2019/04/05

書評: THE CULTURE CODE - 最強チームをつくる方法。強いだけのリーダーの時代は終わりを迎える




今回ご紹介したい本は、THE CULTURE CODE - 最強チームをつくる方法 です。





  • どんなことが書かれている本?
  • 最強のチームをつくる方法とは?
  • この本を読んだほうがいい?

こんな疑問に答える内容で書評エントリーを書きました。

 「強いリーダーがチームを率いるのは時代遅れである」 と聞けば、どう思いますか?

今回ご紹介する書籍 THE CULTURE CODE - 最強チームをつくる方法 が言わんとするのは、強いリーダーの時代は終わりを迎えつつあるということです。

ここ最近の組織やチームマネジメントの潮流を感じさせる本で、興味深く読めました。

おもしろく読めたので、興味のある方はぜひ読んでみてください。自分のリーダーシップに自信がないと思っている方ほど、役に立つ本だと思います。


この本のシンプルなメッセージ


本書のメッセージはシンプルです。

チーム力を高めるには、次の3つが必要だということです。

  • 安全な環境
  • 弱さの開示
  • 共通の目的


[チーム力を高める 1] 安全な環境


自分はこのチームにいてよいと思える、チームメンバーから受け入れられていると感じられることです。専門用語では 「心理的安全性のあるチーム」 です。

メンバーそれぞれの個性が認められ、尊重されます。ありのままの自分でいられる環境なので、これからも自分はいられると感じられる安心感があるチームです。


[チーム力を高める 2] 弱さの開示


3つのうち、私が最も興味深いと思ったのが 「弱さの開示」 です。

自分の弱みをお互いに見せ合うチームが、チーム力を高めると本書では言います。自分を必要以上に強く見せず、大きな存在になろうとしません。あくまで自然体で、時には小さな自分で良しとします。

自分の弱さや欠点を共有し合えば、1つめの 「安全な環境」 につながります。


[チーム力を高める 3] 共通の目的


チームに求められるのはメンバーで共有された目的です。

ただし、壮大な目的であったり、斬新な目的である必要はありません。「お客にとって居心地のよい場所を提供する」 というようなものでよいのです。

重要なのは、メンバーの誰もが目的を理解していることです。


日頃の積み重ねで文化ができる


本書のキーワードの1つが 「シグナル」 です。

シグナルとは、例えば 「あなたの話を聞きたい」 「あなたと一緒に働きたい」 などの、普段からの何気ない仕草や振る舞い、言動です。

チームメンバーが出すシグナルによって、チームの雰囲気や文化は良くもなるし、悪くもなります。

シグナルの積み重ねが、安全な環境や弱さの開示につながります。


良いチームに見られる特徴


3つである 「安全な環境」 「弱さの開示」 「共通の目的」 があるチームには、以下のような特徴が見られます。


良いチームに見られる特徴
  • 会話が多い
  • アイコンタクト
  • 物理的距離が近い
  • 人の話をさえぎらない
  • お互いに質問が多い
  • ユーモア、笑いが絶えない
  • 礼儀や親切を忘れない
  • ちょっとしたことでも 「ありがとう」 を言い合える


 「弱さの開示」 で思ったこと


先ほど書いたように、チーム力を高める3つの要素のうち、私が最も興味深いと思ったのが 「弱さの開示」 でした。

具体的に思ったのは、次の3つです。

  • リーダーこそ弱さも見せる
  • 弱さがチームを強くする
  • リーダーの役割

以下、それぞれについてご説明します。


[思ったこと 1] リーダーこそ弱さも見せる


この本が強調しているのは、リーダーこそ自分の弱さや欠点をメンバーに見せると良いということです。

人は、本能的には自分の弱みは人に見せたり言いたくないものです。

しかし、お互いに弱みを見せ、理解し、そして補い合うことによってチームは強くなります。そもそもチームとは、一人ではできないことを皆で協力してできるようになる人の集まりです。つまり、弱みを見せることが、お互いに協力するチームになっていきます。

だからこそ、リーダーこそ積極的に自分の弱みも見せるべきなのです。

リーダーがまず最初に自分の弱みや欠点もオープンにすれば、他のメンバーは 「安全な環境」 だと感じます。ここでは、自分は強がらなくてよい、自分を誇示しなくても大きく見せなくても、ありのままでいてよいというシグナルになります。


[思ったこと 2] 弱さがチームを強くする


弱みを見せ合うような文化になるかは、相手の弱みを知ったり受け取った人が、次にどう反応するかです。

自分も同じようにチームに弱みを見せられれば、チーム内で弱みを見せる文化になります。

人が本能的に自分の弱みを見せたくないというのは、人が本来持っている生存本能からでしょう。個で生きていくためには、敵に弱さを見せると襲われるリスクを下げるためです。

一方で、個ではなくチームになり、皆で協力すれば生存確率を高めることができます。弱さを見せることは人の本能に逆らっていると同時に、組織として人の生存本能を安心させます。

ここに、弱さの開示の奥深さを思いました。


[思ったこと 3] リーダーの役割


リーダーは強さの中にも弱さがあるという両面が人を惹き付ける魅力になります。

全ての面において弱さや欠点があればリーダーの役割は果たせないでしょう。メンバーから見て、どこかに付いて行きたいと思える要素があることが、リーダーには求められます。

ただし、何事にも完璧で欠点のない人は、憧れはあるとしても自分が助けたいとは思えないでしょう。ここにリーダーの立ち位置の難しさがあります。

弱さや欠点が、どこか憎めないような、つい応援したくなる魅力があるか、こうした人間性が今の時代には求められると思います。複雑で、変化のスピードが早く、曖昧な世界においてです。


まとめ


最後にまとめです。

  • 本書のメッセージはシンプル。チーム力を高めるには3つが必要。
    ① 安全な環境
    ② 弱さの開示
    ③ 共通の目的
    安全な環境は、自分はここにいてよいと思えること。弱さの開示はお互いに弱さを見せ合い、チームで協力する雰囲気ができる。共通の目的で大事なのは皆が理解し合っていること

  • 3つで興味深いと思ったのは 「弱さの開示」 。お互いに弱さや欠点を見せ合うことが、チーム内の協力につながる。さらに安全な環境をもたらす。
    リーダーこそ自分の弱さをオープンにする。相手の弱さを見た人が自分の弱さを見せれば、チーム内で弱さの開示をする文化になっていく

  • 安全な環境、弱さの開示、共通の目的をつくるのは日頃からの 「シグナル」 。あなたの話をもっと聞きたいなどの、ちょっとした仕草や振る舞い、言動の積み重ねがチームの雰囲気や文化に影響を与える


最後に


今回は、THE CULTURE CODE - 最強チームをつくる方法 という本をご紹介しました。読んで思った、この本のメッセージを一言で言えば 「強いリーダーの時代の終焉」 です。

読んでいただきたいのは、普通のリーダーです。リーダーではなくても、自分は普通だと思う人です。

カリスマリーダーではないから、強いリーダーを持たないからこそ、最強のチームをつくることができます。




THE CULTURE CODE - 最強チームをつくる方法

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書いている人 (多田 翼)

複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略のコンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネージャー、マーケター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。note も更新しています。

内容は個人の見解です。