2019/12/14

勝負師が語る 「広い集中力」 。ビジネスにも活かすためにどうすればいいか?




今回は、「広い集中力」 についてです。

  • 広い集中力とは? (スポーツ選手の例)
  • ファシリテーションでの広い集中力
  • 広い集中力をできるようにする方法

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、広い集中力という点ではなく面全体の集中です。

スポーツ選手がやる集中状態をご紹介し、
  • 広い集中力とは何か
  • どうすれば広い集中力ができるようになるか
を書いています。

広い集中力は仕事でも活かせる状態です。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


勝負の世界での 「広い集中力」


サッカーの岡田武史氏と将棋の羽生善治氏の対談本である 勝負哲学 に、「広い集中力」 について書かれていました。



岡田さんと羽生さんの議論が興味深かったです。以下は本書からの引用です。

岡田:周囲がよく見える選手というのは 「広い集中力」 をもっているんじゃないでしょうか。

羽生:広い集中力、ですか?

岡田:そう。以前、ライフル射撃の日本代表監督にうかがった話ですが、弾を的に当てるためには、銃の先端についている照準とずっと前方にある標的を一直線で結ばなくてはなりませんよね。

そのとき、照準や標的だけを見ていると銃の先をピタリと停止させることができないんですって。一点に集中しすぎると力が入って銃が静止しないんですね。

どうするかというと、照準や標的の周囲の景色も視野に入れながら集中するんだそうです。つまり 「全体に集中する」 、それが大事なんだそうです。

カメラでいえば、被写体全部にピントを合わせるような話で、私もやってみたら、銃の先が止まるんですよ。

羽生:ああ。感覚的にはわかる気がしますね。広さの把握と深さの把握を同時に行うような感覚じゃないでしょうか。

もしそうなら、それこそ大局観をつかむときはそんな感じですよ。集中力の濃度を保ったまま、集中範囲を拡張するような感じですね。

岡田:虫の目の集中度をもったまま鳥の目で見るということですか。全体を見る目と部分を見る目が同時に働いているような──それなら少し、私もわかる気がしますが。

ともあれ、 ひとつの部分だけに意識が集中するんじゃなくて、全体に意識を行き渡らせる広い集中力に長けている。

それがいい選手の重要な条件のひとつであることはジャンルを問わないことなんでしょうね。

 (引用:勝負哲学)


広い集中力とは


岡田さんと羽生さんの話を整理すると、広い集中力とは次のような状態です。


広い集中力
  • 全体に集中する (照準や標的の周囲の景色も視野に入れながら集中する)
  • 広さの把握と深さの把握を同時に行う
  • 集中力を保ったまま集中範囲を拡張する
  • 全体を見る目と部分を見る目が同時に働いている
  • 1つの部分だけに意識が集中するのではなく、全体に意識を行き渡らせる


一般的な感覚だと、集中するほど集中する範囲や対象は狭くなります。それに対して 「広い集中力」 とは集中状態を保ちながら集中する範囲が広がっていく状態です。

私の解釈は、広い集中力とは、解像度の深さと広さの両立です。

広い集中力は、スポーツの世界だけではなく、ビジネスの場でも活かせます。

ここからは、私が体験して思う、仕事をしている時に起こる広い集中力はどういう時なのかを掘り下げてみます。

具体的なケースは、会議でのファシリテーションです。


ファシリテーションと広い集中力


私が普段の仕事で、おそくらこれが広い集中力の状態だと思うのが、ファシリテーションをやっている時です。

ファシリテーションの時に意識しているのは、発言者の言っている内容だけではなく身振りや表情など、細かいところにまで集中することです。発言者だけではなく、それを聞いている他のメンバーの反応にも目を向けています。

同時に、会議やグループワーク・研修全体の雰囲気も広く見るようにしています。

この状態を一言で表現すれば、発言者などの点に集中しながら、場の全体を面として広く集中しています

全体を見る目と、部分を見る目が同時に働いている感覚です。

ここまでの話を踏まえて、では、どうすれば広い集中力ができるようになるのでしょうか?


広い集中力をできるようにする方法


広い集中は、1つの部分だけに意識を集中しつつ、同時に全体に意識を行き渡らせます。

私が思う広い集中力ができるようになる方法は、2つです。


広い集中力をできるようにする方法
  • 全体俯瞰と具体の高速での切り替え
  • 3つの視を意識する


2つは、別々の選択肢ではなく、両方ができるとよいものです。以下、それぞれについてご説明します。


[方法 1] 全体俯瞰と具体の高速での切り替え


1つ目の方法は、全体俯瞰と具体の両方の高速での切り替えです。

イメージは、レンズのズームアウトとズームインを早く繰り返し続ける状態です。早く切り替えるので、あたかも全体と部分の両方が解像度高く見えている状態にできます。頭の中では、抽象と具体の映像が映っています。


[方法 2] 3つの視を意識する


2つ目の方法は、普段からやっておきたいことです。

次のように、3つの視を意識します。


3つの視を意識する
  • 視点を増やす
  • 視座を上げ下げする
  • 視野を広げる


それぞれの補足をすると、視点を増やしてどれだけ鋭い視点を持てるかです。

視座は高い視座と、現場を見る虫の目のようなあえて低い視座からも眺めるようにします。視野は、空間や時間軸などで広げてみます。


まとめ


今回は、広い集中力についてでした。

いかがでしょうか?何か参考になればうれしいです。

最後に今回の記事のまとめです。



広い集中力とは、解像度の深さと広さの両立。具体的には、以下のような状態。
  • 全体に集中する (照準や標的の周囲の景色も視野に入れながら集中)
  • 広さと深さの把握を同時に行う
  • 集中力を保ったまま集中範囲を拡張する
  • 全体を見る目と部分を見る目が同時に働いている
  • 1つの部分だけに意識が集中するのではなく、全体に意識を行き渡らせる


ファシリテーションでの広い集中力は、発言者などの点に集中しながら、場の全体を面として広く集中している。
  • 発言内容だけではなく、発言者の身振りや表情など細かいところにまで見る
  • 同時に、会議やグループワーク・研修全体の雰囲気も広く見る


広い集中力をできるようにする方法
  • 全体俯瞰と具体の高速での切り替えを意識する
  • 3つの視を意識する (視点を増やす, 視座を上げ下げする, 視野を広げる)




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書いている人 (多田 翼)

ベンチャーから一部上場企業の経営・事業戦略を支援。マーケティング、コンサルティング・アドバイザー・メンター、プロダクトマネジメント。前職は Google でシニアマーケティングリサーチマネージャー、現在は独立 (詳細は LinkedIn または Facebook をご覧ください) 。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。