今回は、マーケティングでのブランドについてです。
- ブランドとは何?
- なぜブランドが重要なの?
- どうやってブランドをつくればいい?
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事では、マーケティングのブランドについて、なるべくわかりやすく解説しています。
最後まで読んでいただければ、ブランドとは何か (what) 、なぜブランドは重要なのか (why) 、どうやってブランド設計をつくればよいか (how) がわかるようになると思います。
ぜひお仕事での参考にしてみてください。
ブランドの定義
私の一言でのブランドの定義は、ブランドとは、消費者の好ましい感情が伴った商品やサービスです。
好ましい感情とは、好き、共感、満足感、憧れ、誇りなどです。
ブランドに ing がつくブランディングとは、「相手に好ましい感情移入を起こしてもらう働きかけ」 です。
ブランドは、消費者や顧客の頭の中にあります。商品やサービス、時には企業自体に対してどんな感情を持つか、価値のイメージを持つかは、相手次第です。
ここに、本質的にブランドを直接管理できない難しさがあります。
ブランドができるまで
では、ブランドはどのようにできるのでしょうか?
ブランドは体験を通して形成されます。
体験は人の五感により得られます。見る (視覚) 、聞く (聴覚) 、触る (触覚) 、味わう (味覚) 、嗅ぐ (嗅覚) です。五感での体験から、感情移入が起こります。
最終的に、商品やサービスへの価値のイメージが、頭の中でできあがります。これを知覚価値と言います。
ブランドができるまでをまとめると、以下のようになります。
✓ ブランドができる流れ
- ユーザー体験 (五感で)
- 五感を通した体験からの感情移入
- 価値のイメージが形成 (知覚価値)
なぜブランドが重要なのか
一言で言えば、ブランドが重要な理由は選んでもらうためです。
相手から自分たちが指名されることです。
マーケティングの観点でブランドを考えた時に、マーケティングとは、本質的には以下の3つを行うことです。
✓ マーケティングでやること
- 商品やサービス、市場 (顧客と競合) を理解する (つまり 3C)
- 自分たちが選ばれる理由を見い出す
- 選ばれるための施策を考えて実行する
商品やサービスへの感情移入がされているほど、強いブランドです。ブランドが強いほど、選ばれる理由になります。
✓ 選ばれるとは
- 買ってもらえる (安売りをしなくても)
- 使ってもらえる
- 来てもらえる
- 聞いてもらえる・見てもらえる
究極的には、生き残っていけるということです。
ブランド設計のつくり方
では、どうすれば強いブランドをつくれるのでしょうか?
ここからは、ブランド設計について解説します。
最初に結論を書くと、ブランド設計は以下の要素で具体性と一貫性を持たせます。
✓ ブランド設計
- ブランドコア
- パーソナリティ
- ベネフィット
- エビデンス
- メッセージ
以下、それぞれについてご説明します。
[設計 1] ブランドコア
ブランドの軸になるものです。具体的には、ブランドのビジョン、ミッション、バリュー (価値観) をつくります。
✓ ブランドコアの要素
- ビジョン:ブランドが創りたい理想の世界観
- ミッション:そのビジョンを実現するためにブランドがやる使命
- バリュー:ブランドが大切にする価値観
ビジョンの補足をすると、良いビジョンには以下の4つが当てはまります。
✓ 良いビジョンの条件
- 心から意思を持って成し遂げたい未来像
- そうであれば本当に素晴らしい世界観 (まだ実現していない未来)
- 原体験や未来への洞察と信念がベースになっている
- 独りよがりではなく公共性がある
[設計 2] パーソナリティ
パーソナリティとは、ブランドを人に見立てた時の性格です。
ブランドのアイデンティティを定めます。パーソナリティは、ブランドが大切にする価値観として設定してもよいです。
消費者や顧客から、自分たち商品・サービスに対して、人に見立てた時にどんな性格を持っていると見られたいかです。
[設計 3] ベネフィット
ベネフィットとは、商品やサービスを使った時に顧客が感じるうれしさです。
ベネフィットのポイントは、主語が顧客であることです。
ベネフィットには2つあります。情緒的ベネフィットと機能的ベネフィットです。
情緒的ベネフィットは、商品やサービスを使った時の感情的なうれしさです。機能的ベネフィットとは、使いやすさなどの物理的な機能面でのうれしさです。
[設計 4] エビデンス
エビデンスとは、ベネフィットを実現する要因です。これがあるから、ベネフィットをもたらしているという商品やサービスの特徴、技術的な優位性です。
マーケティングでは 「Reason to believe」 と言ったりしますが、ベネフィットにつながる自分たちが持っている、選ばれるための強みの源泉です。
[設計 5] メッセージ
以上のブランド設計の4つ、ブランドコア、パーソナリティ、ベネフィット、エビデンスをまとめて、相手に伝えるのがブランドメッセージです。
コピーやタグラインと呼ばれることもあります。例えば、ダイソン掃除機であれば 「吸引力が変わらない唯一つの掃除機」 です。
ダイソンのブランド設計
ダイソン掃除機の例を出したので、ブランド設計をダイソンで書いてみます。
✓ ダイソンのブランド設計
- ブランドコア:部屋にゴミひとつ落ちていなく、空気もきれいで、生き生きと過ごせる住空間
- パーソナリティ:先進的かつ合理的に仕事をするプロフェッショナル
- ベネフィット:使い続けても吸引力が落ちないので、部屋をいつもきれいにできる
- エビデンス:高い技術で作られたモーターを搭載したサイクロン方式の掃除機
- メッセージ:吸引力が変わらない唯一つの掃除機
まとめ
今回は、ブランドについて書きました。
最後にまとめです。
ブランドの本質
- ブランドの定義は 「消費者の好ましい感情が伴った商品やサービス」 。好ましい感情とは、好き・共感・満足感・憧れ・誇りなど
- ブランドができる流れは、五感による体験 → 感情形成 → 価値イメージ。ブランドは相手の頭の中にある
- ブランドが重要なのは、自分たちが選ばれるため。選ばれるとは、買ってもらえる、使ってもらえる、来てもらえる、聞いて・見てもらえること
ブランド設計
- 5つの要素がある。5つで具体性と一貫性を持たせる
- ① ブランドコア、② パーソナリティ、③ ベネフィット、④ エビデンス、⑤ メッセージ