投稿日 2022/06/18

マイナンバーカードの申請に重い腰を上げたのが、イノベーター理論とつながると思った話


今回はマイナンバーカードを申請して、こんな学びがあるなと思った話です。

✓ この記事でわかること
  • マイナンバーカードの申請、本音では申請したくなかった理由
  • イノベーター理論とつながるという話
  • アーリーアダプターの自分、レイトマジョリティな自分
  • マーケティングの顧客理解への示唆

よかったら最後までぜひ読んでみてください。

ようやくのマイナンバーカード申請


少し前にマイナンバーカードを申請しました。

自分の中では重い腰を上げた感じで、というのも、今まではマイナンバーカードを使う機会がなかったからです。登録している証券会社への番号提出くらいでした。その時も通知カードで済んだので、マイナンバーカードがないことによる不自由さは全くと言っていいほどなかったです。

そもそものマイナンバーカード自体にメリットが見いだせず、申請から自治体の窓口にわざわざ出かけて受け取る手間も考えると申請しようとは思えませんでした。

しかしこのタイミングで申請したのは、住所変更をしたからです。

ユーザー登録をしているサービスのほとんどは、住所変更は免許証で済みましたが、証券会社ではマイナンバーカードが必要でした。住所変更は個人番号付きの住民票 (コピー可) でもできましたが、住民票の発行には区役所に行く必要があり、どうせ行くならとマイナンバーカードの申請をしようと思いました。


イノベーター理論からの自己理解


マイナンバーカード申請の話は、イノベーター理論につながります。

イノベーター理論とは


イノベーター理論とは、人々を大きく5つに区分し、新しい技術や商品・サービスが普及する時の浸透のされ方を理論化したものです。


5つとは平たく言えば、

  1. 新しいものに真っ先に飛びつく人
  2. 流行に敏感な人
  3. 取り残されないように後から追いかける人
  4. 保守的でなかなか取り入れない人
  5. 最後まで決して動かない人

このような順番で★普及していくという考え方がイノベーター理論です。

5つの分類の規模感や特徴をもう少し説明を続けると、次のようになります。


✓ イノベーター 2.5%
  • 真っ先に飛びつく
  • 技術や仕組みを純粋に評価する

✓ アーリーアダプター 13.5%
  • 有用性を自分の目で判断する
  • アンテナ感度が高く、まわりへの影響力が高いオピニオンリーダー的な存在

✓ アーリーマジョリティ 34%
  • 流行っていることに乗り遅れないようにしたい
  • オピニオンリーダーの影響を受ける

✓ レイトマジョリティ 34%
  • まわりで普及し、使わないと自分が損をする状況になってようやく重い腰を上げる
  • 本心では新しいものはできれば使いたくない・変えたくない。懐疑的に見る

✓ ラガード 16%
  • 今までのものを使い続ける
  • 流行や新しいことには関心がない

色々な自分


今回の話のポイントは、同じ人でも興味対象のジャンルによって、新しいものへの反応や行動が異なることです。

言葉にすると当たり前ですが、これは販売やマーケティングで売り手目線になると忘れがちになります。

マイナンバーカード申請の話に戻して当てはめると、自分はマイナンバーカードにはレイトマジョリティです。世の中で普及しはじめ、カードを持っていないと自分に損が出る状況になって、ようやく申請をしたからです。申請をした今でも、マイナンバーカードにはどこか懐疑的な見方をしている自分がいます。

一方で全てのことにレイトマジョリティかと言うと、そうではありません。例えば IT 系の新しいサービス、マーケティング関連でおもしろと思ったものは、早めに使ってみたいというアーリーアダプターな気質もあります。


学べること


では最後に今回の話から、マーケティングの観点で学べることを整理してみましょう。

マーケティングでの顧客理解に示唆があります。

同じ1人のお客さんでも、色々な側面を持っています。顧客理解において一面を切り取り、それが全てだと決めつけてしまうのは、楽かもしれませんが時としてお客さんの理解を見誤ります。

例えばご紹介したイノベーター理論も、使う時に深く考えずに 「このお客さんはレイトマジョリティだ」 と決めつけてしまうと、適切な理解ができなくなります。

顧客理解に近道や裏ワザはありません。フレームと言うジャンプ台を使うのはいいですが、顧客理解は愚直に、丁寧にやっていきたいです。


まとめ


今回はマイナンバーカード申請とイノベーター理論から、マーケティングに学べることを見てきました。

最後にまとめです。

顧客理解で大切なこと
  • 同じ1人のお客さんでも、色々な側面を持っている
  • 顧客の一面を切り取り、それが全てだと決めつけてしまうのは楽だが、時として理解を見誤る
  • 顧客理解に近道や裏ワザはない。フレームと言うジャンプ台を使うのはいいが、顧客理解は愚直に、丁寧にやっていこう


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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。