#勉強 #習慣 #生き方

成績アップ率 96.6% という驚異的な実績を誇る 「くにたて式」 中学勉強法。

20 年以上支持され続ける理由は、単なる勉強テクニックにとどまらないからです。そこには、スティーブン・コヴィーの『7 つの習慣』という普遍的な成功原則が隠れていました。

今回は、國立拓治 (たくじ) 氏が提唱する 「くにたて式」 中学勉強法と、世界的ベストセラー『7 つの習慣』を掛け合わせた学習方法をご紹介します。

 「くにたて式」 中学勉強法

中学生の勉強方法である 「くにたて式」 は一言でいうと、生活習慣 (特に睡眠) を土台に、学習を習慣化し、学校教材を徹底的に反復することで、できないことをひとつずつできるに変える学習法です。

提唱者の國立拓治氏は、愛知県と兵庫県でさくら個別指導学院を運営し、20 年超の指導経験から得た知見を体系化しました。

勉強へのやる気が出たらやるのではなく、先に行動して、やる気 (気分) は後からついてくるという考え方で、何よりも習慣化を重視します。生活習慣という土台の上に、正しい勉強法を積み上げるアプローチです。

土台となる生活習慣と勉強習慣

國立氏は、成績と睡眠時間は比例すると断言します。

どんなに優れた勉強法も、脳が働いていなければ無意味です。

具体的には、親子で決めた絶対就寝時間 (例えば 23 時) を守り、8 時間睡眠を確保することを推奨しています。日中の集中力・授業の吸収・家庭学習の継続を、気合ではなく睡眠の設計で支えるという発想です。

学年で成績トップの生徒ほど早く寝て (23 時前後) 、生活のリズムができています。勉強時間が足りないから睡眠を削るは悪手です。削るべきはスマホやテレビの時間なのです。

習慣化の実装として、次のような打ち手が整理されています。

  • 勉強開始の時刻を固定する (例:夕食後すぐなど) 
  • 自学 5 分から開始し、小さく始めて継続のハードルを下げる
  • 学校教材を 1 つずつ確実に進める。あれこれ手を広げない
  • 誘惑 (スマホ等) を遠ざける。意志の力に頼らず環境を整える
  • 進捗をチェックすることで見える化する

勉強の本質

くにたて式で重視する考え方は、勉強とは、できなかったこと (✕) をできること (〇) に変えることだということです。

多くの生徒は解けなかった問題の 「✕」 を嫌がりますが、くにたて式ではマインドセットを変えます。「✕」 を残したままテストに臨むことこそがダメであり、ワークを解いて 「✕」 がついた問題こそが、成績が上がるチャンスが見つかった時と捉えるわけです。

わからない時に教科書を見たり、解説を読みながら書いた答えはノーカウント。何も見ずに、自力で正解を書き出せたものが 「◯」 であり、その問題の完了とみなします。

復習と予習

中学生は多忙です。だからこそ、くにたて式では学習の基本は復習に置きます。

理想の復習サイクルは 1 単元で 4 回の学習です。

塾に通う場合は、「塾 (予習) → 学校 → 教材 → 教材」 の 4 回です。塾に行かない場合は、学校で習ってから 7 日以内に学校配布のワークに取り組むことで、同等の効果が得られるとします。

予習は余裕がある場合に行います。そして予習も全教科で満遍なくではなく、英語や国語の語学系の予習を優先します。特に英語は単語の意味がわからなければ授業が理解できないためです。

教科ごとの勉強法

くにたて式では、市販の参考書や高額な教材よりも、まず学校で配られるワーク (問題集) を徹底的にやり込むことを推奨します。

教科ごとに見ていくと、英語は、暗記を思い出す練習に変えます。単語・文法は小テスト形式で回し、学校教材 (教科書・音源等) を軸に、「音読 → 意味確認 → テスト」 の順番です。

数学は、問題を解けるかどうかを基準にし、間違えた問題を 「◯」 にできるまで繰り返します。

計算は正確さを上げてからスピードを上げることが大事です。計算の途中式も余白をつくり余裕を持って書き、指差し確認をするといいでしょう。数学の文章題はマトリクスの表にして整理する方法が効果的です。

国語は、文章題では問題の答えの根拠 (本文のどこを参照したのか) を見つける癖をつけます。漢字・語彙は英語同様に、小テスト型 (書いて思い出す) とします。

理科と社会は、インプット (知識の理解と暗記) とアウトプット (問題演習) を繰り返します。問題集やワークを反復し、図や流れを書いて覚え、スキマ時間を活用した暗記、そして自分なりの説明を試みることが効果的です。

