投稿日 2019/12/09

伝説のダイレクトマーケターと Google のマーケティングに学ぶ、マーケティングで大切なこと




今回は、マーケティングについてです。

  • マーケティングの法則とは?
  • Google のマーケティングの考え方
  • マーケティングの本質とは?

こんな疑問に答える内容でブログを書きました。


この記事でわかること


この記事でわかるのは、マーケティングとは何かです。

マーケティングの法則や定義から掘り下げ、マーケティングで大切にしたい考え方をご紹介します。

直接マーケティングの仕事をしていなてくも、マーケティングのものの見方や考え方はビジネスで汎用的なスキルになります。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。


伝説のダイレクトマーケターの本


最初にご紹介したい本は、シュガーマンのマーケティング30の法則 - お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは です。





この本は、伝説のダイレクトマーケターであるジョセフ・シュガーマンが書いた本です。本の紹介は次のように書かれています。

アメリカのマーケティング界で、彼の名はあまりにも有名である。

彼の手法のほとんどが、現在でも利用されていることからも、それは証明されている。


売りモノと買い手の理解


ここでは、30個のマーケティングの法則のうち、法則2と法則3を取り上げます。


法則 2: 適切なアピールポイント
  • 商品特性を理解する
  • お客が買いたくなる理由を見い出す


法則 3: 顧客の特徴
  • お客を知る
  • お客が買う感情的な理由と論理的な理由を見極める


2つの法則を併せて考えると、売りモノと買い手の両方を理解し、自分たちが選ばれる理由 (買ってもらえる理由) を知る、つくるということです。


マーケティングの定義


ところで、そもそもマーケティングとは何をすることでしょうか?

もし今マーケティングの定義は何かと問われたら、どう答えるでしょうか?

私のマーケティングの一言の定義は、マーケティングとは消費者 (または企業) から選ばれる理由をつくる活動全般です。

選ばれる理由とは、買ってもらえる・使ってもらえる・来店してくれる・指名されることです。

選ぶ行為の主体者は消費者や企業 (to B の場合) です。そのためには買い手であるお客を理解し、お客がいる環境と他の選択肢も併せて把握します。

そして、選ばれるために自分たちが提供する商品やサービスの理解も欠かせません。売りモノと買い手の接点を見い出し、接点に選ばれる理由があります。


Google のマーケティングの考え方


私の前職は Google でした。5年5ヶ月いて、APAC (アジア太平洋地域) のマーケティング部に所属していました。

ここでは、Google のマーケティングの考え方 (少なくとも私がいた当時の) をご紹介します。

英語では、「Knowing the user, knowing the magic, and connecting the two.」 と言われていました。

これに関して、Google のグローバル マーケティング担当責任者とマッキンゼーとのインタビュー対談に詳しく書かれています。

How Google breaks through | McKinsey & Company (インタビューは2015年2月)

以下は、インタビューから該当箇所の引用です。

The way I think about marketing—and the way I tend to talk to my team about it—is “knowing the user, knowing the magic, and connecting the two.”

Knowing the user means understanding who your consumers are, who your customers are. Not just knowing who they are, but what they need, what are their deep insights, and understanding how we can help them.

Knowing the magic means knowing what’s in the hearts and minds of your engineers and your product managers, and what they’re building.

Connecting the two means bringing the magic built by engineers to the world in a way that is relevant, meaningful, and compelling to the everyday consumer. So we create something that the world will be excited about.

 (引用:How Google breaks through | McKinsey & Company)


内容は、マーケターはどうあるべきかについてです。マーケティングとは、「knowing the user と knowing the magic の2つをつなげるものである」 という指摘でした。


Knowing the user


生活者やユーザーを理解することです。

何を望んでいるのか、理解する過程で得られた発見やインサイトは何か、そして、彼ら彼女らに対して自分たちがどう役に立つかを理解します。することです。


Knowing the magic


生活者やユーザーに提供する自分たちのサービスや商品を深く知ることです。

単に商品やサービスのことを知るだけではありません。商品やサービスをつくる人たちの思いまで理解します。なぜその商品やサービスがつくられたかです。

knowing what’s in the hearts and minds of your engineers and your product managers, and what they’re building.

 (引用:How Google breaks through | McKinsey & Company)


Connecting the two


2つをつなげるとは、生活者と商品・サービスを結びつけることです。

この意味で、マーケターとは2つの間を取り持つ仲人のような存在です。顧客を知り、提供する商品・サービスの特性や作り手の思いまで深く理解した上で、両者をつなげる役割です。

Google のマーケティングの考え方は、この記事の前半にご紹介したシュガーマンのマーケティングの法則のうち、「商品特性の理解」 と 「顧客の理解」 から選ばれる理由をつくることに通じます。


まとめ


今回は、マーケティングについてでした。

伝説のダイレクトマーケターが書いた本からマーケティングの法則を2つ取り上げ、Google のマーケティングの考え方と併せて、マーケティングの大切なことをご紹介しました。

最後に今回の記事のまとめです。



マーケティングで大事なのは、売りモノと買い手の両方を理解し、自分たちが選ばれる理由 (買ってもらえる理由) を知る、つくること。


マーケティングとは消費者 (または企業) から選ばれる理由をつくる活動全般。選ばれる理由とは、買ってもらえる・使ってもらえる・来店してくれる・指名されること。
選ぶという行為の主体者は消費者や企業。顧客を理解し、売りモノと買い手の接点に 「選ばれる理由」 を見い出す。


Google のマーケティングの考え方は、「Knowing the user, knowing the magic, and connecting the two.」 。ユーザーを理解し、商品・サービスを把握し、両者をつなげる。マーケターは2つの間にいる仲人のような存在。





シュガーマンのマーケティング30の法則 - お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。