕事に当てはめてみます。
仕事ではあえてまわりと同じことをしない、自分が消耗するだけの競争から降りてみます。仕事でやらないことを決めて、自分の仕事の注力範囲を明確にするのです。
例えば、営業職に当てはめてみましょう。
営業での新規顧客へのアポ取りはやらないと決め、その分を既存のお客さんへのサポートに集中します。
既存のお客さんからの信頼が高まり、新しい顧客を既存のお客さんから紹介されるようになりました。自分から新規アポはしなくても、向こうから既存顧客の信頼によって入ってきます。
やらないと決めたとこによる自分の営業スタイルが確立され、マイナスの差別化ができたのです。
以上がドコモの ahamo の言語化から一言化、そして他への類推化でした。
まとめ
今回は抽象化思考についてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
抽象化思考の3ステップ
- 具体を自分の言葉にする [言語化]
- 言語化を 「要するにどういうことか」 とネーミング [一言化]
- 抽象化したことを他への横展開する [類推化]
抽象化思考の例
- ドコモの新ブランド 「ahamo」 はキャリアメールは付与せず、申込み・契約は Web のみ。ターゲットを絞りコストを下げ、価値を提供する [言語化]
- やらないことを明確にし他にはない価値を提供する 「マイナスの差別化」 [一言化]
- 営業で新規アポはやらず既存顧客サポートを徹底。既存客からの信頼で新規顧客を紹介してもらえるように。やらないことで自分ならではの価値を提供する [類推化]