投稿日 2021/05/21

マーケティングの顧客理解のヒントは、コーチングにあり


今回は2つのテーマの掛け合わせです。マーケティングとコーチングです。

✓ この記事でわかること
  • コーチングの3つのポイント
  • マーケティングでの顧客理解の重要性
  • コーチングとマーケティングの共通点
  • 顧客理解のヒント

マーケティングの顧客理解のヒントを、コーチングから掘り下げています

ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。

コーチングの3つのポイント


コーチングとは何かを理解するために、ティーチング (Teaching) と比べると理解がしやすいです。

ティーチングとは教えることです。対してコーチングの肝は相手に教えないことにあります。大事なのは、コーチを受ける側が自分で答えに気づいたり、答えをつくり出すことです。

そのためにコーチは何をするかと言うと、質問と傾聴で相手から引き出します。前提となるのは答えは (コーチを受ける) 相手の中にあります。

以上のコーチングのポイントをまとめると、

✓ コーチングの3つのポイント
  • 直接の答えを相手に教えない
  • コーチングを受ける側が自分で答えを見出す
  • コーチがやることは質問と傾聴で引き出す (答えを見出すサポート) 

* * *

コーチングの考え方やアプローチはマーケティングへのヒントになります。ここからは、マーケティングをコーチングの観点から掘り下げていきましょう。


マーケティングの本質



コーチングとマーケティングを見ていく前に、前提となる 「マーケティングでの顧客理解の重要性」 について説明させてください。

そもそものマーケティングとは何かですが、私の一言の定義はマーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 です。

顧客から選ばれ続けるからこそ事業は存続できます。顧客から選ばれるのを偶然に頼るのではなく、意図を持って選ばれる確率を高めるのがマーケティングの役割です。


マーケティングでの顧客理解


選ぶという行為の主体者は顧客です。

自分たちが選ばれるために大事なのが顧客理解です。顧客はどういう状況で、どのような目的で、他の何と比較して、どんな選択基準で選ぶかです。顧客を深く理解できているからこそ、「選ばれる理由」 をつくれるわけです

ここにマーケティングの難しさと醍醐味の両方があります。

 「選ばれる理由」 を顧客から直接教えてもらえるケースは稀です。ニーズとして明確に顕在化している場合を除き、顧客は自分の 「選ぶ理由」 や 「選んだ理由」 は言ってくれません。

その理由は以下です。

✓ 顧客から直接答えを教えてもらえない理由
  • そもそも顧客自身が理由を自覚できていない
  • 顧客は気づいても言葉で説明できない
  • 他人には言いたくない・知られたくない (例: 生々しい本音だから言うのが恥ずかしい) 

顧客の奥にある本音は、顧客自身がはっきりと人に説明できるほど認識できていません。この状況で 「顧客から選ばれる理由」 をつくるために、赤の他人であるマーケターが顧客のことを本人以上に理解することが必要があるのです。


コーチングから顧客理解のヒント



ではマーケティングの顧客理解のヒントを、コーチングから見ていきましょう。

前半で掘り下げたコーチングのポイントは以下の3つでした。

✓ コーチングの3つのポイント (再掲) 
  • 直接の答えを相手に教えない
  • コーチングを受ける側が自分で答えを見出す
  • コーチがやることは質問と傾聴で引き出す (答えを見出すサポート) 

ここからマーケティングでの顧客理解へのヒントが見えてきます。

✓ コーチングから顧客理解のヒント
  • 答え (選ばれる理由) はマーケター自らが見出す (顧客から直接教えてもらうものではない) 
  • 顧客の本音は、時には顧客自身が気づいていないが相手の中にある
  • マーケターは答えへの気づきやヒントを得るために顧客に質問し傾聴、観察をする

マーケティングの顧客理解のヒントは、コーチングにあります。


まとめ


今回はコーチングとマーケティングを掛け合わせて、マーケティングでの顧客理解の方法を掘り下げました。

最後に記事のまとめです。

コーチングの3つのポイント
  • 直接の答えを相手に教えない
  • コーチングを受ける側が自分で答えを見出す
  • コーチがやることは質問と傾聴で引き出す (答えを見出すサポート) 

マーケティングでの顧客理解
  • マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 。顧客から選ばれるのを偶然に頼るのではなく、意図を持って選ばれる確率を高める
  • 顧客を理解し 「選ばれる理由」 をつくる。ただし 「選ばれる理由」 を顧客は直接教えてくれない
  • 理由は3つ。① そもそも顧客自身が自覚できていない、② 顧客は気づいても言葉で説明できない、③ 他人には言いたくない・知られたくないから

コーチングから顧客理解のヒント
  • 答え (選ばれる理由) はマーケター自らが見出す (顧客から直接教えてもらうものではない) 
  • 顧客の本音は時には顧客自身が気づいていないが、相手の中にある
  • マーケターは答えへの気づきやヒントを得るために顧客に質問し傾聴、観察をする

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。