出典: IKEUCHI ORGANIC
今回のテーマは、｢顧客と共創する商品開発とマーケティング｣ です。
おもしろいと思ったタオルメーカーの取り組みをご紹介し、商品開発とマーケティングに学べることを見ていきましょう。
✓ この記事でわかること
- 今治タオルメーカーの ｢イケウチオーガニック｣ の取り組み
- 契約アスリートとの共同での商品開発
- アスリートからの横と縦の口コミ
- 上級者との共創マーケティング
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
今治タオルメーカーのイケウチオーガニック
ご紹介したいのは、今治タオルメーカーの ｢イケウチオーガニック｣ です。
出典: greenz
日経新聞に、イケウチオーガニックを取り上げた記事がありました。
今治タオルメーカーのイケウチオーガニック (愛媛県今治市) がスポーツ選手とスポンサー契約を相次いで結んでいる。
選手に自社製品を SNS (交流サイト) で発信してもらう。アスリート向けのタオル開発も進めており、2022年夏にも新商品を発売する。
この記事を興味深いと思ったのは、｢顧客との共創｣ という観点で商品開発やマーケティングに学びがあったからでした。
アスリートとの共同開発
イケウチオーガニックは、契約しているアスリートの意見やニーズを取り入れた商品開発をしています。
アスリートからの声は新商品の開発にも生かす。
契約を結ぶマラソン選手の協力を得て、21年からアスリート向けタオルの開発を進めてきた。練習の時間が長く、大量に汗をかくため消臭の需要が高いという。
肌触りや吸水性を保ちながら消臭機能を高めた新商品を試作しており22年夏にも販売を始める。
イケウチオーガニックがやっていることは、｢上級者との共同での商品開発｣ です。
ここでいう上級者とはアスリート選手ですが、商品やサービスの使い方に習熟していて、こだわりがある人です。どんなことに困っていて、そのためにこういう商品であって欲しいというニーズが一般的な人よりも強い、つまり解決したい問題と解決方法が明確なのが特徴です。
このような上級者が自分のニーズや意見を言葉にでき、わかりやすく伝えることに長けていれば、外部の商品開発パートナーとして貴重な存在になります。
横と縦の口コミ
マーケティングの観点からも、イケウチオーガニックと契約アスリートの関係は興味深いです。
横方向の口コミ
アスリートがチームメイトに自然とイケウチオーガニックのタオルを紹介するから、使用が広がっているとのことです。
サッカー J リーグ3部 (J3) で地元の FC 今治 (今治市) に対してはスポンサーとしてタオルを提供。サッカー選手は移籍が多く、移籍先のチームでも口コミで利用者が広がっているという。
おそらく自然発生的に起こっていることだとは思いますが、マーケティングの視点で捉えると、すでに使っているユーザー (契約アスリート) と、同じような属性の顧客を新しく獲得できていることを意味します。
縦方向の口コミ
選手同士での、イケウチオーガニックのタオルの認知や利用が広がっているのを横の方向だとすると、縦方向にも口コミが波及しています。
一般消費者への波及効果もねらう。アスリートには SNS でタオルを使った感想を発信してもらっており、選手のファンを中心に、服や靴のようにタオルにも使用シーンなどに応じてこだわってもらえるようにしたい考えだ。
選手のファンへの広がりにも、契約アスリートは一役買っています。
学べること (まとめとして)
では最後に、イケウチオーガニックから学べることを整理してみましょう。
スポーツアスリート選手は単に自社商品のヘビーユーザー (上級者) であるだけではなく、商品の共同開発者であり、宣伝の役割も担ってくれています。
お客さんの中には買い手以上の存在になる人がいるということです。今回の学びとして残しておきたいメッセージは、｢お客さんとの共創ができないかを考えてみよう｣ です。こうした着眼点は、商品開発やマーケティングへのヒントにつながります。
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