2019/04/10

書評: THE VISION - あの企業が世界で急成長を遂げる理由 (江上隆夫) 。ビジョンとは何かが腑に落ちる本




今回ご紹介したい本は、THE VISION - あの企業が世界で急成長を遂げる理由 (江上隆夫) です。





  • 何が書かれている本?
  • そもそもビジョンって何?
  • 20世紀最高のビジョンとは?

こんな疑問が解消できる内容を書きました。

おもしろく読め、メモをたくさんし読み返しました。ビジョンとは何か、なぜビジョンを持つことが大事なのか、どうやってビジョンをつくるかがわかりやすく書かれている本です。

この記事も参考に、ぜひ読んでみてください。


この本に書かれていること


以下は、本書の内容紹介からの引用です。

Amazon や Apple など世界的に急成長を遂げている企業の多くが明確なビジョンを掲げている。ビジョンをお題目にせずに、本物のビジョンをもつ企業だけが、成長を続けられるのだ。

どんなビジョンが成功に導くのか、どうすれば真のビジョンを作れるのかなどを豊富な事例を挙げながら解説。

この本に書かれていることは、大きくは3つです。


本書の内容
  • ビジョンとは何か (What)
  • なぜビジョンは大切なのか (Why)
  • ビジョンをどうつくるか (How)


3つの中で興味深く読んだのは、なぜビジョンが大切なのか、ビジョンとは何かです。


ビジョンの役割


ビジョンを持つことの重要性は、以下です。


ビジョンの役割
  • 目指す目的が明確になる。自分 (たち) が存在する意義を持て、未来を見据えることができる
  • 行動の原動力になる。内側からのモチベーションになる
  • 判断や行動の基準にある。自分の軸ができる


ビジョンとは何か


ビジョン (vision) の英単語を見ると、vis と ion に分かれます。「vis」 という接頭語には 「見る」 という意味があります。接尾語の 「ion」 の意味は、「こと」 です。

Vision とは端的には 「見ること」 という意味です。

ビジョンを一言で言えば、「ありたい未来像という一枚の絵」 です。

私がこの本を読んで最もよかったと思ったのは、ビジョンのポイントが何かを自分の言葉にできたことです。

具体的には、次の4つです。


ビジョンのポイント
  • 自分の意思で心から創りたいと思う未来 (世界観) 。わくわくし情熱が持てる
  • そうであったら本当に素晴らしい未来 (まだ実現していない世界観)
  • 自分の未来への洞察や信念がベースになっている
  • 公共性がある (独りよがりではなく、内向きではない)


本書でのビジョンの定義は、以下のように書かれています。

多くの人に共有・共感される、未来への洞察を信念にまで高めた末に生まれた、自らが心から達成したいと願う、あるべき未来像。


20世紀最高のビジョン


この本では企業や人が掲げたビジョンが紹介されています。ビジョンとは何か、なぜビジョンを持つことが大切なのかを理解できます。

中でもあらためて印象的だったのは、キング牧師のビジョンです。本書では 「20世紀あるいは21世紀も含め、最高のビジョンだと思うものの一つ」 と書かれています。

マーティン・ルーサー・キング牧師が、1963年のワシントン大行進で行った演説です。

その一部を引用します。

I have a dream that one day on the red hills of Georgia, the sons of former slaves and the sons of former slave owners will be able to sit down together at the table of brotherhood.

私には夢がある。いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の子どもたちとかつての奴隷所有者の子どもたちが、友愛のテーブルを囲み一緒に座っているという夢である。

キング牧師の、人種差別を無くす強い意思と、人種差別が無くなった未来を描く世界がはっきりとイメージできます。自分の意思を投影した未来像です。

人種差別を受けている人々の願いを、自らの願いや夢としてつくり上げ、未来はこうあるべきという姿を確信を持って伝えるビジョンです。


Google のビジョン


もう一つ、現在のビジョンの例を挙げておきます。Google です。

Google は公式にはビジョンは言葉では表明していませんが、ミッションから Google のビジョンが見えてきます。

Google のミッションは 「世界中の情報を整理し、全ての人々が情報にアクセスでき使えるようにする」 というものです。英語で、次のようにミッションを掲げています。

Our mission is to organize the world’s information and make it universally accessible and useful.

このミッションの先に、Google が描くビジョンがあります。

一言で言えば 「情報アクセスの機会が、全ての人々に等しくある社会」 です。情報アクセス機会の平等化です。

このビジョンは確信を持って Google は描いており、実現したいと心から思え、公共的な一枚の未来像です。


まとめ


今回は、THE VISION - あの企業が世界で急成長を遂げる理由 (江上隆夫) という本をご紹介しました。





本書からは、ビジョンとは何かの理解が深まりました。

最後に、今回のまとめです。

  • ビジョンの重要性は、
    ① 目指す目的が明確になり存在意義になる
    ② 行動の原動力になる
    ③ 判断や行動の基準になり自分の軸になる

  • ビジョンとは、「ありたい未来像という一枚の絵」 。4つポイントがあり、
    ① 自分の意思で心から創りたいと思う未来 (世界観)
    ② そうであったら本当に素晴らしい未来 (まだ実現していない世界観)
    ③ 未来への洞察や信念がベース
    ④ 公共性がある (独りよがりではない)

  • キング牧師の I have a dream の演説には、人種差別を無くす強い意思と人種差別が無くなった未来を描かれている。
    Google のミッションから見えるビジョンは 「情報アクセスの機会が、全ての人々に等しくある社会」




THE VISION - あの企業が世界で急成長を遂げる理由 (江上隆夫)

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書いている人 (多田 翼)

複数のスタートアップ支援に従事。経営や事業戦略のコンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネージャー、マーケター。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。note も更新しています。

内容は個人の見解です。