2021/02/13

プロダクトライフサイクルを使ったキャリア形成の方法



今回はビジネスキャリアです。


この記事でわかること


  • プロダクトライフサイクルとは
  • キャリアへの応用
  • 自分のスキルを客観的に可視化しよう


この記事はマーケティングとキャリアの2つのテーマの掛け合わせです。

記事の前半ではプロダクトライフサイクルをご紹介します。後半はビジネスキャリアへの横展開を考えて、キャリアのつくり方を見ていきましょう。

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考になればうれしいです。


プロダクトライフサイクルとは


プロダクトライフサイクルを図で表すと以下のようになります。

引用: R-CONNECT


プロダクトライフサイクルとは製品が市場に投入されてから、売上を伸ばし、その後は次第に売れなくなり売場や市場から姿を消すまでのプロセスです。市場での製品へのニーズの寿命を示しています。

先ほどの図のように横軸を時系列推移、縦軸を売上 (または利益) にした時に、プロダクトライフサイクルは曲線を描きます。

ライフサイクルの段階は4つあり、導入期、成長期、成熟期、衰退期です。この4つは人のライフステージとも同じですよね。

* * *

プロダクトライフサイクルは製品開発やマーケティングだけではなく、個人のレベルでも活用することができます。


キャリアへの応用


個人への当てはめとして、ビジネスキャリアへの応用を考えてみましょう。具体的には専門スキルの習熟です。

自分が持っている専門スキル、これから取り組むスキル獲得について、プロダクトライフサイクルの4つのステージで分けてみるといいです

では導入期、成長期、成熟期、衰退期を順番に見ていきましょう。


[ステージ 1] 導入期


新しいスキルを獲得するために取り組み始めた段階です。

導入期ではまだ分からないことが多く、試行錯誤をやっています。スキルからの成果もまだ出せていません。


[ステージ 2] 成長期


導入期を終えると次が成長期です。

これまでやってきたことがスキルとして花開きます。

やればやるほど身についていくので自分の成長が実感でき、成果も伴ってきます。成果から実績にもつながります。

この状況を例えるなら、飛行機が大空へ離陸し、空高く飛行体勢に入っていきます。


[ステージ 3] 成熟期


成熟期は、専門スキルとしておおよそ確立した段階です。

自分の強みの源泉として安定的に発揮できています。飛行機は一定の高度で安定飛行を続けているイメージです。


[ステージ 4] 衰退期


では四段階目の衰退期です。

以前は専門スキルとして活用していましたが、その後しばらく使っていないような状態が衰退期です。このまま使わない状態がさらに続くと、スキルは錆びついてしまうことに注意が必要です。

これを防ぐために、昔のスキルは意図的に使う機会をつくるといいです。


スキルの 「世の中的なステージ」


ここまでは新しいスキルを獲得する時に、自分のスキル習熟度合いをプロダクトライフサイクルに当てはめました。

専門スキルの獲得をプロダクトライフサイクルで見る視点は、もう1つあります。客観的にそのスキルが市場ではどのポジショニングにあるかの見極めに使えます

大きくは2つです。

従来からありプロフェッショナルの専門家は非常に多数いる状態が、プロダクトライフサイクルで言う後半の成熟期 (または衰退期) です。これだけのスキルでは他の人との差別化は難しいです。

一方でスキルそのものが新しく、自分以外の誰もがこれから取り組んでいく状況では、スキル保有者として先行者利益が狙えます。これはスキル自体が市場において導入期や成長期の段階です。

ここまでは抽象的な内容だったので、具体例でマーケティングの広告スキル・知見に当てはめてみましょう。


成熟期の広告スキル


まずはプロダクトライフサイクル後半の成熟期のスキルからです。

従来からある広告のスキルは、どれだけ広告を投下しマスで話題性を生み商品・サービスの認知からを高められるかです。

テレビの出稿量 (GRP) に合わせて店頭展開をします。お店の定番棚で目につきやすく消費者が手に取れる、エンド棚の山積みを確保し店頭で目立つようにします。

では、広告で求められる新しいアプローチやスキルはどうなるでしょうか?


導入・成長期の広告スキル


テレビだけ、Web 広告だけではなく、テレビと Web 広告の全体最適化です。

全体の広告予算を最適配分し、売上への効果を最大化させます。さらに、広告と販促 (例: チラシ) を連動させるマーケティングコミュニケーション設計です。

一時的な広告の大量出稿ではなく、また一方向でのコミュニケーションでもありません。消費者からも自発的に商品やサービスの発信 (シェア) がされ、時には企業側が意図しなかった自然発生的な現象も含めた話題づくりです。

こうしたスキルはマーケティングの業界でもまだ確立していません。プロダクトライフサイクルで言う導入期と成長期に入っていく段階です。


まとめ


今回はプロダクトライフサイクルとキャリアの掛け合わせでした。

最後に記事のまとめです。


プロダクトライフサイクルとは
  • 製品が市場に投入されてから売上を伸ばし、その後は次第に売れなくなり、売場や市場から姿を消すまでのプロセス
  • ライフサイクルの段階は4つ。導入期、成長期、成熟期、衰退期


[キャリアへの応用 1] スキル獲得の四段階
  • 新しいスキルを獲得するために取り組み始めた試行錯誤の段階 [導入期]
  • これまでやってきたことがスキルとして花開き、実績ができる [成長期]
  • 専門スキルとして確立。強みの源泉として安定的に発揮 [成熟期]
  • しばらく使っていない状態。このまま使わないとスキルは錆びついてしまう [衰退期]


[キャリアへの応用 2] スキルの 「世の中的なステージ」
  • 客観的にそのスキルが市場ではどのポジショニングにあるかの見極めに使える
  • スキルそのものが新しく、自分以外の誰もがこれから取り組んでいく状況が導入期や成長期。スキル保有者として先行者利益が狙える
  • 従来からありプロフェッショナルの専門家は非常に多数いる状態が成熟期または衰退期。これだけのスキルでは他の人との差別化は難しい


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。