* * *

では、くにたて式の勉強方法について、着想を広げて、さらに掘り下げて考えてみます。

 「くにたて式」 中学勉強法 × 「7 つの習慣」 

スティーブン・コヴィー博士が提唱した成功哲学『7 つの習慣』。

7 つの習慣を國立拓治氏の 「くにたて式」 に当てはめることで、中学生が成績を上げるためのプロセスが、より深く、人生の教訓として理解できるのです。

第 1 の習慣から順番に見ていきましょう。

[第 1 の習慣] 主体的である

勉強を、親や先生にやらされるものから、自分のために自らやるものへと発想転換させることが大事です。

まず生活習慣への主体性として、睡眠の確保が重要です。時間がなくて睡眠時間を削るというのは受け身的な、反応的なあり方です。主体的な生徒は、自らの勉強の成果を最大化するために、23 時就寝・8 時間睡眠を守ります。睡眠時間を削るのではなく、起きている時間の質を高めることを選択するわけです。

勉強習慣への主体性として、やる気に頼らない仕組みをつくり、自学を習慣化します。

やる気が出たらやるというのは、いわば自分の感情に支配された状態です。くにたて式では、やる気に頼らず、習慣に頼ることを徹底します。まるで歯磨きのように、感情に関係なく机に向かう自学の姿勢こそが、主体性の表れなのです。

[第 2 の習慣] 終わりを思い描くことから始める

第 2 の習慣である 「終わりを思い描くことから始める」 を勉強に当てはめれば、まずゴールを設定し、そこから逆算して計画を立てるということです。

普段の勉強における終わり (ゴール) とは、すべての問題集やワークの問題が自力で解けて 「✕」 から 「〇」 の状態になっていることです。

テストや成績の目標設定においては曖昧にせず、各教科のテストで何点をとるか、定期テストで学年何位をとるか、県内模試でどのくらいの偏差値を目指すか、志望校の合格水準に達しているかという明確なゴールを描きます。

そしてゴールから逆算して、今の行動を決定します。

定期テスト前日に慌てないために、定期テストの 3 週間前からテスト勉強を始め、1 週間前にはワークを 1 周終わらせる、3 日前には解き直しを完了するなどのくにたて式のスケジュールに沿って、日々の勉強に取り組みます。

[第 3 の習慣] 最優先事項を優先する

重要事項を優先し、時間の使い方を管理することで、中学生の勉強でも第 3 の習慣が実践できます。

中学生の毎日は忙しいです。平日は朝から学校、放課後は部活、くたくたに疲れた後に塾や学校の宿題。そんな中で友だちとの連絡もしたい。だからこそ、日々の時間の使い方に優先順位をつける必要があります。

くにたて式が提示する優先順位は、「睡眠 → 勉強 → 部活 → 遊び」 です。これが逆になると、勉強という観点では失敗します。遊びや部活を優先し、本来最も大事な睡眠を削ることになり、とても勉強どころではありません。成績が優秀な生徒は、まず睡眠と勉強時間を確保し、残った時間で遊びます。

科目や学習内容にも優先順位があります。あれもこれも手を出すのではなく、学校の教科書とワークという最重要事項 (大きな石) を最初にスケジュールに入れます。

また、テスト勉強では、暗記系の科目は後のほうにまわし、先に数学や英語などの理解が重視される科目から始め、その後に理科、社会、国語という順番で取り組みます。

[第 4 の習慣] Win-Win を考える

第 4 の習慣については、親子関係における Win-Win を目指します。親子での関係を決して対立とはならないようにし、協力へ変えるのです。

勉強を巡る親子関係は、「Win - Lose」 という、親が無理やりやらせる、子どものやる気を削ぐ状態になったり、「Lose - Win」 となる子どもがサボって親が諦めるという関係になりがちです。

これをお互いの勝利となる Win-Win に変えます。子どもの成績アップは、子ども自身の自信 (Win) であり、親の喜び (Win) にもつながるというふうにです。

そのためには親子での役割分担を明確にすることが有効です。

親は勉強を干渉したり強制するのではなく、環境を整える (スマホルールや食事・睡眠のサポート) ことに徹します。子どもは主体的に学ぶことでそれに応えます。お互いが自分の役割を果たすことで、家庭内に Win-Win が生まれます。

