今回はマーケティングです。ブランドについて書いています。
✓ この記事でわかること
- ブランドとは何か
- なぜブランドは重要か
- ブランドができるプロセス (メカニズム)
- 最近のブランド体験 (りんご 10kg の箱買い)
マーケティングではブランドの考え方、ブランディングのアプローチは大事です。この記事を読んでいただくと、ブランドとは何か、ブランドはどうやって形成されるかがわかる内容になっています。
ブランドのポイントは 「これでいい」 から 「これがいい」 です。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
ブランドとは何か
ブランドと聞くと、どのようなイメージを持っているでしょうか?
マーケティングでのブランドは、高級品だけではなく洗剤などの日用品にも当てはまります。
私の一言の定義は、ブランドとは顧客からの好ましい感情が伴った商品やサービスです。最後の 「商品やサービス」 を 「企業」 に置き換えればコーポレートブランドになります。
好ましい感情とは例えば、好き・共感・満足・誇り・憧れです。こうした感情移入が深い商品やサービスほど強いブランドです。
なぜブランドが重要なのか
ブランドが重要な理由も触れておきますね。
これはビジネス全般に言えることで、ビジネスでは顧客から選ばれ続けるから事業が存続できます。商品やサービスにブランドイメージ、つまり好ましい感情が伴う価値イメージを顧客から持ってもらえていれば、それだけ選ばれやすくなります。
ブランドになっていれば、「これでいい」 が 「これがいい」 という選ばれ方になります。顧客は消去法的な受け身の選び方ではなく、積極的に 「これがいい」 と選んでくれるのです。
ブランド形成のプロセス
ブランドへの認識で大事なのは、マーケティングの文脈ではブランドは顧客の頭の中にできます。
これが意味するのは、商品・サービスの提供者 (企業) にとってはブランドを直接管理することはできません。頭の中にブランドができるよう間接的に顧客に働きかけをするだけです。
ではブランドはどのように形成されるのでしょうか?
ブランドは商品やサービスのユーザー体験からです。五感を使っての体験から感情が生まれ、1つずつの良質な体験の積み重ねで顧客の頭の中に商品・サービスの価値イメージができます。
ブランドがつくられる、つまり顧客の頭の中にブランドができるプロセスをまとめると次のようになります。
✓ ブランド形成のプロセス
- 商品やサービスのユーザー体験をする (例: 知る, 調べる, 買う, 利用する)
- 好ましい感情が伴う
- 商品やサービスへの価値イメージができる
- 「これでいい」 から 「これがいい」 になる
* * *
ここまで、ブランドの What, Why, How を見てきました。ブランドとは何か、なぜ重要なのか、ブランドはどうつくられるかです。
ではここからは私の個人的なエピソードですが、最近のブランド体験をここまでの内容の具体例としてご紹介します。
りんごの箱買い
りんごを毎日好きなだけ食べたくて、りんごを箱買いしています。10kg のりんごです。買うのは楽天市場からです。
ある時までは選び方は楽天で検索をして良さそうなりんごを買っていましたが、ある農家のりんごを買ってからは同じものリピートするようになりました。「これでいい」 から 「これがいい」 に変わったのです。
なぜブランドになったか
先ほど見たブランドができる流れは、次の通りでした。
✓ ブランド形成のプロセス (再掲)
- 商品やサービスのユーザー体験をする (例: 知る, 調べる, 買う, 利用する)
- 好ましい感情が伴う
- 商品やサービスへの価値イメージができる
- 「これでいい」 から 「これがいい」 になる
今回のりんごの話を当てはめると、ブランドにつながった私のユーザー体験は2つです。
✓ ユーザー体験
- 注文した翌日の到着 → 不安や不満が生まれない
- 毎回おいしく食べられる → りんごを切った時の 「残念感」 が起こらない
では順番にご説明しますね。
[ブランド体験 1] 注文した翌日の到着
1つ目は注文をしてから自宅に届くまでの早さです。即日発送され翌日には届きます。
このスピード感の感情形成は 「安心感」 です。というのは、他のりんごは通常は注文から発送までに2~3日、到着には注文から5日から1週間くらいはかかっていました。
今思うと、注文から到着までの間は 「いつ届くのか」 「早く届いてほしい」 というちょっとした不安や不満がありました。時々ふと思い出したように表れるこうした気持ちが嫌でした。
リピート購入するようになった農家さんのりんごは翌日に届くので、この気持ちが起こらないユーザー体験から安心感という感情が伴いブランドになりました。
[ブランド体験 2] 毎回おいしく食べられる
もう1つのユーザー体験は、りんごを食べる時です。正確にはりんごを包丁で切った瞬間です。
10kg のりんごの中に傷んでしまっているものがほとんどないんですよね。他の農家のりんごは 10kg あれば 3~4 個は古くなっていて、食べられない箇所が多いりんごが混じってしまっています。
りんごを包丁で切る前に外側を見て古いりんごと判断できる場合はいいのですが、包丁で切って初めてそうだとわかる時のユーザー体験が嫌なんです。
これから 「さあ食べよう」 と楽しみな気持ちが、切って中身が茶色に変色しているのを見た時の残念感で、気持ちが冷めてしまいます。この体験が起こらないのが、価値イメージとして頭の中にできあがりました。
* * *
以上の2つのユーザー体験から、りんごに対してポジティブな感情移入が起こり他にはない存在になりました。
これが 「これでいい」 から 「これがいい」 となった、ここ最近の私のブランド体験です。
まとめ
今回はブランドについてでした。
最後に記事のまとめです。
ブランドの本質
- ブランドとは顧客からの好ましい感情が伴った商品やサービス。好ましい感情とは好き・共感・満足・誇り・憧れ
- ブランドになっていれば、「これでいい」 が 「これがいい」 という選ばれ方になる
- 顧客から選ばれ続けてもらえ、事業として存続できる
ブランド形成のプロセス
- 商品やサービスのユーザー体験をする (例: 知る, 調べる, 買う, 利用する)
- 好ましい感情が伴う
- 商品やサービスへの価値イメージができる
- 「これでいい」 から 「これがいい」 になる
最近のブランド体験 (りんごの箱買い)
- 注文から到着の早さ。届くまでの不安や不満が生まれず安心感という感情移入
- 新鮮なりんご。切って中身が茶色に変色しているのを見ての残念な気持ちが起こらない