投稿日 2022/06/20

チグハグになっていない?営業とマーケティングで相乗効果を発揮する方法


今回のテーマは、「営業とマーケティングは、どうすれば相乗効果を発揮できるか」 です。

営業とマーケティングが強みを活かし合い、お互いに活躍するためにはどうすればいいのかを解説しています。

✓ この記事でわかること
  • 営業の本質、マーケティングの本質
  • 両者の関係をサッカーでたとえると?
  • 相乗効果を発揮する全体像
  • お互いが成長し活躍するためのマインドセットとスキル

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

営業とマーケティングの本質


では最初に、営業とマーケティングの本質は何かを言語化してみます。

本質の言語化


まずは営業からで、営業とは 「顧客から買ってもらうための活動全般」 です。

次にマーケティングですが、マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 です。

両方とも活動全般と表現しているように、営業とマーケティングを私は広く捉えています。営業とマーケティングの役割はくっきりと分かれるものではなく、重なるところもあります。

サッカーでのたとえ


営業とマーケティングの関係と役割は、サッカーに当てはめるとイメージしやすいです。

✓ サッカーでのたとえ
  • 営業: 最前線にいる点取り屋のフォワード (FW) 
  • マーケティング: フィールドの中盤から FW にパスを出し、時には点も取るミッドフィルダー (MF) 

強いサッカーチームは FW と MF (もちろん DF や GK も) がお互いを理解し、良さを引き出し合いながら連携したプレーをします。

営業とマーケティングも同じです。

ではビジネスの場で、どうすれば両者は相乗効果を発揮できるのでしょうか?


営業とマーケティングの相乗効果


相乗効果の全体像


まず先に全体像を考えると、次の4つ項目で営業とマーケティングで連動し一貫性があるのが理想です。

✓ 相乗効果の全体像
  • 統合された目的の明確化
  • 目的を達成する戦略立案と共有
  • 戦略を実行するための仕組み (組織体制や評価設計) 
  • 両者で整合性のある活動 (ここが戦術に当たる) 

こうした多岐にわたる範囲で、営業とマーケティングで連携しているといいです。

では最後に掘り下げていきたいのは、相乗効果を発揮するための営業とマーケティングのそれぞれのマインドセット (心構え) についてです。

マインドセットとスキル


結論から言えば、

✓ マインドセットとスキル
  • マーケティング思考を持つ営業
  • 営業の発想ができるマーケター

それぞれについて、順番に見ていきましょう。

マーケティング思考を持つ営業


マーケティングで大事なのは、顧客理解です。そのためにはどれだけお客さんの視点になれるかです。

ここから 「マーケティング思考を持つ営業」 とは、一言で言えば顧客起点になることです。

営業といえば、一般的には 「売る人」 と見られますが、マインドセットを変えて、「売る」 のではなく 「買ってもらう」 と捉えます。つまり、考えたり自分の言動において主語を自社ではなく、お客さんに変えるわけです。

例えば、「 (自分は) この商品をお客さんにどう売るか」 という主語を自分にするのではなく、「 (お客さんは) この商品を買ったり使うことで、どんな価値を得られるだろうか」 という発想に変えます。

こうした顧客視点に立ち、さらにマーケティングでよく使うフレームの STP や 4P なども取り入れる営業を目指すと良いでしょう。

営業の発想ができるマーケター


マーケターについても見ていきます。

 「営業の発想ができるマーケター」 とは、自分たちのお客さんとの直接の接点を少しでもつくり、お客に正面から向き合う機会を増やし顧客理解を深めることです。

一般的に、マーケターは営業担当者よりも社内にいることが相対的に多く、営業と比べると直接の顧客接点は限られます。

しかし、お客さんのことを、時にはお客さん本人以上に理解するためには、オフィスや自宅にいるだけでは十分ではありません。直接会う、会って話すことが難しい場合はリモート形式でも良いので、話を聞いたり観察をする機会をつくると良いです。マーケターが自分1人では難しければ、営業に同行するのも手でしょう。

カスタマーサクセス (顧客の成功) という考え方がありますが、マーケターとして持ちたいマインドセットは 「お客さんの成功がまずあり、自分たちの成果や成功はお客の成功がめぐりめぐって起こる」 という顧客の成功に貢献する姿勢です。

* * *

以上のように、営業とマーケターがお互いに相手の思考や発想を持ち、相手の役割や仕事も理解することが相乗効果を発揮する土台になります。

また、営業とマーケターのそれぞれが自分のスキルを伸ばし、キャリアをつくっていくことにも良い影響を与えます。


まとめ


今回は営業とマーケティングの役割と、両者で相乗効果を出すためにはどうすればいいかを見てきました。

最後にまとめです。

営業とマーケティングの本質
  • 営業とは 「顧客から買ってもらうための活動全般」
  • マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」
  • サッカーでたとえると、営業は最前線にいる点取り屋の FW 。マーケティングはフィールドの中盤から FW にパスを出し、時には点も取る MF

相乗効果を発揮するためのマインドセットとスキル
  • マーケティング思考を持つ営業。「売る」 ではなく 「買ってもらう」 、主語をお客さんにする
  • 営業の発想ができるマーケター。お客との直接の接点を少しでも増やし顧客理解を深める。カスタマーサクセスの考え方 (顧客の成功に貢献する) を持つ


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。