投稿日 2019/12/19

ファシリテーターが会議中に考えること、やること




今回は、ファシリテーションについてです。

  • ファシリテーターの役割とは?
  • 会議中にファシリテーターが意識すること、やることとは?

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、会議中にファシリテーターが何を考え、どうすればよいかです。

解説しているのは、
  • ファシリテーションで具体的に意識すること
  • 会議を成功させるために何をすればよいか
です。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


ファシリテーターの役割


いきなりですが、ファシリテーターと聞いてどのようなイメージを持つでしょうか?

ファシリテーターの役割は何かと聞かれれば、どう答えるでしょうか?

私が普段のよく依頼される仕事の1つが、ファシリテーションです。

ファシリテーターの会議中の役割は、大きくは次の3つです。


ファシリテーターの役割 (会議中)
  • スタートとゴールの明確化
  • 議論の活性化
  • 合意形成とアクションへの落とし込み


1つ目の 「スタートとゴールの明確化」 とは、その会議がどこからどこへ向かうかの参加者全員との認識合わせです。特にゴール設定が大事です。始めにゴールが見えている状態で会議に入るようにします。

今回の記事の内容は、2つ目の 「議論の活性化」 と、3つ目の 「合意形成とアクションへの落とし込み」 です。

ここからは、これらについて掘り下げていきます。


ファシリテーターがやること


会議中に、ファシリテーターがやることは、どんなものがあるでしょうか?

私が思う、これをやるとファシリテーションがうまくいくことは、次の5つです。


会議中にファシリテーターがやること
  • 発言の引き出し
  • 理解と共感
  • 可視化
  • 方向づけ
  • 合意形成


以下、それぞれについて順番に解説していきます。


[ファシリテーターがやること 1]
発言の引き出し


議論が活性化する会議では、ファシリテーターの発言量は最小限で、参加者が多く発言をします。一部の参加者ではなく、皆が自分の意見や質問をします。

ファシリテーターの役割は、参加者の発言の引き出しです。影響力の高い一部の人だけではなく、参加者全員の発言を促します

そのためには場の雰囲気づくりが大事です。発言をしてもよい、自分の発言がこの会議では受け入れられるという気持ちを参加者に持ってもらいます。具体的には、次のような引き出し方で質問をするとよいです。


引き出す質問
  • ○○○ の立場からはどうですか?
  • 現場で実行する側から見て、どう思いますか?
  • 具体的には?何か例はありますか?
  • なぜそう思いますか?
  • 他にはないですか?


時間がある会議では、始めにアイスブレイクをやるのも効果的です。

アイスブレイクについては、具体的な方法を別の記事で書いています。ぜひこちらも参考にしてみてください。




[ファシリテーターがやること 2]
理解と共感


発言をしている相手への、理解と共感を示すことも大事です。

発言者への向き合いは、「発言者は正しいことを言おうとしている」 という姿勢です。こう思うことによって、相手へのリスペクトの気持ちが生まれます。傾聴する姿勢につながります。

発言内容や意図への理解に努め、理解が不十分だと思えば発言者にその場で確認をします。

発言者への共感と、発言が終わったら発言をしてくれたことへの感謝を示します。一言 「ありがとうございます」 と言うだけでも、積み重なれば場の雰囲気が違ってきます。

発言者への理解と共感を示すことによって、「自分は発言してもいい」 と思ってもらい、「次も発言しよう」 という気持ちを持ってもらいます。


[ファシリテーターがやること 3]
可視化


発言内容は、その場では参加者は皆が意識をしますが、議論が続くとどんどん流れてしまいます。

そこで、ホワイトボードなどを使い、発言内容を皆が見えるところに書き溜めておきます

書くかどうかの判断基準は、論点に関わるもの、会議での目指すゴールにつながることです。書くかを迷ったものは、とりあえず書いておくといいです。

ホワイトボードに書く時のポイントは、無理にまとめようとしないことです。メモのように書き留めておくだけで、参加者にとって役に立つものになります。

書いて可視化しておけば、後からまとめに入れます。


[ファシリテーターがやること 4]
方向づけ


ファシリテーターがやることの4つ目は、方向づけです。会議のゴールに向かって、大きくぶれることなく自然と誘導できるようにします

参加者が発言をする時には、会議のゴールや全体を見てというよりも、その瞬間ごとに言いたいことが話されます。他の人は発言を聞き理解しようとしています。

ファシリテーターは会議全体の流れや今の位置を俯瞰し、会議で設定されているゴールに向かうように方向づけをするのです。

また、議論の発散と収束、具体と抽象、横展開など、必要に応じての誘導もファシリテーターの役割です。

なお、1つ注意点があり、議論を無理やりまとめようとしないことです。ファシリテーターはあくまでサブで、主役は参加者です。


[ファシリテーターがやること 5]
合意形成


会議の議論は、最後の参加者での合意形成へのプロセスであり手段です。

いかに皆が腹落ちする合意に落とせるかです。

合意形成をし、会議で決めたことを実行するためのアクションプランまで落とし込むまでが、ファシリテーターの会議中の役割です。

なお、合意形成は必ずしも全員一致での意思決定とはなりません。会議で意見を出し尽くしても、賛否が分かれるケースもあります。

その時に、参加者全員の認識合わせとして、最後は意思決定者の決断に任せる、決まったことはたとえ個人的には賛成できなくても組織のために従うという 「決め方を決めること」 は、事前にやっておくとよいです。


まとめ


今回は、ファシリテーションについてでした。

最後に今回の記事のまとめです。



ファシリテーターの役割 (会議中)
  • スタートとゴールの明確化
  • 議論の活性化
  • 合意形成とアクションへの落とし込み


会議中にファシリテーターがやること
  • 発言の引き出し
  • 理解と共感
  • 発言の可視化
  • ゴールに向かっての方向づけ
  • 合意形成とアクションへの落とし込み

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。