投稿日 2022/06/13

JAL のキャビンアテンダントが高校生の先生に。資産を活かす 「先生化ビジネス」 とは?

出典: PR TIMES

今回のテーマは、「資産の有効活用 (横展開ビジネス) 」 です。

おもしろいと思った JAL と日本旅行の取り組みをご紹介し、ビジネスに学べることを見ていきます。

✓ この記事でわかること
  • JAL のキャビンアテンダントが高校生の先生に
  • 本質は、資産を有効活用する 「先生化ビジネス」 とは?
  • 強みの把握と活用

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

キャビンアテンダントの高校生への特別講座


この話は、日経新聞の記事を読んで知りました。

以下は記事のリード文です。

日本旅行と日本航空 (JAL) は、客室乗務員 (CA) が高校生に英語やマナーを教える特別講座を開いている。

新型コロナウイルス禍で海外研修などの機会がなくなった生徒に、代わりとなる体験の場を提供する取り組みだ。コロナ禍で打撃を受けた航空・観光業界にとっても新たなビジネスとして位置づける。

講座の中身は


講座ではどんな内容をやっているかを、続けて記事から見てみましょう。

武蔵野高校 (東京・北) の生徒が機内で飲み物を配る際の英語を練習していた。生徒同士がロールプレー方式で話し、国際線の経験豊富な JAL の CA が実践で使える 「現場の英語」 を教えた。

生徒が参加したのは JAL と日本旅行が共同で開発した 「グローバルキャリア研修」 。同高校に CA が出張する授業と合わせ、全5日間の集中プログラムだ。1 ~ 2年生約30人が参加し、英会話のほか、JAL の海外支店とオンラインでつないで航空業界の仕事について学ぶ機会もあった。

生徒たちの感想はどうだったかと言うと、

参加した生徒の一人、桜木寿来さん (17) は 「将来英語を使った仕事に就きたいので、現場で使われる英語を学べる機会はありがたい」 と話す。

沖山悠太さん (17) は航空や貿易に関わる仕事を目指しており、「英語だけでなく、実際に働く方々の仕事ぶりを見ることができて想像がふくらんだ」 と声を弾ませる。

JAL の狙い


この取り組みの背景として、JAL の狙いを見てみましょう。

JAL ではコロナ禍で国際線などの搭乗機会が減った CA に、地上で活躍できる機会を設けている。武蔵野高校以外にも高校生や大学生に向けた講習会を開いており、英語力やサービス力を生かす。

チーフ CA の日向れいさんは 「これまで培った CA のスキルが、機内以外でも生かせることに気づけたことは働く側のモチベーションにもつながる」 と話す。

では、この事例の本質は何かを、ビジネスの観点から掘り下げていきましょう。


資産を有効活用する取り組み


JAL の高校生向けの特別講座の本質は 「資産を有効活用する横展開」 にあります。

ここで言う資産とは、JAL のキャビンアテンダント (CA) です。

CA の高いコミュニケーション力、英語を中心とした語学力、マナーや接客のビジネススキルです。これらは機内での勤務 (現場での実務) から培われたものです。

飛行機の搭乗客に価値を提供する以外に、外部講師という先生となって資産を活かす道を見出したわけです。

新しい顧客 (講座受講の生徒) に価値を提供するだけではなく、副次的な効果として先ほどの引用内にあった自分たちのモチベーションや肯定感を高める効果もあります。


 「先生化ビジネス」 という着想


今回の事例から学べるのは、「先生化ビジネスができないか」 という着想を持ってみることです。

JAL の場合は、CA のノウハウやスキルを高校生に教える教材に発展させ、コミュニケーションを活かす先生となるビジネスにしました。

始めの時点では 「ビジネス」 と言えるほどの収益性の高い取り組みではないでしょう。もしかすると CA の時給換算の経費すらも賄えないかもしれません。

この取り組みについて JAL は少し長い目で捉えていて、日経の記事によれば次のように書かれています。

今後、JAL と日本旅行は共同で CA らによる研修を別の学校にも導入する方針。

コロナ禍の収束が見通せないなか、修学旅行や語学研修の実施に一定の制限が続く可能性がある。日本旅行は講習会などで教育機関との接点を持ちたい考えだ。

強みの把握と活用


最後にもう1つ学びとして残しておきたいのは、自分たちの強みを把握する重要性です。

よくあるのは、他者が外から見ればすごいと思うことも、本人はそうだと自覚していないケースです。というのも、本人自身は日常的に普通にやっているため、いつしか自分以外の他の人も同じようにできるものだと錯覚してしまうからです。

しかし実はそうではなく、他の人にはできないすごいことだったりします。

こうした自分の特徴を把握し、仕事においてはその特徴が強みとして発揮しているか、強みは他の領域でも応用ができないか (例. 先生化ビジネス) を考えてみると良いです。


まとめ


今回は JAL のキャビンアテンダントが高校生の先生になるという話から、ビジネスに学べることを見てきました。

最後にまとめです。

先生化ビジネスと強み
  • 自分たちの独自ノウハウ自体を活用し、それ自体の 「サービス化 (例: 先生化) 」 ができないかを考えてみよう
  • 既存ビジネス以外にも横展開できれば、自分たちの資産の有効活用につながる
  • 自分が普段からやっていることで、実は他者にはできないことを強みとして把握しておくことが大事


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。