出典: TRAICY
今回は、無人店舗システムの設置に学ぶマーケティングです。
✓ この記事でわかること
- 無人店舗のタッチ トゥ ゴー
- 最短1日で無人店舗システムを設置できるように
- 設置期間を短くできる理由と意味合い
- マーケティングに学べること
おもしろいと思った無人店舗システムを取り上げ、マーケティングに学べることを見ていきます。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
無人店舗のタッチ トゥ ゴー
今回取り上げるのは、無人店舗サービスの 「タッチ トゥ ゴー (TOUCH TO GO (TTG) ) 」 です。
無人店舗システムの設置を最短1日で可能に
タッチ トゥ ゴーが、お店を無人決済にするのを 1 ~ 3 日で可能にするシステムを開発したとのことです。
従来は店ごとにカメラの位置や角度などを調整していたために、無人店舗システムの設置に約1ヶ月かかっていたそうです。タッチ トゥ ゴーの新しいシステムはシステム設定の調整の手間を省き、最短1日で無人店舗に変えられるようになりました。
最短1日でできる理由
タッチ トゥ ゴーが無人店舗システムを最短1日でできる理由について、日経新聞の記事から見てみましょう。
無人決済店は、客が手に取った商品を天井に設置したカメラや棚のセンサーが判別し、レジで決済する仕組みだ。従来は店の形状や大きさに合わせてカメラや棚の位置を決めて、カメラの角度などもそれぞれ調整していた。
新しい無人決済システムは、店の広さを 7 ~ 15 平方メートルと定め、天井のカメラや棚の位置をあらかじめ決めている。
このため設計図通りに骨組みを組み立てて、カメラや棚を設置すれば、店舗ごとに個別に角度などを調整する手間を省くことができる。
TTG では、室内の狭いスペースでの設置を主に想定している。データの送受信は携帯回線を使用する。有線 LAN (構内情報通信網) は不要のため、電源があれば無人決済システムを設置することができる。
天井のカメラ (出典: CNET Japan)
無人店舗システムを最短1日でできる理由は、定型化です。
具体的には、お店の広さ、商品棚、設置する天井カメラの位置などの条件をあらかじめ固定することによって、無人店舗システムの導入期間を短くできているわけです。
設置期間を短くした意味合い
最短1日にした意味は、無人店舗システムを導入したいお店が 「無人店舗にするハードルを下げること」 です。
今までであれば、設置に約1ヶ月かかっていました。導入期間中はお店の営業に少なからず影響があります。
設置工事のために営業時間を短くしたり、場合によっては店を一時的に閉店する必要もあるかもしれません。つまり設置期間中は売上が減ってしまうので、無人店舗にしたくても、導入に躊躇してしまう店舗もあるでしょう。
設置期間が1ヶ月近くも続くことに比べて、1日から3日程度であれば無人店舗システム導入に対して二の足を踏むことを防げます。
学べること
では最後にタッチ トゥ ゴーから、マーケティングの観点で学べることを掘り下げてみましょう。
一言で結論を言えば、学びは 「お客さんの買いにくい要因を見極め、解消する打ち手をしよう」 です。
マーケティングではお客さんから商品やサービスを買ってもらうために、意図を持って 「選ばれる理由」 をつくりにいくことが大事です。ちなみに私のマーケティングの一言の定義は、マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 です。
見逃されがちなのは、「選ばれにくい要因の解消」 です。
無人店舗の場合に当てはめれば、選ばれにくい理由、つまり無人店舗システムを導入しにくい要因の1つが設置工事期間の長さです。導入期間が長いほど売上が下がるからです。
タッチ トゥ ゴーはこの問題を解消します。
無人店舗システムを設置する期間を、従来の1ヶ月から最短1日まで短くすることで、お客さん (お店を無人店舗にしたい小売) が買いにくいと思う抵抗感を小さくしたのです。
まとめ
今回は無人店舗のタッチ トゥ ゴーを取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
買いにくい理由の解消
- マーケティングで大事なのは、お客さんから商品やサービスが選ばれる理由をつくること
- 買いたい理由を強めると同時に、買いにくい理由の解消も必要
タッチ トゥ ゴーの打ち手
- 無人店舗システムの設置期間が長いほど、お店の売上が下がる
- 店舗面積・天井カメラ位置・商品棚を定型化し、タッチ トゥ ゴーは無人店舗システム導入期間を従来の1ヶ月から、1 ~ 3 日に短縮した
- 設置期間を短くした意味は、お店が無人店舗を導入しにくい (買いにくい) 理由の解消
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