投稿日 2021/02/03

差別化の4つの要素を GAFA を例に解説


今回は差別化についてです。

✓ この記事でわかること
  • 差別化とは何か (2つのポイント) 
  • 差別化の因数分解 (4つの要素) 
  • GAFA の差別化

この記事で書いているのは差別化についてです。因数分解した差別化の4つの要素を GAFA を例に当てはめながら掘り下げています。

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。

差別化とは何か


いきなりの質問ですが、差別化とは何でしょうか?

ここでは差別化の意味合いを 「マーケティングの顧客視点」 から掘り下げてみましょう。

差別化のポイントは次の2つです。

✓ 差別化の意味合い
  • 相手 (顧客) が違いを認識している
  • その違いは顧客にとって価値がある

この2つがマーケティングの文脈からの差別化のポイントです。

2つに共通するのは顧客視点です。

提供者側である自分たちが差別化できていると思っても、顧客がそう思わなければ差別化とは言えません。また違いを認識していたとしても、その違いが顧客にとって意味がなく価値につながっていなければ差別化ではないのです。

ではもう少し差別化について深掘りをしてみましょう。


差別化の因数分解


差別化にはどのような要素があるでしょうか?

私が考える差別化の分解は次の4つです。

✓ 差別化の四要素
  • ビジョン
  • プロダクト
  • ユーザー体験
  • ビジネスモデル

4つについてそれぞれ補足しますね。

[差別化 1] ビジョン


1つ目は、背後にある志や信念です。

ビジョンとは心から実現したいと思う1枚の未来像です。ビジョンが他との違いをつくる源泉になります。

企業に当てはめれば経営理念 (ビジョン・ミッション・バリュー) 、商品やサービスではブランドが提供する世界観です。

[差別化 2] プロダクト


2つ目の差別化の要素はプロダクトです。

具体的には商品やサービスそのものです。抽象化すれば提供者側がつくったものです。

顧客に提供するモノで差別化をします。

[差別化 3] ユーザー体験


3つ目の要素はユーザー体験です。

顧客がプロダクトを利用することによって得られる価値です。

買ったり利用する前にもユーザー体験はあります。購入後のアフターサービスも含まれます。

[差別化 4] ビジネスモデル


差別化要素の4つ目はビジネスモデルです。

ここまで見てきた4つの差別化の要素の中で、ビジネスモデルは顧客にとって見えにくいものです。お金や情報、人の流れで価値を生み出し、収益化するための仕組みだからです。

ビジネスモデルで差別化ができると、結果的に顧客への提供価値が高まります。具体的にはより安価になる、対応スピードの向上、より便利になります。

* * *

では以上の差別化の四要素を具体例で見るために、GAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) を例に当てはめてみましょう。


GAFA に見る差別化要素


差別化の因数分解とは次の4つでした。

✓ 差別化の四要素
  • ビジョン
  • プロダクト
  • ユーザー体験
  • ビジネスモデル

では4つについて、GAFA に当てはめてみましょう。

[差別化 1] Apple のビジョン


1つ目のビジョンは Apple です。「Think different」 がまさにです。Apple には他社にはない世界観があります。

iPhone や Mac には独自性があり、Apple 自体が持つ思想に惹きつけられます。

[差別化 2] Google と Apple のプロダクト


プロダクトで差別化ができていると思うのは Google と Apple です。

Google のプロダクトである検索や Google マップ、共通して使われている AI 技術は常に進化しています。

Apple のプロダクトでなる iPhone や iPad 、Mac も洗練されたプロダクトです。他社にはできないプロダクトの独自性があります。

[差別化 3] Amazon のユーザー体験


一人の消費者として Amazon のサービスでよく使うのはネット通販です。

Amazon がユーザー体験の向上で徹底していると思うのはカスタマーサービスです。

一般的にはカスタマーサービスの対応は良く言って普通、時にはこちらを不快にさせるような対応をされることもあります。

しかし Amazon のカスタマーサービスでは、私自身の経験では嫌な思いをしたことはありません。確かにやり取りが続きすぐには解決しないこともありましたが、最終的には納得のいく対応をしてもらっています。

こうしたユーザー体験の蓄積が、迷ったら Amazon で買っておこうという選択につながっています。

[差別化 4] Google と Facebook のビジネスモデル


Google と Facebook に共通するのは、これを無料で提供してもらえるのかという驚きです。

ユーザーに無料提供ができるのは広告事業という盤石なビジネスモデルがあるからです。Google には月間10億人ユーザーを超えるサービスをいくつもあり、Facebook ユーザーは世界で20億人を超えています。

このような規模のサービスを無料提供できるのは、広告収入がありその収益が会社の事業活動と未来への投資に注いでいるからです。


まとめ


今回は差別化についてでした。

最後に記事のまとめです。

差別化とは何か (2つのポイント) 
  • 相手 (顧客) が違いを認識している
  • その違いは顧客にとって価値がある

差別化の四要素
  • ビジョン (志や信念, 未来像, 世界観) 
  • プロダクト (提供者側がつくり顧客に提供するモノやサービス) 
  • ユーザー体験 (利用から得られる価値, 買う前の体験, アフターサービス) 
  • ビジネスモデル (価値を生み出し収益化するための仕組み) 

GAFA の差別化
  • Apple のビジョン (Think different) 
  • Google の高技術のプロダクト, Apple の洗練された iPhone
  • Amazon のカスタマーサービスでのユーザー体験
  • Google と Facebook の広告ビジネスモデル (広告で稼ぎサービスの無料提供) 

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。