今回はマーケティングについてです。
✓ この記事でわかること
- 頭の中の選択肢とは
- まとまった30万円をどうする? (選択肢の例)
- 勝負のリングに上がれているか
- 「頭の中の選択肢」 から顧客理解をする方法
今回のキーワードは 「頭の中の選択肢」 です。マーケティングの顧客目線から、市場をどう捉えるかを掘り下げています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
頭の中の選択肢
いきなりですが、「頭の中の選択肢」 とは何でしょうか?
マーケティングの文脈での頭の中の選択肢とは、人が何かをしたい、欲しい、不満や不便を解消したいと思った時に頭の中に思い浮かぶ全ての候補です。
マーケティングにはジョブ理論というものがあります。頭の中の選択肢をジョブ理論に当てはめれば、ジョブという 「片付けたい用事」 や 「済ませたい仕事」 のために雇う候補です。
この選択肢の束を市場とみなします。これは顧客目線での市場を設定する方法です。
では、頭の中の選択肢を具体例で見てみましょう。
まとまった30万円をどうする?
例えば今あなたの手元に、30万円のまとまったお金があるとします。
今すぐに大きな買い物として何か買いたいものは無い場合に、この30万円をどうするかです。この時に30万円の扱いとして、あなたの頭の中にどんな選択肢が浮かぶでしょうか?
イメージをさらに具体化するために三つのパターンで考えてみましょう。
[パターン 1] 銀行への預金
30万円を手元に置いておくよりも、銀行口座に預けようと思ったとします。この時に選択肢は何になるでしょうか?
複数の銀行が、A 銀行、B 銀行、… 、と思い浮かぶでしょう。
[パターン 2] 銀行預金に加え証券会社で運用
銀行へ預ける以外にも、証券会社から金融資産を買うことを考えたとします。個別株はリスクが高いので投資信託を候補に入れました。
この状況での頭の中の選択肢は各銀行に加えて、候補となる投資信託を扱っている証券会社です。
先ほどの銀行預金だけに比べて、証券会社という選択肢が増えました。
[パターン 3] 銀行と証券会社、さらに暗号資産も
銀行預金と投資信託に加えて、ビットコインなどの暗号資産も候補になったとしてます。暗号資産は有名なビットコインやイーサリアムだけではなく多くの種類があります。
ここまでいくと頭の中の選択肢はさらに多様になり、銀行、証券会社、暗号資産取引所です。
* * *
では、「頭の中の選択肢」 について、マーケティングの観点からもう少し掘り下げてみましょう。
リングに上がれているか?
商品やサービスの提供者にとって大事なのは、自分たちは見込み顧客の 「頭の中の選択肢」 の中に入っているかです。
別の表現をすれば、勝負をするにあたってリングに上がれているかです。
頭の中の候補に入っていなければ、まずはリングに上がるところからです。リングに上がれていない要因を分解すると次のようになります。
✓ リングに上がれていない要因
- そもそも知られていない [認知]
- 知っているだけで関心がない [興味]
- その利用シーンにおいて商品・サービスが結びついていない [理解不足]
「頭の中の選択肢」 からの顧客理解
マーケティングで大事なのは顧客理解です。
今回の文脈から考えると、顧客が何かしたいというシーンにおいて 「頭の中の選択肢」 に入っているか、そのシーンとは具体的にどのような状況なのかです。
解像度高く顧客の利用シーンを理解するようにします。
✓ 利用シーンからの顧客理解
- 誰が
- どんな状況で
- 誰の何のために
- その時の頭の選択肢は何で
- 候補の中から何を基準に選ぶのか (判断理由)
これら一つ一つに答えを出していくことが、「頭の中の選択肢」 からの顧客理解です。
まとめ
今回はマーケティングについて、キーワードを 「頭の中の選択肢」 から掘り下げました。
最後に記事のまとめです。
頭の中の選択肢とは
- 人が何かをしたい、欲しい、不満や不便を解消したいと思った時に頭の中に思い浮かぶ全ての候補
- この選択肢の束を市場とみなす。顧客視点の市場設定
勝負をするにあたってリングに上がれているか
- 商品やサービスの提供者にとって大事なのは、見込み顧客の 「頭の中の選択肢」 に自分たちは入っているか
- リングに上がって戦う資格を持っていなければ、リングに上がれていない要因を分解する (認知, 興味, 理解)
「頭の中の選択肢」 から顧客理解をする
- 誰が
- どんな状況で
- 誰の何のために
- その時の頭の選択肢は何で
- 候補の中から何を基準に選ぶのか (判断理由)