出典: USEN
今回のテーマは、デジタル化です。
おもしろいと思った築地銀だこの店舗デジタル化を取り上げ、マーケティングの観点も入れながら学べることを見ていきます。
✓ この記事でわかること
- 築地銀だこの 「本気のデジタル化」 とは?
- デジタル化の思わぬ効果
- デジタル化はコスト削減だけではない
- データの可視化の先にある意思決定と価値創出
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
築地銀だこの店舗デジタル化
今回ご紹介したいのは、たこ焼きの築地銀だこがプロデュースする 「ギンダコハイボール横丁 東銀座店」 です。
出典: USEN
このお店のことは、ITmedia の記事で知りました。
東銀座の築地銀だこで 「本気のデジタル化」 をしたら、何が起きた?|ITmedia
効率化とコスト削減
以下は、記事からの引用です。
築地銀だこがプロデュースする 「ギンダコハイボール横丁 東銀座店」 で、店舗のデジタル化が進んでいる。
利用客が店内に入ると、まず入口天井の AI カメラが自動で客層を判断。年代や性別、来店時の季節などに合わせて BGM を流す。注文は、利用客がスマホで QR コードを読み取り、モバイルオーダーで行う。そして、注文した料理は配膳ロボットが席まで届ける。会計もクレジットカードや QR コード決済などのキャッシュレスに対応している。
デジタル化により、店舗運営は大きく変化した。配膳やオーダー、レジでの集計にかかる時間が短縮し、これまでホールには7人のスタッフが必要だったが、5人で運営できるようになった。人手不足が緩和され、忙しい時でも調理に集中できるようになった。
モバイルオーダー (出典: USEN)
配膳ロボット (出典: USEN)
デジタル化によって店舗運営が効率化され、スタッフの人手不足にも対応できるようになりました。
この記事でおもしろいと思ったのは、デジタル化によってコスト削減に加え、思わぬ効果もあったことです。
データからのメニュー考案
築地銀だこはデジタル化によって、売れ筋メニューの変化を捉えることができました。
導入の結果、ホールスタッフが7人から5人に削減できたことは冒頭にも紹介したが、成果はそれだけではない。
「システムから、時間帯ごとの売り上げや客層、売れているメニューなどが全てデータとして得られます。それによりスタッフの配置、料理の仕込みの量などを計画的に考えられ、ムダな業務が減りました」 と、橋本さんは説明する。これまではそうしたデータの重要性は知りながらも、データを取る余裕がなかったのだという。
また、売れているメニューの傾向がデータで分かることにより、新メニューの開発にもつながっている。
開発された新メニューの中身については、続けて記事から詳しく見ていきましょう。
同店では当初、一口ピザなどのタパス料理を提供していた。しかしデータを分析したところ、タパスの売り上げが伸び悩んでいるのに比べ、煮込み料理の売り上げが良いことが分かった。そこで東銀座店オリジナルのメニューとして、煮込み系メニューのラインアップを増やしたそうだ。
データにより、新型コロナウイルスが顧客のオーダーや利用方法にも影響を与えていることも分かった。何件も居酒屋を変えて飲み歩く人が減ったからか、従来より1組当たりの滞在時間が長くなり、客単価も上がっているのだ。
さらに、メニュー選定にも影響がある。
「コロナ禍で、お客さまが、どのような商品をお求めになるかにも変化が現れています。例えば、もともと人気メニューだった焼きそばは、シェアしづらいということもありオーダーが減っています。こうした状況もデータを取ることで一目瞭然になりました。データを取ることの重要性を、あらためて感じています。これからもメニューの入れ替えなど、臨機応変に対応していきたいです」 と、橋本さんは意気込む。
収集したデータからお客さんのニーズ変化を汲み取り、柔軟に対応したのです。
デジタル化で目指す領域
築地銀だこの店舗デジタル化の話は、デジタル化でどこまでを実現するかに学びがあります。
一般的にデジタル化で効果が出やすいのは、プロセスの省力化や効率化、コスト削減のところです。それだけ、従来のアナログなやり方には非効率なところがあるからです。今回の事例で注目したいのは、効率化やコスト削減の先にあるデジタル化の恩恵です。
築地銀だこの例では、オリジナルメニューの考案や来店客の飲食体験の向上です。
データから来店客の理解につながり、例えば以前は人気メニューだった焼きそばの注文が減っていることがわかりました。焼きそばをテーブル内でシェアし合う食べ方が好まれなくなった生活者心理を、データから読み取ったわけです。他にはオリジナルの煮込みメニューを新しく作りました。
データからお店での滞在時間が長くなったことが把握でき、それだけ築地銀だこの店内での食事時間が楽しめたのでしょう。
可視化の先の意思決定と価値創出
データから状況を可視化し、そこから何を解釈し意思決定にデータを活用できるか。そして意思決定したことを実行し価値を生み出せるか。デジタル化により、ここまでいけるかどうかが肝です。
逆に言えば、データからレポートを作るだけ、あるいはデータのダッシュボードを構築できたとしても、可視化だけではデジタル化のポテンシャルを最大限に発揮できているとは言えません。
デジタル化で目指したいのは、「データ収集 → 可視化 → 解釈 (意味合いの抽出) → 意思決定 → 価値創出」 までです。
まとめ
今回は築地銀だこがプロデュースする 「ギンダコハイボール横丁 東銀座店」 を取り上げ、デジタル化に学べることを見てきました。
最後にまとめです。
デジタル化で目指す領域
- 一般的にデジタル化で効果が出やすいのは、プロセスの省力化や効率化、コスト削減
- デジタル化で目指したいのは、「データ収集 → 可視化 → 解釈 (意味合いの抽出) → 意思決定 → 価値創出」 まで
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