[第 5 の習慣] まず理解に徹し、そして理解される

第 5 の習慣である 「理解してから、理解される」 は、質問力と自己分析に当てはまります。

問題でわからない時に、ただわかりませんと丸投げするのは、自分自身を理解していない状態と言えます。

問題を解いて間違え、わからない場合、まず自分で解答と解説を読み、自分はどこまでわかっていて、どこからわからないのかの理解を明確にします。そして自分のわからないことを理解してから、先生や友だち、親に質問するという順番です。

効果的な質問として、「ここまでは理解できたのですが、次のところがなぜこうなるかわかりません」 のように質問することで、質問を受けた相手 (先生など) は、自分のことを理解してもらえます。

だからこそ質問や不明点について的確に教えることができ、結果として自分の中で 「✕」 が 「〇」 に変わるという状態に行き着けます。

[第 6 の習慣] シナジー (相乗効果) を創り出す

第 6 の習慣である 「シナジーを創り出す」 を勉強法に当てはめると、各教科ごとをバラバラに捉えるのではなく、学習効果を全体として最大化するというものです。

各教科をバラバラに捉えるのではなく、くにたて式という共通の型を習得することで、全教科の成績が底上げされます。

具体的には、くにたて式の勉強法の共通点として、理解 (インプット) をして、演習問題で活用 (アウトプット) することで、記憶や理解を定着させるというものがあります。また、同じワークを 3 回繰り返すことは、どの教科にも共通します。

各教科の知識やスキルの相互作用も起こります。

例えば、国語で培った論理的読解力は数学の文章題や英語の長文読解を助け、数学的な思考は理科の物理や化学で役立ちます。また、社会で培った背景理解は現代文の読み解きに活きることでしょう。

くにたて式の勉強方法の型を極めることが、全体の成果がシナジーとなって現れるのです。

[第 7 の習慣] 刃を研ぐ

最後の第 7 の習慣である 「刃を研ぐ」 は、くにたて式の学習方法を継続し、努力によって自分という資産を磨き続けることです。

学校が休みの長期休暇 (夏休みや冬休み) の期間は、自分の刃 (学力・精神力) を研ぐ絶好の機会です。苦手分野の復習を行い、新学期に備えて切れ味を高めます。

くにたて式が目指すのは、テストの点数アップ以上に、努力できる人間になることであり、努力できるという才能の開花です。

毎日の生活習慣を整え、地道にコツコツと勉強を続ける。自ら学ぶ経験を通じて得た、自分は努力すれば成長できるという達成感や自己効力感、自己肯定感。これらは、中学の勉強や高校受験だけにとどまらず、その後の人生を切り拓く最強の刃となります。

中学の勉強を通した人格形成

くにたて式の中学勉強法は、単なる暗記術や成績アップのためのテクニックではありません。

生活・勉強習慣 (第 1 ~ 3 の習慣) を整え、周囲と良好な関係を築き (第 4 ~ 6 の習慣) 、継続的に自己研鑽する (第 7 の習慣) という、人格形成と自己管理の実践そのものです。

だからこそ、くにたて式の方法で学んだ中学生は、高校、大学、社会人とライフステージが変わっても活躍できる一生モノの力を手に入れられます。

まとめ

今回は、「くにたて式」 中学勉強法と 「7 つの習慣」 をかけ合わせた学習方法を考えました。

学びのポイントをまとめておきます。

  • やる気に頼らず習慣をつくる。まずは 「23 時就寝・ 8 時間睡眠」 の生活習慣から整えることで、やる気という感情に左右されない安定した学習が実現できる
  • くにたて式の勉強の本質は、解けなかった 「✕」 を自力で正解できる 「○」 に変えること。学校のワークを徹底的に反復し、自力で解けるまで繰り返す
  • 生活習慣への主体性、勉強習慣への主体性から、やらされる勉強から自らやる勉強とする
  • 明確なゴールを設定し、そこから逆算して計画を立てることで、日々の行動に意味が生まれる
  • 優先順位を明確にし、「睡眠 → 勉強 → 部活 → 遊び」 の順番で重要事項を最優先することで、主体的に時間の使い方を管理する。限られた時間を最大限に活用できる
  • 親子で 「親は環境整備、子は自学」 という役割分担をし、親と子どもの Win-Win の関係を目指す
  • わからない箇所を自己分析してから質問することで、相手 (先生) に理解され、的確な指導を受けられる。自分はどこまでが理解でき、どこからがわからないのかを明確にできれば、質問を受けた相手は、自分のことを理解してくれる
  • くにたて式という勉強の型を習得し、各教科に横展開することで相乗効果が生まれる。全体の成果が最大化される
  • 継続的に自己研鑽を続けることで、テストの点数以上の 「努力できる自分」 という一生モノの資産 (刃) が得られる