出典: 日経クロストレンド
今回のテーマは、新規のお客さんをどうやって獲得するかです。
おもしろいと思ったシェアリングサービスを取り上げ、マーケティングの観点から学べることを見ていきます。
✓ この記事でわかること
- シェアリングサービス 「Rentastic! (レンタスティック) 」 とは?
- クローズドコミュニティ内の限定での貸し借り
- 貸した分だけ無料で借りられる
- シェアリングサービスを使う心理的ハードル
- 新規客の獲得方法 (学べること)
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
シェアリングサービス 「レンタスティック」
ご紹介したいのは、 「Rentastic! (レンタスティック) 」 という名前のシェアリングサービスです。
出典: PR TIMES
身近なコミュニティ内での貸し借り
レンタスティックの特徴は、社内や住んでいるマンション内のみなどの、自分の所属コミュニティのみでの貸し借りに限定していることです。
出典: 日経
他にも、同じ趣味の人、同じ都道府県に住んでいる人同士もあり、クローズドなコミュニティ内で会員同士が物の貸し借りをします。
貸せば無料で借りられる
レンタスティックのもう1つの特徴は、自分が貸した分だけ借りられるという仕組みにあります。
自分が物を他の会員に1日貸すと 「1 Renta!」 が付与されます。この1ポイントを使うことで、使いたい物を1日無料で借りられます。
例えば、自分のスーツケースを他のユーザーに7日間貸し出せば 7 Renta! が得られます。今度は自分がロボット掃除機を3日だけ借り (7ポイントの3ポイント消化) 、残りの4日間で高機能洗浄機を借りるといったイメージです。
出典: PR TIMES
貸して獲得できる独自ポイントを使うだけなので、お金のやりとりはなく無料で借りることができます。
シェアリングサービスを使う心理的ハードル
自分の物を他人に貸し出す時に、貸し手の持つ不安は、見ず知らずの人に貸すことです。
レンタスティックは、自分が働いている会社の従業員同士、住んでいるマンション内の住民同士などの 「身近なコミュニティ内」 で貸し借りができます。たとえ相手のことを知らなくても、同じ会社組織や住空間にいる人ということで、心理的な距離が近い人に貸せるわけです。
どこの誰かわからない人に貸すよりも、また借りる側にも安心感があります。
学べること
では最後に、レンタスティックから学べることを整理してみましょう。
一言で言えば、学びは 「まだ使ったことのない見込み客の、初めて使う時の阻害要因を取り除こう」 です。
レンタスティックの場合は、初めて使う時の阻害要因とは、知らない相手に貸したり借りることへの心理的抵抗でした。ここへの打ち手が、クローズドなコミュニティを設定し、コミュニティ内のみで貸し借りができるサービス設定です。
ご近所さん同士の気軽なやり取りは、昔は一般的に行われていました。レンタスティックはこれの現代版です。
新しいお客さんを獲得するために、初めて買う前の阻害要因を見極め、自分たちのやり方で解消することが大事です。
まとめ
今回はシェアリングサービスの 「レンタスティック」 を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
新規客の獲得
- まだ一度も使ったことのない人 (見込み顧客) には、初めてであるがゆえの使ったり買うことへのハードルがある
- 使いたい魅力があっても、一方で不安などの心理的抵抗があると買ったり使うことに躊躇してしまう
- 見込み客が手を出しにくい阻害要因を見極め、初めて使う時の障害を取り除くことが新規客の獲得につながる
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