今回は商品やサービスの開発です。
MVP を使って開発していく例を Facebook と Twitter でご紹介します。
✓ この記事でわかること
- プロダクト開発と MVP
- MVP の3つのポイント
- Facebook と Twitter の MVP
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
プロダクト開発と仮説
プロダクト開発の特に初期段階では、プロダクトアイデアはあくまで仮説です。
仮説は検証をして初めて正しいかが分かります。裏を返せば仮説の時点では仮の答えにすぎません。
プロダクト開発では、アイデアという仮説の検証は想定するターゲットユーザーに実際に見せたり使ってもらいます。
ここで大事なのは、検証すべき仮説の優先順位とタイミングの見極めです。仮説検証に必要最小限の機能を実装したプロトタイプ (試作品) をつくります。これが MVP です。
MVP とは
MVP は Minimum Viable Product の略で、日本語では 「実用最小限の製品」 と訳します。もっとも実務の現場でこの言い方が使われるのは私は聞いたことはなく、現場では MVP と言います。
MVP のイメージでわかりやすい絵があるのでご紹介します。
MVP は 「Minimum + Viable」 の両方を満たす必要があるという絵です。
MVP のポイント
例えば最終的に作りたいプロダクトが自動車だとします。この場合の MVP はスケボーです (絵の下の一番左) 。
タイヤだけではないのがポイントです。というのは、検証したい仮説は 「人や物を運べるニーズが想定顧客にあるだろう」 だからです。
MVP をタイヤだけで作り込んでしまうと、いかにタイヤが素晴らしくてもこれだけでは 「人や物を運べるニーズが想定顧客にあるだろう」 という仮説は検証できません。
ここから言える MVP をつくるポイントは3つです。
✓ MVP のポイント
- 目指す最終形のプロダクトイメージからの逆算
- 今の開発ステージで優先的に検証すべき仮説の明確化
- 仮説が検証できる最小限の機能の実装
Facebook の MVP
ではここからは実際のサービスで MVP の具体例を見ていきましょう。
1つ目は Facebook です (もう1つ紹介するのは Twitter です) 。
Facebook の初期のログイン画面は、次のようなものでした。
出典: Clearcode
初期の名前は 「Thefacebook」 です。
当初はハーバード大学の学生向けでした。創業者のマーク・ザッカーバーグがハーバード大の学生の時に生まれたサービスです。
MVP として出した時点で、今と変わらない仕組みがあるのが興味深いです。具体的には、
✓ Facebook の MVP
- メールアドレスでログインする
- 大学の知り合いが探せる (Search for people at your school)
- 友人の友人とつながる (Look up your friends' friend)
Twitter の MVP
ではもう1つの MVP の事例を Twitter で見てみましょう。
出典: Clearcode
Twitter は初期の名称表記は 「Twttr」 でした (母音 (Twitter 内の i, e) がないですね) 。
面白いのは初期の MVP 時点で、すでに今の Twitter とサービス機能の原型があることです。
✓ Twitter の MVP
- フィード機能の実装 (知り合いの 「今 ◯◯ をしている」 の投稿)
- 自分が今やっていることが投稿できる
デザインはシンプルです。
色などの見た目は今の Twitter とは違いますが、Twitter のコアアイデア (フォロワーのつぶやきがフィード画面に流れる, 自分のツイート投稿が簡単にできる) が実装されています。
まとめ
今回はプロダクト開発の MVP についてでした。
最後に記事のまとめです。
MVP で仮説 (プロダクトアイデア) を検証する
- MVP とは 「実用最小限の製品」
- 開発初期の段階ではプロダクトアイデアはあくまで仮説
- 仮説検証のために MVP がある (MVP は手段)
MVP のポイント
- 目指す最終形のプロダクトイメージからの逆算
- 今の開発ステージで優先的に検証すべき仮説の明確化
- 仮説が検証できる最小限の機能の実装
Facebook と Twitter の MVP
- Facebook の MVP には知り合いが探せ、友人の友人とつながるというソーシャル機能が実装されていた
- Twitter の MVP はコアアイデアである 「フォロワーのつぶやきがフィード画面で流れる」 「自分のツイート投稿が簡単にできる」 があった