今回はリーダーシップについてです。OKR とリーダーシップの共通点から掘り下げています。
✓ この記事でわかること
- OKR とは (具体例で解説)
- リーダーに求められる5つの力
- OKR に見るリーダーのビジョン設計力
今回は2つのテーマの掛け合わせです。OKR とリーダーシップです。
最初に OKR とは何かをご紹介し、OKR とリーダーシップとの共通点からリーダーのビジョン設計を深掘りします。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
OKR とは
一言で表現すると、OKR は組織や個人が成長するための目的設定とマネジメント手法です。
OKR は O と KR の2つで、Objective と Key Results の略です。
✓ Objective は 「目的」
- 自分たちや人を鼓舞する内容でワクワクできる内容 (挑戦的・魅力的)
- 基本的には1つ設定
- 数値目標は KR に入れるので Objective には入れない
- 難易度の達成目安は 50% (ストレッチゴール)
✓ Key Results は 「重要な結果指標」
- Objective をどう実現し、達成できたかを評価するもの
- 1つの Objective に対して KR は基本は3つまで。多くて5つ
- KR の達成基準は 60% ~ 70% (100% ではないのはストレッチ目標のため)
例えばのケースで、プロダクト開発での OKR の例は次のようになります。
✓ OKR の例 (プロダクト開発)
- Objective: 素晴らしい MVP (Minimum viable product: 実用最小限の製品) をつくる
- Key results 1: 事前登録者の 80% が実際に MVP を使う
- Key results 2: 65% のユーザーが1日に2回以上利用する
- Key results 3: プロダクトの NPS (Net Promoter Score) が 50 以上
コンパスと地図
OKR を例えるなら 「コンパスと地図」 です。
Objective がコンパスの役割を果たします。自分たちが目指す先を目的として設定します。コンパスが北を指し示し行き先を明確に示すように、Objective は実現したいことを掲げます。
Key Results は地図です。KR の役割は大きくは2つで、Objective という目指す先にどうやって行くのか、もう1つは目的達成までの進捗を測るためにあります。
冒険家にとっての地図は、向かうゴールまでの道のりと現在地を知る役割です。同じことが Objective に対する Key Results の関係に当てはまります。
* * *
リーダーに求められる5つの力
ではここからは、リーダーシップについて考えてみましょう。
私がリーダーに求められる力は次の5つです。
✓ リーダーに求められる5つの力
- 構想力
- 決断力
- 意志力
- 実現力
- 人間力
1つ目の 「構想力」 とはビジョンを設定する力です。
ビジョンとは 「心からそうありたいと思う1枚の未来像」 です。
ここからビジョンのポイントを整理すると3つです。
✓ ビジョンのポイント
- 心から実現したいと思う世界観 (まだ実現していなく簡単ではない)
- 深い洞察や原体験がベースになっている
- 独りよがりではなく公共性がある
リーダーシップと OKR
ここでリーダーシップに OKR をつなげてみます。
OKR の Objective は挑戦的でワクワクする目的でした。Objective はビジョンを示すことです。
リーダーに求められるのは共感され、他の人が一緒に実現したいと思えるビジョンを描き示すことです。
ピジョンの共感と実現
ただし、リーダーは皆から共感されるビジョンを提示するだけでは十分ではありません。
共感性に加えてビジョンの実現性です。こうすればビジョンは実現できるという道筋を示します。これは OKR の Key Results (重要な結果指標) に当たります。
KR は Objective という野心的な目的を達成するために重要だとみなした 「やること」 や 「目指す目標」 です。Objective の実現度合いを定量的に測る役割も果たします。先ほど例えたように、KR は地図です。
OKR は Objective と Key Results がセットになってこそ、成長と目的達成のためのマネジメントとして機能します。
リーダーが示す構想力も同じです。共感されるビジョンを描き、実現方法と過程での達成度合いを示すことがビジョンを実現するために大切なのです。
まとめ
今回は OKR とリーダーシップについてでした。
最後に記事のまとめです。
OKR とは
- OKR は組織や個人が成長するための目的設定とマネジメント手法
- Objective は 「目的」 。挑戦的で魅力的な内容を書く
- Key Results は 「重要な結果指標」 。Objective をどうやって実現し達成できたかを評価するもの
- OKR はコンパスと地図。Objective は目指す先、KR でどのように進むかと進捗 (現在地) を把握する
リーダーに求められる構想力 (ビジョンを描く力)
- 心から実現したいと思う世界観 (まだ実現していなく簡単ではない) を示す
- 深い洞察や原体験がベースになっている
- 独りよがりではなく公共性がある
リーダーシップと OKR
- リーダーに求められるのは構想力 (ビジョンを描く力)
- ビジョンへの共感性と実現性の両方が大事
- 共感されるビジョンを描くのは OKR の Objective 、実現性と達成度合いは Key Results に当てはまる